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小学生の心は6年間でこう変わる 親として知っておきたい発達心理学(2)

対人スキルは「放っておけば勝手に成熟する」ものではなく、大人が教えることも必要

――グループワーク形式の授業が増えてきていますが、対人関係スキルの高さが学力に影響する可能性もあるのですね。昔に比べると、そうしたスキルを身につける必要性が高まってきているということでしょうか。

学ぶ必要があるのは昔も今も変わりませんが、昔は学ぶ機会が多かったので今ほど意識的にならなくても大丈夫だったということは言えると思います。今は、近所の子どもと公園で遊んだり、近所の人に叱られたりといった機会があまりないですよね。環境が変わったために、あえて教えないといけない時代になったということではないでしょうか。

というのも、先ほど言ったようなさまざまな能力は、放っておけば勝手に成熟するわけではなくて、周りにいる大人が教えることも必要なのです。勉強も、まったく教えていないことがいきなりできるようになる、なんてことはありえないですよね。よって、ソーシャルスキルを学ぶ機会をつくる必要がある。でも、それは先回りしてやってあげるということではないんです。

親は先回りしないこと。「応答性」をもってサポートを

――親はどのようにすれば子どもの社会性の発達をサポートできるのでしょうか。

まず第一に親に求められる態度は、「応答性」です。応答性というのは、子どもの求めていることを汲み取って受け止めるということです。子どもの様子に関心を向け、子どもが言おうとしていることをよく聞く。

ただし、「私はあなたにこんなに関心をもってあげてるんだから勉強しなさい」というのは違うんですよ。子どもを受け止めるよりも思いどおりに動かしたいという意図が強いと、それは子どもに伝わります。子どもは「親の喜ぶようなことを言わないといけないんだな」と悟って話したがらなくなり、親子間での対話が成り立たなくなってしまいます。

ーー心の中では子どもに「思いどおりであってほしい」と思っているのに、表面だけ応答的では受け止めたことにならないんですね。

そうです。たとえば、よく「ほめて伸ばすことが大事」などと言いますよね。でも本心から思っていないのに、「うまくできたね。こうしたらもっとよくできるのにね」なんて言ったら、やっぱりそれは本当に受容的・応答的な態度とはいえないわけです。自分ではほめているつもりでも、声とか言い方に出てしまうんですよ。

たとえば、「学校どうだった?」という声掛け一つとっても、本当に子どもの思いを汲み取ろうとしているのであれば、表情や声は応答的なものになっているはずです。でも、勉強をちゃんとしているのか問いただすような気持ちが先にあると、怒ったような言い方になってしまう。愛情をもって言っていたつもりでも、実は子どもにとって応答的でないという場合もあるわけです。

ーーわが子だからこそ、つい厳しい態度になってしまうのではないでしょうか。

子どもに対して「この子は乱暴だ」とか「引っ込み思案だ」などと悪い面が目についてしまっているのかもしれません。そういうときは、意識的に見方を変えてみるというのもいいですね。「リフレーミング」というやり方です。攻撃的な性格はパッションがある、引っ込み思案は慎重とも言えます。性格というのは一つの特徴の裏表なんですよ。見方を変えることで、嫌だと思っていたところがいいところでもあると気づけば、自然と受容的に接することができるかもしれません。

⇒次ページに続く 小学生は成長する時期、だからこそ葛藤が増える時期

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