カコモンにTRY!
5・6年生向け カコモンにTRY! 特別版 2022年春入試問題紹介の解答解説
2022.4.28
3.8K
「カコモンにTRY!」は、過去の中学入試で出題された問題の中から、中学受験コースの皆さまに挑戦していただきたい問題を紹介するコーナーです。
ぜひ、お子さまと一緒に取り組んでみてください。
※ 5年生以上で習う漢字には文章の後に読み仮名(がな)をまとめています。
今回は、5月号の教材に同封してお届けした「カコモンにTRY! 特別版・2022年春入試問題紹介 教科担当者が選ぶ『この一問』」の解答・解説です。
ぜひ答えあわせをしてみてください。
■ 読み仮名
同封(どうふう)、お届(とど)け、特別版(とくべつばん)、紹介(しょうかい)、担当者(たんとうしゃ)、解答(かいとう)
※ 5年生以上で習う漢字には文章の後に読み仮名をまとめています。
問題
お手元の5・6年生向け「カコモンにTRY! 特別版・2021年春入試問題紹介 教科担当者が選ぶ『この1問』」またはこちらのPDFをご覧ください。
■ 読み仮名
ご覧(らん)
※ 5年生以上で習う漢字には文章の後に読み仮名をまとめています。
国語 解答・解説
解答
カ 4
キ 6
ク 1
ケ 5
コ 2
解説
解法のポイント
この問題で最初に考えるべきは、それぞれの創作慣用句のもとになっている慣用句の意味です。意味をしっかりとおさえたうえで、もとの言葉と置き換わっている言葉を比較したり、創作慣用句のなかでの対比に注目したりして、空欄にあてはまる言葉を考えましょう。
■ 読み仮名
創作慣用句(そうさくかんようく)、換(か)わって、比較(ひかく)、空欄(くうらん)
※ 5年生以上で習う漢字には文章の後に読み仮名をまとめています。
解説
カ 「聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥」は、「知らないことを人に聞くのは、そのときは恥ずかしいが、聞かずに一生知らないままでいると、最後まで恥ずかしい思いをする(だから知らないことは聞くべきだ)」という意味です。
この対比をふまえると、空欄には「浪エネ」の対になる言葉の、4「省エネ」があてはまります。省エネ(エネルギーを節約すること)を心がけるのは面倒かもしれませんが、楽をするために浪エネ(エネルギーを浪費すること)をしてしまうと、回り回ってより大きな悪影響をもたらす、ということを表現した創作慣用句です。
キ 「仏の顔も三度まで」は、「仏のようにおだやかな人でも、失礼な行いをくり返されれば、がまんできずに腹を立てる」という意味です。
顔を三度もなで回されれば仏もさすがにがまんできないように、地球にとってたえがたいものを考えましょう。答えは6「気温上昇」です。慣用句の「三度」は回数を表していますが、創作慣用句の「二度」は温度を表していると考えられます。2015年に採択されたパリ協定で、世界の平均気温の上昇を産業革命と比較して2℃より十分低く保つという目標が合意されたことが、その背景にあります。
ク 「山椒は小粒でもぴりりと辛い」は、「体は小さくても、能力がすぐれていること」という意味です。
慣用句の「山椒」が「募金」に置き換わっていますから、大して効果がなさそうなたった百円の募金でも、大きな価値があるものを生み出すという意味の創作慣用句であると考えられます。したがって、1「ワクチン」が正解です。少しの募金でも、世界のどこかでは人の命を救うことにつながる可能性があることを表現しています。
ケ 「瓢箪から駒」は、「意外なところから意外なものが現れること。じょうだんで言ったつもりが、思いがけず本当のことになること」という意味です。この「駒」は本物の馬のことを表します。
まさかひょうたんから本物の馬が出てくるとは思わないように、この創作慣用句では、ペットボトルから予想外のものができるという意味だと考えられます。したがって、空欄にあてはまるのは5「フリース」です。フリースとは、本来は羊からかり取ったひとつながりの羊毛のことですが、ここではペットボトルの原料であるポリエステルから作られた、やわらかい起毛仕上げのせんい素材を指します。リサイクルの重要性や可能性を表現した創作慣用句です。
コ 「人の振り見てわが振り直せ」は、「他人のよくない行いを見て、自分の行いを反省して改めるべきだ」という意味です。
慣用句の「わが振り」が「わが食事」に置き換わっていますから、他人のよくない食事の仕方を見て自分の食事を改めるという意味だと推測できます。したがって答えは2「フードロス」です。フードロスとは、本来食べられるものを捨ててしまうことを言います。限りある食料・資源を大切にしようという意味がこめられた創作慣用句です。
選択肢3「太陽光」は、持続可能な再生可能エネルギーとして注目されています。石油や石炭、天然ガスなどの化石燃料は量に限りがあり、また、エネルギーとして利用する際には二酸化炭素の排出など地球へ悪影響をおよぼします。それに対し、太陽光や風力などの再生可能エネルギーは、自然の力を利用するためなくなる心配がほとんどなく、地球への負担も減らすことができます。
■ 読み仮名
恥(は)ずかしい、面倒(めんどう)、浪費(ろうひ)、悪影響(あくえいきょう)、表現(ひょうげん)、仏(ほとけ)、腹(はら)、採択(さいたく)、平均(へいきん)、産業革命(さんぎょうかくめい)、保(たも)つ、背景(はいけい)、能力(のうりょく)、効果(こうか)、価値(かち)、救(すく)う、可能性(かのうせい)、現(あらわ)れる、素材(そざい)、推測(すいそく)、捨(す)てて、限(かぎ)り、資源(しげん)、選択肢(せんたくし)、再生(さいせい)、燃料(ねんりょう)、際(さい)、二酸化炭素(にさんかたんそ)、排出(はいしゅつ)、減(へ)らす
※ 5年生以上で習う漢字には文章の後に読み仮名をまとめています。
算数 解答・解説
解答
解説
解法のポイント
円の移動の問題です。
①は「多角形の周りを円が動く」という典型的な出題です。基本が理解できているかが問われます。
②は独特な図形で、動き方が変化するところに注意して解くことが重要です。典型問題に取り組むときに、理由もわからず公式を当てはめるような解き方をしていると、太刀打ちできないでしょう。
■ 読み仮名
移動(いどう)、典型的(てんけいてき)、基本(きほん)、独特(どくとく)、解(と)く、太刀打(たちう)ち
※ 5年生以上で習う漢字には文章の後に読み仮名をまとめています。
解説
①
円が通過した部分は、次の図の色をつけたところです。
これは、縦2cm、横6cmの長方形6個と、半径2cmで、中心角が、360-(90×2+120)=60(度)のおうぎ形6個をあわせた図形なので、面積は、
②
円が通過した部分は、次の図の色をつけたところです。
アは、半径6cm、中心角60度のおうぎ形から、半径4cm、中心角60度のおうぎ形をのぞいた部分です。
イは、半径2cmで、中心角が、360-(90×2+60)=120(度)のおうぎ形です。
円が通過した部分は、アとイを6個ずつあわせた図形なので、面積は、
■ 読み仮名
通過(つうか)、縦(たて)、個(こ)
※ 5年生以上で習う漢字には文章の後に読み仮名をまとめています。
理科 解答・解説
解答
例) 人間の体内に、大きな魚にたまったマイクロプラスチックとそれに由来する有害な物質が入ってきてしまうと考えられる。
■ 読み仮名
物質(ぶっしつ)
※ 5年生以上で習う漢字には文章の後に読み仮名をまとめています。
解説
解法のポイント
問題文にマイクロプラスチックは長時間分解されないことが書かれており、これは生物の体内でも分解(消化)されにくいということです。食物連鎖によって分解されにくい物質は、捕食者の体内にたまっていくことになります。このことから解答を作成するとよいでしょう。
■ 読み仮名
食物連鎖(しょくもつれんさ)、捕食(ほしょく)
※ 5年生以上で習う漢字には文章の後に読み仮名をまとめています。
解説
大きな魚が小さな魚を食べた時、小さな魚の体内にある物質は大きな魚に取り込まれます。マイクロプラスチックは分解されにくい物質なので、小さな魚の体内にあったマイクロプラスチックは大きな魚の体内にとどまることになります。一般的に、大きな魚は生きていくために小さな魚をたくさん食べるので、大きな魚の体内にはたくさんのマイクロプラスチックがたまってしまうことになります。また、マイクロプラスチックの表面はでこぼこしているので、有害な物質を吸着しやすい性質があり、マイクロプラスチックとともに魚の体内にたまっていってしまいます。そのような大きな魚を私たちが食べると、有害な物質が私たちの体内に入ってしまう可能性が考えられます。このように、食物連鎖によって分解されにくい物質が生物の体内にたくさんたまっていってしまうことを「生物濃縮」や「生体内蓄積」といって、環境問題の1つといわれています。
■ 読み仮名
一般的(いっぱんてき)、吸着(きゅうちゃく)、私(わたし)、濃縮(のうしゅく)、蓄積(ちくせき)、環境(かんきょう)
※ 5年生以上で習う漢字には文章の後に読み仮名をまとめています。
社会 解答・解説
解答
イ・エ・キ (順不同)
解説
解法のポイント
問題文と模式図を読み解き、設置されている道路や環状交差点での車や歩行者の動きをイメージできるかがポイントです。
■ 読み仮名
模式図(もしきず)、設置(せっち)、環状(かんじょう)
※ 5年生以上で習う漢字には文章の後に読み仮名をまとめています。
解説
環状交差点の特徴を考える問題です。環状交差点という言葉やしくみを知らなくても、交差点の模式図から読み解くことができます。初見の図版に対応する力をつけていきましょう。
環状交差点を導入する最大の目的は、交通事故を減らすことです。
模式図をみると、車が環状部分を常に一方向に回るようになっています。このことで、車が入り交わる箇所が減少します。また、交差点に入る時にスピードを落とす必要もあるため、重大な交通事故の減少につながります。
答えとなる選択肢のふさわしくない部分を確認しましょう。
イ 車が交差点でスピードを落とすので渋滞が発生しやすく、交通量が多い交差点には適しません。
エ 一方向に回るので、ふつうの交差点で起きる右折車と対向車との正面衝突などの大事故は起こりにくいと言えます。
キ 信号待ち時のアイドリングがなく、二酸化炭素の削減効果は大きいと言えます。
このしくみは、出入りする道路の数が多い交差点でも機能します(ア)。信号機を設置する必要がないため、災害などの停電時にも交差点として機能し(オ)、維持管理費がおさえられる(カ)という利点があります。信号待ちがないので騒音問題や環境対策にも有効です。また、円形部分を活用して地域のシンボルとするなど景観の維持に役立つ(ク)という面もあります。
しかし、円形部分が必要なので、信号機のある交差点に比べて大きい用地が必要です(ウ)。また、音のでる信号機の設置ができないので、視覚障がい者の横断がむずかしいという欠点もあります。
環状交差点は2014年に導入されて、2021年3月末現在で全国で126箇所に設置されています。
■ 読み仮名
特徴(とくちょう)、図版(ずはん)、対応(たいおう)、導入(どうにゅう)、事故(じこ)、常(つね)に、箇所(かしょ)、減少(げんしょう)、確認(かくにん)、渋滞(じゅうたい)、適(てき)し、衝突(しょうとつ)、災害(さいがい)、維持(いじ)、騒音(そうおん)、対策(たいさく)、地域(ちいき)、比(くら)べて、視覚(しかく)、障(しょう)がい、横断(おうだん)、現在(げんざい)
※ 5年生以上で習う漢字には文章の後に読み仮名をまとめています。