特集

学びをひろげ、課題を解決する「探究力」を育もう(1)

2022年度から実施される高等学校の学習指導要領では、「総合的な学習の時間」が「総合的な探究の時間」となり、「地理探究」「理数探究」など「探究」を冠する科目が新設されました。小学校・中学校の学習指導要領でも探究的な学習が重視されており、「探究」はこれからの時代における学びのキーワードになっています。
今月の特集では、探究的な学習とはどのようなものか、そして、小学生のうちから「探究力」を育むにはどうすればよいのか、Z会の教材開発担当者とともに考えていきます。

目次

 

「探究的な学習」とは何か

小学校学習指導要領の「総合的な学習の時間」についての記載のなかで、「探究的な見方・考え方を働かせ、横断的・総合的な学習を行うことを通して、よりよく課題を解決し、自己の生き方を考えていくための資質・能力」を育成することが目標として掲げられています。

出典:文部科学省ホームページ(https://www.mext.go.jp/)
小学校学習指導要領(平成29年告示)解説 総合的な学習の時間編 より

上の図は、探究的な学習における子どもたちの学習の姿を示すものです。ここでは、探究的な学習は①課題の設定、②情報の収集、③整理・分析、④まとめ・表現の4つの過程から成るものと捉えられています。子どもたちがこれらの過程に取り組む中で新たな課題を見つけ、さらなる課題を解決するための活動を発展的に繰り返すことが期待されています。

「総合的な学習の時間」の授業時数は、3~6年生に年間70以上が配当されており、取り組むテーマや期間は各学校で定めます。テーマの例としては、国際理解や環境といった現代社会の諸課題に関連するもの、地域や学校の特色に応じたもの、児童の興味・関心に基づくものなどが考えられます。たとえば、「郷土料理」をテーマとした場合、理科で学んだ身近な自然や生物、社会で学んだ地域の歴史や産業、国語で学んだ文章の書き方、算数で学んだ統計的な見方など、教科の内容を横断的・総合的に関連付けて学習することが大きな特色です。

なお、小学校の段階での「調べ学習」は、たとえば「地域で観察できる外来生物」のように、多くの場合求める答えが比較的はっきりした形で存在し、それを子ども自身が見つけるという取り組みです。こうした調べ学習で身につく知識や調べるスキルは探究的な学習の土台になるため、基本的な調べ学習ができるようになってから探究的な学習に取り組むのが一般的です。

 

小学生から「探究的な学習」に取り組む意義

学びにおいて大切なのは、学ぼうとする意欲と動機を持ち続けることです。とくに小学生の段階では、それまで知らなかった知識を得たり、できなかったことができるようになったりする経験を多く積み、学び自体を「楽しい」と感じることが何よりの動機づけになります。ひとたび学ぶ楽しさを知った子どもは、どんどん自分で興味関心を広げ、自ら学びに向かうようになります。

しかし、〇×式のような問題に慣れた子どもにとっては、自分で考えて進めていかなければならない探究的な学習は困難を伴うものです。それでも、がんばって調べたことや、伝え方を模索しながらまとめた成果を他者が承認してくれたとき、子どもは大きな達成感を得ることができます。そして、それは次の学習への意欲や「今度はこうしよう」というさらなる工夫につながります。

そのため、小学校学習指導要領においては、学習の過程や表現した成果について他者と意見交換したり協働したりする「学び合い」を重視します(下図)。また、他者に質問したり自分が質問に答えたりすることも、物事の多角的な見方を養ううえで有効です。「総合的な学習の時間」だけではなく、教科学習においても、課題の解決の過程でこうした学び方が期待されます。

探究的な学習では、教科学習に比べて課題とするテーマもその課題を解決する方法もより多様で複雑です。試行錯誤を重ねながら課題に挑戦する経験は、子どもがこの先の人生で何度も直面する「答えのない課題」に向き合う基礎となります。だからこそ、小学生のうちから探究的な学習に取り組み、主体的に学ぶ姿勢を培うことが不可欠になるのです。

出典:文部科学省ホームページ(https://www.mext.go.jp/)
平成29・30・31年改訂学習指導要領の趣旨・内容を分かりやすく紹介 より
 

家庭で行う「探究的な学習」

探究的な学習は、「探究的な学習における児童の学習の姿」の図中に「日常生活や社会に目を向け」とあるように、学校の教室の中だけで閉じた活動ではない点が特徴です。つまり、家庭を含めた学校の外の世界には、お子さまの「探究力」を引き出すチャンスが無数にあると言えます。

お子さまが3年生以上であれば、学校で取り組んでいる「総合的な学習の時間」のテーマを聞き、日常生活での経験と結び付ける機会をご家庭で設けることをおすすめします。
たとえば、先述の「郷土料理」がテーマであれば、お子さまに多角的な見方を提示する働きかけが有効です。食卓や店頭、地域の風景などの中に、お子さま自身が探究を深めていくきっかけがたくさんあるので、お子さまの年齢や学校での取り組みに応じて気づきを促していくとよいでしょう。

さらに、学校での学習にプラスして、家庭で取り組める探究的な学習をお子さまに提案するのもひとつの方法です。Z会小学生向けコースでも、教科の枠にとどまらないオリジナルの構成で、探究的な学習に取り組める講座をコース・学年別にご用意しています。

⇒次ページに続く 「探究力」を育むZ会の講座と学習の目標(1・2年生)

         「探究力」を育むZ会の講座と学習の目標(3・4・5・6年生)

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