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新学習指導要領で変わる小学生の英語学習~変更点のポイントと今後重視される力~(2)

今後の英語学習で重視される力とは?

「聞くこと・話すこと」→「読むこと・書くこと」の順に学習が進み、中学以降の英語学習の土台をつくります。

 新しい学習指導要領においては、3・4年生の「外国語活動」を通して英語を「聞くこと」「話すこと」を中心に英語に慣れ親しみ、その後の英語学習に抵抗なく進むための素地を養うことが目標とされ、5・6年生の「外国語」では、子どもの発達段階に応じて、「聞くこと」「話すこと」の学習内容を深めるとともに文字を「読むこと」「書くこと」も加えて、中学校での学習へつなげていくとされています。

 音声でのインプットをはじめに十分に行うということは、これまでの学習指導要領から変わりません。その一方で、現状で課題となっている、小学校と中学校の授業のギャップ(中学で急に「読み・書き」中心の授業に変わる)に配慮し、高学年の子どもたちの「読みたい」「書きたい」「英語という言葉をもっときちんと知りたい」という欲求にも応えるものになっています。

3・4年生の外国語活動授業例:自分のことについて簡単な語句を用いて伝え合う
5・6年生の外国語授業例:自分のことについて伝える内容を整理したうえで簡単な語句を用いて発表する

 皆さまは、「大学入試の英語が4技能型になる」ということをご存じでしょうか。小学校の新学習指導要領でも、「4技能」の、聞く・読む・話す(やり取り・発表)・書くについて、それぞれの目標が設定されていますが、特筆すべき点としては、5・6年生の段階であっても、「読むこと」「書くこと」については「音声で十分に慣れ親しんだ簡単な語句や基本的な表現の意味がわかるようにする/書き写すことができるようにする」と示されていることです。つまり、まずはとにかく英語を「音」から身につけましょう、読むこと、書くことはその次ですよと言っているのです。

 このことから、保護者の皆さまの世代が中学生のときに受けてきた、読み・書き中心の授業――まずアルファベットという文字をいきなり練習して、単語をひたすら覚えて、基本例文の文法を学んで――という学習順序とは、がらりとさま変わりしていることがおわかりいただけるでしょう。

 「音」が重視される、といっても、ALT教員と歌を歌ったりゲームをしたりするだけの授業ではありません。デジタル教材を活用し、世界の英語話者の様子を知ったり、たくさんの「本物の」英語に触れたりしながら、自分に必要な情報を聞き取ったり、自分のことについて人前で発表したり、尋ねたりと、実際のコミュニケーション活動のなかで英語を学ぶ授業となります。

 目標には「簡単な語句や基本的な表現」とありますが、大人からみても難しそうなこんな表現も学習します。

 What do you want to be?

 「あなたは(将来)何になりたいですか?」という意味ですが、文法的に見ると、[一般動詞の疑問文+疑問詞の使い方+不定詞+be動詞の知識……]と非常に高度なものです。しかし、子どもたちは頭で考えるのではなく、決まったフレーズとして何度も聞いて、発音し、友だちに対して使うことを繰り返し、英語のルールや文構造を無意識的に自分のものにしていくのです。

 このように、小学校の段階で英語特有のリズムや語順に関する感覚を磨いておくことが、新学習指導要領で次の表のように設定されている中学校、高校での学習のしっかりとした土台になると考えられます。

「英語を使って何ができるのか」が評価されるようになります。

 2020年の新学習指導要領施行までの期間は「(数値による)成績はつけない」とされています。それ以降、3・4年生では「外国語活動」の欄に担任の先生が文章でコメントを書く形式、5・6年生では「外国語」という教科として、数値化された成績がつくことになる方向性が示されています。

 テストについては、英文法の知識が細かく問われるものではなく、ネイティブ教師とのスピーキングテストや、スピーチ、自分で制作する提出物といったかたちで、「実際に英語を使ってできること」を試されるテスト(「パフォーマンス評価」)も行われることが予想されます。

 余談になりますが、新学習指導要領には、まず大きな目標として「外国語によるコミュニケーションを図る素地/基礎をつくる」というねらいがあります。「英語を正しく使える」のは、目的ではなく、あくまでも、世界という舞台でコミュニケーションをとるための手段ということなのですね。そのため、「小学校でよい成績をとる」ためには、「文法を正確に理解している、単語を正しくつづることができる」ことよりも、多少、英語に誤りがあっても、何とかして自分の思いや伝えたいことを相手に理解してもらおうとしている姿勢のほうが重要となるかもしれません。たとえば、相手に伝わるように「大きな声で発話している」ということだけでも、大いに評価される要素となるでしょう。

 今回の特集は、特別に2号連続で更新します!

 3月8日(木)更新の次回は、保護者の方から寄せられた疑問や不安に対して、Z会の英語教材開発担当がお答えします。

小学生の英語学習に関するアンケートにご協力ください!

さぽナビでは、変化する小学生の英語学習について今後もさまざまな視点で取り上げていきます。そこで、小学生のお子さまが学校やご家庭で英語の学習にどの程度取り組まれているのかについて、アンケートを実施いたします。現在、お子さまが何らかの英語学習に取り組まれている方だけでなく、取り組まれていない方も、ぜひアンケートにご協力をよろしくお願いします。

回答時間は5分程度、スマートフォンからもご回答いただけます。回答いただいた方の中から、抽選で10名様に図書カード500円分をプレゼントいたします。以下のフォームからご回答をお願いします。【入力締切:2018年3月15日(木)】

小学生コース1・2年生、小学生タブレットコース、中学受験コースをご受講の方用 アンケートフォーム


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