特集

小学生保護者が知っておきたい「思考力」の育て方(2)

【学年別】Z会の「思考力」養成に役立つ教材とそのねらい

ここからは、Z会の通信教育の各コースの教材の中から、教科の枠を超えた「思考力」養成にとくに役立つ教材について、学年ごとに、開発担当者の声をご紹介します。

低学年

Z会小学生コース1・2年生では、思考の幅を広げる「みらい思考力ワーク」というオプション講座をご用意しています。
※Z会小学生タブレットコース1・2年生の「みらいたんけん学習」でも、思考力を鍛える問題を出題しています。

開発担当者に聞きました!

◆思考力育成のために、低学年のうちにまず重視すべきこと

将来必須となる問題発見力・課題解決能力を養うためには、低学年のうちから思考の幅を広げる経験が欠かせません。学び始めのこの時期は、まずは知識の活用の仕方を学ぶことが大切です。国語・算数などの教科知識や、日常生活で習得した知識を組み合わせて、「こんな考え方ができるんだ」「こういう見方もあるんだね」という発見を積み重ねることで、考えることの楽しさとともに、粘り強く問題に取り組む姿勢が身につく時期と考えています。

◆Z会小学生コース1・2年生のオプション講座「みらい思考力ワーク」のねらい

「みらい思考力ワーク」では、国語・算数などの教科学習で学んだ知識や、日常生活で習得した知識をもとに、「論理的判断力」「情報整理力」「試行錯誤力」「連想力」「注意力」「推理力」の6つの幅広い力を身につけていきます。教科にとらわれない出題で、教科の枠をこえた思考力を養い、将来の可能性を広げることを目的としています。

<出題の一例>
下記の問題は、6つの力の中でも特に「情報整理力」を伸ばすことを目的としています。キャンプに行くという設定で、持ち物の確認やスケジュールの管理を行います。

2年生「みらい思考力ワーク」より。クリックで画像が開きます。

学校の行事としてキャンプに行くという設定の中で、与えられた情報を正しく理解し、決められた範囲の中で上手にスケジュールが立てられるように、正しく情報を読み取っていきます。指示されたことをきちんと理解し、ルールにしたがって行動できるようになることは、今後の生活の中でも大切なことです。行事に参加するというわくわく感とともに、今後必要となる力を身につけていきます。

中学年

Z会小学生コース3・4年生では、2021年度より、専科「思考・表現力」講座が新規開講となります。
※小学生タブレットコース・中学受験コースの方が、小学生コース専科「思考・表現力」を同時に受講される場合は、会員番号をそれぞれお持ちいただきます。ご了承ください。

開発担当者に聞きました!

◆3・4年生の間に育つ思考力とは

2~3年間の学校生活や学習期間を経て、基礎的な学習習慣や国語・算数の知識が身につくのが、小学校の中学年という時期ですね。3年生からは、理科・社会という新しい教科の学習も始まることで、自然や社会についての理解も深まっていきます。
これらの教科基礎力が高まることにより、低学年で取り組んでいたことよりさらに複雑なことに対しても、情報を整理したり、筋道を立てて考えたり、ものごとの正誤を判断したり、自分の考えを他者に伝えたりすることができるようになります。また、さまざまな経験を通して、多少の難しいことに対してもすぐにはあきらめず、挑戦を続ける忍耐力も備わってきます。

このように、小学校の中学年は、情報整理力や論理的思考力、判断力、表現力、試行錯誤力が伸びていくための土台が備わっている時期だといえるでしょう。ただし、これらの力は、流れに任せておけば誰でも等しく伸びていくというわけではありません。お子さま自身が「なぜだろう」「どうすればうまくいくだろう」と考えながら取り組むこと、また、お子さまにそのように思わせる題材や機会が必要です。

◆Z会小学生コース3・4年生専科「思考・表現力」講座のねらい

お子さまが、自分や社会にとってよりよい未来をつくっていくためには、自ら課題を発見し、それを解決していく力を身につけることが必要です。
Z会の思考・表現力講座では、課題の発見・解決へつながる力として、「論理的思考力」「情報整理力」「試行錯誤力」「判断力」「表現力」の5つの力を設定しました。この講座では、これらの力をときには1点特化で、ときには複合的に発揮させながら、さまざまな問題に取り組むことになります。

<出題の一例>
4年生の5月号「あてはまるものをさがそう」では、複数の候補のなかから、与えられた条件に適するものを選択していくなかで、「情報整理力」や「判断力」を鍛えます。下記はそのうちの1題で、会話文や図から読み取れる情報を整理することで、商店街の各店の内容や位置、そこで買うものについて考えていきます。

4年生「思考・表現力」より。クリックで画像が開きます。

この問題では、文章や図に対する2つの取り組みをポイントとしています。
(1)では、「会話文の中から、情報を読み取って整理」します。会話文の中には、店の種類やパーティーで出すものなど、さまざまな種類の情報が入っています。会話の流れを理解せずに単語だけ読み取ると間違えてしまうものもありますが、紙などに情報をまとめて順を追って読んでいけば、答えは1つに定まります。
(2)と(3)では、「会話文から読み取って整理した情報と図から読み取れる情報を照らし合わせ」ます。(2)では、会話文から読み取った情報にあてはまる図がどれかを判断します。(3)では、(2)から得られる情報と、会話文から読み取れる情報を照らし合わせることで、会話文からだけではわからなかった、書店や洋服店、おもちゃ専門店の店名がどれかを1つに定めることができます。

このように、「思考・表現力」講座では、丁寧に根気よく取り組んでいけば正解にたどりつける問題を多く出題しています。お子さまの思考力・表現力が伸びていくことはもちろん、難しいことにも挑戦していける強い心が育つことを願っています。

2021年度開講小学生コース3・4年生専科「思考・表現力」のご紹介


複合的な出題で、教科の枠をこえた思考力・判断力・表現力を伸ばす

将来の高校・大学入試で必須となる課題発見力・課題解決力や表現力を養うためには、中学年のうちから「思考の幅をより広げる経験」「自分の考えを正しく伝える経験」を積むことが必要です。

本講座では、教科学習の内容にとどまらない多彩な出題で、教科の枠をこえた思考力・判断力・表現力を伸ばしていきます。公立中高一貫校受検をお考えの方にもおすすめです。

モニター受講者の声

パズルが大好きな息子は、初回の筆算のパズルを感覚的に解くことができましたが、その答えになった理由を説明する問題には悪戦苦闘していました。自分の考えた過程を言葉に置きかえて説明するのが難しかったようです。書けなかった問題を解答を見ながら書き写してみることから始めて、3カ月ほど経ちました。100点満点の記述にはまだまだ遠いですが、文章で自分の考えを伝える方法が少しずつわかってきたような気がします。このまま学習を続けていったら、自分の考えたことを文章で理路整然と説明できる日がやってくるかもしれない!と楽しみに見守っています。

小学4年生 静岡県 K さま

講座の内容はこちらよりご確認ください。

高学年

Z会小学生コース5・6年生には、専科「公立中高一貫校適性検査」「公立中高一貫校作文」(※後者は6年生のみ)があります。公立中高一貫校の適性検査対策を主なねらいとしていますが、受検を予定されていなくても、将来の高校・大学受験を見すえた思考力養成のために受講される方が多くいらっしゃる講座です。
※小学生タブレットコース・中学受験コースの方が、小学生コース専科「公立中高一貫校適性検査」「公立中高一貫校作文」を同時に受講される場合は、会員番号をそれぞれお持ちいただきます。ご了承ください。

開発担当者に聞きました!

◆高学年で伸ばすべき思考力とは

公立中高一貫校の受検を検討されている方なら本格的に適性検査対策をスタートする時期で、求められる力も高度になっていきます。なかでも、4年生までに伸ばしてきた「情報整理力」は、高学年では「情報整理・運用力」となります。問題文や資料から読み取った情報をまとめるだけでなく、自分の知識と組み合わせて活用する力も、高学年では伸ばしていく必要があるのです。
また、せっかく良い答えを導き出せても、相手に伝える力がなければ、得点にはなりません。答案を提出し、添削指導によって自身の改善点や長所を把握することで、「表現力」も伸ばしていきたい時期です。

◆Z会小学生コース5・6年生専科「公立中高一貫校適性検査」講座のねらい

適性検査では、非常に多くの資料から必要な情報を読み取り、自分のもっている知識と組み合わせて考え、答えとしてまとめることが求められます。
そこで本講座では、適性検査の過去問を分析し、求められる力を5つに分類しました。小学校で学ぶ主要4教科の力である「教科基礎力」、考えたことを相手にわかりやすく伝える「表現力」、情報と知識を組み合わせて考える「情報整理・運用力」、課題が何であるかを理解し、物事を順序立てて考える「論理的思考力」、解決策を考える「課題解決力」の5つです。
これらの5つの力を複合的に用いることで、さまざまな適性検査の問題に対応することができるようになります。

<出題の一例>
下記は、適性検査でよく見られる「複数の資料から情報を読み取る問題」です。注意点をまとめた文章・地図・バスの時刻表という複数の資料から情報を取捨選択し、計画書にまとめることで、「情報整理・運用力」を鍛えていきます。

5年生「公立中高一貫校適性検査」より。クリックで画像が開きます。

本格的な適性検査対策を始めたばかりの5年生用の問題なので、計画書にはヒントを散りばめています。計画書と資料を丁寧に照らし合わせていけば、正しい計画書ができあがります。問題文にあるヒントや問題を解くためのキーをきちんと見つける力も、適性検査の受検には必要です。
また、この問題では、話し合ったことを計画書にわかりやすく簡潔にまとめています。問題のようなまとめ方を身につけることは、適性検査対策だけでなく、学校での活動にも役立つはずです。

学年共通 プログラミング学習Z-pro

「プログラミング学習 Z-pro」は、年4回配信のデジタル教材です。小学生コース本科・小学生タブレットコースをご受講中であれば、お申し込み・追加費用は不要です。ご家庭のスマートフォンやパソコン、タブレットで気軽に取り組めます。
Z-SQUAREの記事「プログラミング学習Z-proに取り組もう」では、各学年のミッションの内容をご紹介しています。お子さまの学習にお役立てください。
※小学生コース本科・小学生タブレットコースをご受講の方のみのご提供です。

開発担当者に聞きました!

◆プログラミング学習によって身につく思考力とは

小学校におけるプログラミング教育では、プログラミングの技能を身につけること自体ではなく、「プログラミング的思考」を育むことが主なねらいです。問題解決のために必要な作業を手順に分けて順序立て、どうすれば効率的におこなえるかを論理的に考え、試行錯誤しながら実践してみるといった、どのような課題にも対応できる、「考え方の土台」ともなる力を身につけることができます。

◆「プログラミング学習 Z-pro」のねらい

「プログラミング学習 Z-pro」では、プログラミングで身につく力を「論理的思考力」「問題解決力」「創造力」の3つの力に分けてとらえ、「答えが1つでないもの」、「常に状況がかわるもの」に対し、トライ&エラーを繰り返しながら解決法を発見していく力を伸ばしていきます。

<出題(ミッション)の一例>
コンピュータに意図した動きをさせるためには、一連の動きを一つ一つの動きに分解したうえで、それぞれどのような動きなのかを明確にし、適切な順番でつなげる必要があります。下記の問題では、意図した動きになるように試行錯誤しながら、指示を修正していきます。

「プログラミング学習 Z-pro」より。クリックで画像が開きます。

プログラミングに限らず、楽しく学ぶことは、子どもの意欲を引き出し、自ら学びを深めることにつながります。プログラミングは難しいもの、という印象を持つ前に、プログラミングは楽しく便利なものであると実感してほしいと願っています。そのため、「プログラミング学習Z-pro」では、身近なものを題材にして楽しく取り組めるように工夫を凝らし、はじめてでも取り組みやすいように配慮しています。お子さまが楽しく取り組んでいくうちに、自然と「プログラミング的思考」を身につけられるようになっているはずです。

「思考力」と同時に育てていきたい力

最後に、学校で学んだことを社会に出てからも生かせるようにするためには、前述の3つの柱のうちほかの2つ〈社会や生活で生きて働く知識及び技能〉〈学びに向かう力・人間性〉も同時進行で育成していく必要があります。
小学生の間は、
・思考力の土台となる知識の習得
・学習に対する主体的な姿勢をはぐくむこと
も同時に行っていく必要があるといえるでしょう。

知識は、教え方のうまい先生に教わっていれば習得できるものではありませんし、学習に対する主体的な姿勢は、強制的に机に向かわせたから育つというものではありません。
まず「自分でやってみる」よう促し、取り組んだことをほめる。知識が役に立つ場面があったら、「知っていてよかったね」と学習の成果を言葉にして認める。お子さまの自主性を何よりも大切に考えたZ会の通信教育は、こうした日々の積み重ねに最適です。学年や発達段階に合わせたサポートの方法は、本サイトにて、今後も提供してまいります。

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