特集
どう変わった? 小学校の外国語教育(2)
2021.2.25
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評価はどんなふうに行われる?
――子どもたちに対する評価はどのような観点で行われるのでしょうか?
小学校では、外国語は、教科として数値等による評価を行います。今の学習指導要領のもとでは、小学校、中学校、高校とも、また、英語だけでなくどの教科も、次の3つの観点に基づき、それぞれの観点の趣旨の⼒が⾝についているかどうかを評価することになっています。
「知識・技能」「思考・判断・表現」「主体的に学習に取り組む態度」
先生方は、この3つの観点に沿って1人ひとりの力を見取り、最終的に総括して、指導要録や通知表に評価を記します。たとえば3段階評価で2であれば、目標がおおむね達成されていますよということです。つまり、評価は、あくまでその段階でお子さんがどこまで力がついているかを示すものであって、「できる子/できない子」といった、品定めやレッテル貼りをするためのものではありません。
したがって、最高評価でなかったなら、どこかにまだ伸ばせる力があり、そこを頑張ればより上の評価になるんだと保護者の方には受け止めていただきたいです。先生方も、たとえば、「今回、外国語で2ということは、目標がおおむね達成できているということで、授業中も一生懸命学習に取り組んでおられます。そして、思考・判断・表現の観点での学習がもっと深くなるといいですね。そのためには、何のために、誰に伝えるのかを考えて、伝える内容やこれまでに学んだ語句や表現のどれを使えばよいかを自分で考えて伝え合うことを意識してみましょう。」などと説明してくださっていることと思います。
――成績を見て「判定結果」のように受け止めてしまうのではなく、これから伸ばすべき点が示されているものと受け止めるべきなのですね。それでは、保護者は、子どもの英語学習にどのように寄り添うのがよいか、アドバイスをお願いします。
保護者の皆さまにぜひお願いしたいことが2つあります。
1つめは、保護者の方も一緒に英語学習を楽しんでほしいということです。そのためには、子どもに相対するのではなく、横に並んで、テレビやパソコンで英語のコンテンツを一緒に視聴する、英語の絵本を一緒に読むなどして、ともに学ぶ姿を見せることが大事です。それが、お子さんのやる気を喚起することになりますから。
2つめは、言語は間違いながら習得していくものであること、また、身につけるには時間がかかるものだとよくよく理解することです。私たちは皆、間違いながら母語を習得してきました。間違って、間違って、間違って、年数をかけて正しく使えるようになった。なのに、英語になるとはじめから正確さを求めがちです。それは無理な話ですよね。
この2点を忘れず、お子さんの英語学習に寛容に寄り添っていただきたいと思います。
具体的な授業の様子や、今回の学習指導要領のねらいなどについては、文部科学省のYouTubeチャンネル内の動画でも紹介していますので、詳しく知りたい方はぜひご覧ください。現場の先生方も、私たちも、公教育の中で英語の力を十分につけられるよう取り組んでいるので、温かく見守っていただければと思います。小学校の先生は、とっても頑張っています!
■文部科学省YouTubeチャンネル「YouTube MEXT ch」
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