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2022年中学入試動向(首都圏)

今回の記事では、首都圏(1都4県:東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県、茨城県)の入試動向について、ご紹介します。

中学入試の動きをチェック

新型コロナウイルス感染症が流行しはじめて、はやくも3年目です。その間、世界情勢は大きく変わり、物資の不足や円安による物価高など、身近に経済的な影響も出始めてきました。中学受験によってわが子により質の高い教育を受けさせたいと考えるものの、経済的な理由から、受験に踏み切るべきか頭を悩ませているご家庭も多いのではないかと推測します。そのような状況下において多くの私学は、オンライン対応などにしっかりと取り組み、魅力ある教育内容や学校改革をアピールするよい機会にもなりました。

一方で、学費および授業内容の面でも指導内容の面でもメリットのある公立中高一貫校の人気は依然として高く、茨城県では令和に入り公立中高一貫校10校を相次いで開校。公立で全国初の小中高一貫校として2022年春に開校した都立立川国際中等教育学校では、附属小学校の倍率が30倍を超えたことも話題になりました。

首都圏でも少子化は進み受験生自体は減少傾向にあるため、学校側からすれば、公立・私立含めて受験生獲得の競争が激化しています。そのため私学が、受験生を増やす目的で入試方法を変更することは十分に考えられます。これまでも、午後入試の実施や男女共学化がありました。近年では、2020年度からの小学校英語必修化を受けて英語を課したり、教科学力によらない独自の入試方法を設けたりする学校も増えてきています。ただし、難関校では基本は4教科の入試です。志望校の選択肢をせばめないためにも、まずは4教科の基礎学力をしっかりと固めましょう。

注目していただきたい点は、各学校の倍率です。末尾にも主要な学校のデータを掲載しましたが、いわゆる難関校と呼ばれる学校の倍率が総じて下がりました。倍率低下の傾向は昨年からあり、一部揺り戻しもありましたが、一部の例外を除き、新型コロナウイルス感染症の影響を受けて、2022年度も他県での受験を控える傾向があったようです。

首都圏の入試動向

受験者数は少子化の影響を受けますが、中学入試においては地域ごとに見ていく必要があります。首都圏1都3県の今後4年の小6卒業生の人口動態を見ても、東京はほぼ横ばいなのに対し、他の3県は顕著な減少傾向が見られます。首都圏では、これまでの受験率の傾向として、2008年度の16.6%から2014年度には14.1%まで下がり続けました。その後、年ごとに受験率は上がり、2022年度は17.3%と、これまでの最高になりました。受験率の低下は2008年のリーマンショックの影響があったことは否定できないでしょう。そして、受験率の上昇は、学校側の改革の成果や、子どもによりよい教育を受けさせたいというニーズの高まり、さらには、団塊ジュニア世代の中に、自らが中学受験を経験し、中学受験のよさをよく理解している保護者層が増えてきていることも要因ではないかと思われます。ここまでが2022年度までの動きです。

では、2023年度以降の入試はどうなるのでしょう。
昨年に引き続いて、新型コロナウイルス感染症が今後どうなっていくのか注意して見ていく必要があります。仮に、受験率が落ち込んだとしても、それで合格しやすくなるかというとそれは違います。保護者および受験生の受験校を選ぶ基準が厳しくなり、どうしても行きたいと思わせる学校はより人気が出ることも考えられますし、より合格が難しくなる学校も出てくることでしょう。難関校を志望する場合には、全体の平均データに左右されずに、万全の準備をしておきましょう。

2022年度のトピック

早稲田、慶應、学習院など、大学付属校の人気は依然として続いています。大学入試改革など先行きの見えない中で、少しでも不安を取り除きたいという心理が働くのでしょう。系列大学への進学がほぼ保証されていることから、クラブ活動や課外活動などに思い切り取り組めることも、高い支持を得ている要因と思われます。

それとあわせて、全体的には安全志向が感じられます。新型コロナウイルス感染症の影響を受けて、受験者数は前年並みだったものの、受験校を絞ったご家庭も見られました。受験慣れを目的とした他県でのお試し受験やチャレンジ校の受験が敬遠されたようです。元々、進学する予定のない学校の受験のため、それによる難易度の変化はあまり期待できませんが、どちらにしても悔いのない受験をしてもらいたいものです。また、学校説明会だけでなく、入試に関する手続きについてもWeb化をする学校が増えました。さらには、面接の中止を決めた学校も、女子校を中心に多く出ました。今後もさまざまな変更のあることが予想されますから、まめに情報収集していく必要があるでしょう。

入試方式や定員に大きな変更のある(あった)学校

募集定員が多くはないのですが、お茶の水女子大附属中学校が昨年度から公立中高一貫校と同様の「適性検査型」入試に移行しました。しかしながら、難関私立中で適性検査型の入試を導入しているところは、光塩女子学院など少数にとどまります。

全国的には新型コロナウイルスの影響で結婚・出産を控える動きもあり、2010年生まれの107万人から2021年生まれは81万人へと少子化が進んでいるためか、先を見越して高校からの募集を停止する中高一貫校も出始めています。
たとえば昨年度から本郷が、今年度から豊島岡女子が、高校での募集を停止しました。それによって中学での募集定員に変更が出てきています。豊島岡女子は交通の便もよく進学実績もよいため、女子には人気の学校ですが、高校からの入学が閉ざされることで、中学受験を検討するご家庭が増えるかもしれません。

なお、都内の公立中高一貫校にも動きがあります。富士と武蔵が昨年度、大泉と両国が今年度、白鷗は来年度から、併設型の高校での募集を停止します。そして千葉県では、千葉市立稲毛高等学校附属中学校(今年4月から千葉市立稲毛国際中等教育学校)が2025年春に高校募集を停止します。
一方、筑波大附では、今まで音楽・図画工作・家庭科の筆記試験と体育実技がありましたが、昨年度から4教科の筆記試験のみとなりました。今年度も報告書点に英語を加えるという変更がされています。

いずれにせよ、来年度以降の入試には大きな変更が加えられるところもあるでしょうから、学校のWebサイトなど、情報収集はまめに行うようにしましょう。

主要難関校の動向

末尾に主要難関校の受験者数、合格者数、実質倍率を掲載しました。それを見ていただければおおよその傾向はつかめるかと思いますが、選抜方法が多様化し、複数の入試を用意しているところなどでは、合格者を絞り込んでいるものも見られます。なお、ここには記しませんでしたが、首都圏は学校数が多く、受験日も重要です。関西圏では、統一入試日(1月13日から19日までの土曜日)とその翌日におおよその結果が出るのに対し、首都圏では、下記のような傾向があります。

・千葉県、埼玉県では、1月に入試を行う学校も多いです(入試解禁日がそれぞれ1月20日、1月10日)。東京都在住の受験生も、前受け(お試し受験)として、千葉や埼玉の学校を受けるケースがあります。
・都内および神奈川県の入試解禁日は2月1日で、公立および国立は2月3日。受験日は、ほぼ2月1日~5日に集中します。
・都内の最難関校の受験日は2月1日に集中します。そのため、神奈川男子御三家である聖光学院、栄光学園は2月2日、浅野は2月3日となっています。都内の最難関校と併願できるよう入試日を工夫しているようです。
・試験日が日曜日に重なると一部のキリスト教系中学校は受験日を別日にします。礼拝の日(安息日)のためです。これをサンデーショックと呼びます。近年では、2015年度がサンデーショックで、たとえば、桜蔭を2月1日、女子学院を2月2日に受験するなどが可能になりました。次のサンデーショックは2026年です。現小学3年生の受験がこれに当たります。

※入試解禁日…優秀な生徒の青田買いを防ぐために、各都道府県の私学協会が、入試を開始してもよいと定める日のこと

首都圏の主な難関校 (合格者数/受験者数、実質倍率)

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