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夏休みの難関、自由研究のテーマ決め(3)

【インタビュー】保護者はどう見守ればいいの?

保護者の方が一緒に楽しむ姿勢が何よりの成功の秘訣!

――つい、ヒントだけに留まらず、あれこれ口を出してしまいそうです。

聞き役になることが大事ですね。教えようとすると、子どもはやる気をなくしてしまうし、そもそも自由研究の目的から逸れてしまいます。よっぽど困っているときは「じゃあ、こういう方法はどう?」と提案してもいいでしょうが、あくまでも提案に留めること。アドバイスは、1回にせいぜい1、2個に絞ったほうがいいでしょう。

 

――バランスが難しいですね。

そうかもしれませんね。保護者の方も一緒に楽しむことがコツなのだと思います。

 

――調べを進めてまとめる過程で、保護者の方が気をつけておきたいことはありますか。

技術的なことですが、調べる過程で集めたメモ、新聞の切り抜きや本のコピーなどは、1か所にまとめておくことをおすすめします。箱に入れてもいいし、クリアファイルに入れていってもいいでしょう。ある程度集まったら、それを見直して、「これは大事」「これとこれは同じような話題にまとめられるな」と整理する。この作業は、頭を整理するうえで大切です。また壁新聞やポスターなどの形にする際に、筋道を立ててまとめる助けにもなります。そんなことをお子さまに教えてあげるといいと思いますよ。

新聞やパンフレット、ポスターなどへのまとめ方に関しても、見本を示してあげるといい。役所や図書館におかれているパンフレットやリーフレットなどを集めておいて、「こういう形にする方法もあるよ」と見せると、お子さまもイメージしやすいでしょう。また、実際に本番の紙に書き始める前の、「ここにはこういう記事を載せて……」と構成を考えるのは、手間取りやすいものです。相談にのってあげるといいかもしれませんね。

 

――考え方や疑問のヒントを提示すること以外に、保護者の方ができることはありますか。

そもそも自由研究の宿題が出ていることを忘れている子どももいますので(笑)、やはり早い段階で、「自由研究はどうする?」という声かけはしたほうがいいでしょう。

そして、自分で計画的に進められないお子さまとは、一緒に大まかなスケジュールを立てるといいですね。

 

―スケジュールは、どのように立てるといいのでしょうか。

あまりギチギチに決めると窮屈になってしまうので、全体を大きく三分するといいと思います。たとえば7月中にやりたいテーマを見つけて、8月上旬で調べて、下旬でまとめるなど。そして様子を見ながら「調べるにはけっこう時間が必要だよ」「そろそろまとめに入ったほうがいいかもね」と声をかけるなど、タイムキーピングを手伝うのもいいでしょう。

 

――高学年生にも、同じように手を貸していいのでしょうか。

学年は関係なく、苦手な子には手を貸してあげてください。

また、高学年になると、インターネットで情報を得ることも増えるでしょう。書籍などから引用するときもそうですが、WEBサイトから引用するときはとくに、信頼できるサイトを探すこと、出典元を忘れずに書くこと。そういった情報リテラシーについても教えたいものです。

 

自由研究は、お子さまが何に興味を持ち、何を考えているかを知ることができるいいチャンスです。お子さまの視線に下りて、発見や疑問をていねいに聞くと、「へえ、こんなことを考えているのか」と保護者の方ご自身も発見があると思いますよ。

「この結論に持っていかなくてはだめだ」と考えると、できていないことに目が向きますが、結論は想定と違ってもいいのです。「おもしろいね」「不思議だね」と、一緒におもしろがると、お子さまもそれまでの成果を一生懸命に話すでしょうし、次の探究につながるはずです。

 

――ありがとうございました。

 

『アクティブ・ラーニング 調べ学習編』

西岡加名恵 監修/PHP研究所/3,000円(本体価格)

今回お話をうかがった西岡先生が監修された『アクティブ・ラーニング 調べ学習編』には、自由研究にも役立つ、調べ学習のヒントが満載! 「まずは何から手をつければいいんだっけ?」「いい研究にするには、どんなことが必要?」など、小学生のお子さまにも読みやすい説明です。

プロフィール

西岡 加名恵 (にしおか・かなえ)

京都大学大学院教育学研究科教授。
京都大学大学院教育学研究科修士課程修了後、英バーミンガム大学大学院教育学研究科博士課程を修了、Ph.Ⅾ(Education)取得。鳴門教育大学学校教育学部講師、京都大学大学院教育学研究科准教授などを経て現職に。カリキュラム論、教育評価論など教育方法学を専門とし、各地の学校に入って、調べ学習などアクティブ・ラーニングを行う際の評価について研究を進める。近著に『アクティブ・ラーニング 調べ学習編』『アクティブ・ラーニング 学習発表編』(共にPHP刊)がある。

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