カコモンにTRY!
慶應義塾湘南藤沢中等部の国語にTRY!
2020.3.26
5.6K
「カコモンにTRY!」は、過去の中学入試で出題された問題のなかから、中学受験コースの皆さまに挑戦していただきたい問題を紹介するコーナーです。
ぜひ、お子さまと一緒に取り組んでみてください。
※ 3年生以上(いじょう)で習(なら)う漢字(かんじ)には文章の後に読み仮名(がな)をまとめています。
今回の問題をご紹介する理由
慣用句は入試でも頻出ですので、早くから学習される方も多いでしょう。とはいえ数が多いため、丸暗記しようとして挫折しがちです。そうならないために大切なのが、意味だけではなく、言葉の成り立ちと関連づけて覚えること。そうすれば、正確な知識として定着させることができます。
今回紹介するのは、慣用句の空欄補充とあわせて、その慣用句に登場する物を絵の中から選ぶ問題です。入試問題としてはめずらしい作りですが、言葉の成り立ちと関連づけて意味を学べるよい問題となっています。慣用句の学習のきっかけになると思いますので、ぜひ解いてみてください。
■ 読み仮名
慣用句(かんようく)、入試(にゅうし)、頻出(ひんしゅつ)、学習(がくしゅう)、丸暗記(まるあんき)、挫折(ざせつ)、意味(いみ)、言葉(ことば)、成(な)り立ち、関連(かんれん)、覚(おぼ)える、正確(せいかく)、知識(ちしき)、定着(ていちゃく)、紹介(しょうかい)、空欄(くうらん)、補充(ほじゅう)、登場(とうじょう)、物(もの)、選(えら)ぶ、問題(もんだい)、解(と)いて
※ 3年生以上で習う漢字には文章の後に読み仮名をまとめています。
- 今回のレベル ★
★:3・4年生も理解できる基礎的な問題
★★:4・5年生ががんばって解ける問題
★★★:5・6年生向けハイレベル問題
■読み仮名
理解(りかい)、基礎的(きそてき)、向(む)け
※ 3年生以上で習う漢字には文章の後に読み仮名をまとめています。
問題
2019年度 慶應義塾湘南藤沢中等部 国語 【一】
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■読み仮名
慶應義塾湘南藤沢中等部(けいおうぎじゅくしょうなんふじさわちゅうとうぶ)、解答(かいとう)、句読点(くとうてん)、記号(きごう)、次(つぎ)、二度(にど)、例(れい)、遊(あそ)び、勉強(べんきょう)、医者(いしゃ)、投(な)げ、奇跡的(きせきてき)、回復(かいふく)、悪(わる)い、大接戦(だいせっせん)、末(すえ)、俳優(はいゆう)
※ 3年生以上で習う漢字には文章の後に読み仮名をまとめています。
攻略法
【解答】
①さじ・オ
②くぎ・ウ
③ぐんばい・ア
④めがね・エ
⑤はしご・キ
【解説】
まず、それぞれの絵が何を指しているかを見ておきましょう。アが「ぐんばい」、イが「うちわ」、ウが「くぎ」、エが「めがね」、オが「さじ」、カが「えんぴつ」、キが「はしご」、クが「てんびん」の絵になっています。
①の文に登場するのは、「さじを投げる」という慣用句です。オの「さじ」は、液体などをすくいとるときに使う道具のことで、スプーンともいいます。昔は医者が患者にあたえる薬をすくうために「さじ」を使っていたので、それを投げる、すなわち放り出すということは、患者の治療をあきらめることを意味しました。そこから、「さじを投げる」は、「難しいことをあきらめる」という意味になりました。
②の文に登場するのは、「くぎをさす」という慣用句で、「悪さなどをしないように前もってしっかり注意しておくこと」を意味します。
③の文に登場するのは、「ぐんばいがあがる」という慣用句です。「ぐんばい」は、すもうの行司(勝敗を判断する人)が持っているうちわのような道具のことです。勝ったほうの力士に向かってくんばいをあげることから、「ぐんばいがあがる」は「勝者が決まる」ことを意味します。
④の文に登場するのは、「めがねにかなう」という慣用句です。「めがね」は単に物をよく見るための道具を指すだけでなく、人や物のよしあしを見分ける力という意味もあります。後者の意味から「めがねにかなう」は、「目上の人にみとめられる」ことを意味します。
⑤の文に登場するのは、「はしごを外される」という慣用句です。「はしご」は、高い所へ行くために使う道具です。高い所に上ったあとに、はしごを外されると、そこから下りられなくなってこまりますよね。このことから「高い地位についたあとに、仲間に裏切られて孤立すること」を意味します。
最後に<例>も確認しておきましょう。<例>の文に登場するのは、「てんびんにかける」という慣用句です。クの「てんびん」は、二つの物の重さを比べる道具です。このことから、「てんびんにかける」とは、二つの物事を比べて、どちらを優先すべきか考えることを意味します。
■読み仮名
指(さ)し、液体(えきたい)、使(つか)う、道具(どうぐ)、昔(むかし)、患者(かんじゃ)、薬(くすり)、放(ほう)り出す、治療(ちりょう)、難(むずか)しい、注意(ちゅうい)、行司(ぎょうじ)、勝敗(しょうはい)、判断(はんだん)、持(も)っ、道具(どうぐ)、勝(か)っ、力士(りきし)、向(む)かっ、決(き)まる、単(たん)に、後者(こうしゃ)、所(ところ)、地位(ちい)、仲間(なかま)、裏切(うらぎ)ら、孤立(こりつ)、最後(さいご)、例(れい)、確認(かくにん)、重(おも)、比(くら)べる、優先(ゆうせん)
※ 3年生以上で習う漢字には文章の後に読み仮名をまとめています。
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