東大料理愛好会レシピ

生活習慣病予防に…オレイン酸

東大料理愛好会のメンバーが小さいころによく食べていた体験をもとに、頭がよくなる栄養素とレシピをご紹介します。

子どものころ,こんなものを食べていました-オレイン酸-

新美さん(東京大学1年)
 わたしが幼いころ、母はできるだけ栄養価の高い食べ物をわたしに食べさせようとアボカドを使った料理をよく作ってくれました。とくに受験期には(わたしの好物であったこともあり)頻繁に食卓に登場していました。アボカドに多く含まれているオレイン酸には生活習慣病予防に加え、腸の働きを活性化し便秘を解消するという効果があるとされています。そのためかストレスがかかりやすい受験期でも腸を悪くするということはありませんでした。受験期にある程度のストレスがかかることはしかたないことですが、健康を維持できていれば、そのストレスから生じる問題を最小限に抑えることができます。わたしの母はわたしの受験生活に干渉せずに、食事というかたちでわたしの健康を支えてくれました。そう考えると今は母に感謝のかぎりです。

藤井さん(東京大学2年)
わたしが受験生のころ、家では母親手作りのアーモンドバターを使っていました。アーモンドをすりつぶしてバター、砂糖、塩と混ぜ合わせるだけで簡単にできるもので、そのままパンに塗ったり、ケーキの材料にして焼いたりと色々な食べ方ができます。甘いものが疲れた頭にとてもありがたかったですし、アーモンドに含まれるオレイン酸は血中のコレステロール値を調整してくれるので、生活習慣病の予防にもなり、助かりました。

古谷さん(東京女子大学2年)
わたしは受験期につい遅い時間まで勉強してしまったり、少し不規則な生活になったりしてしまうことが多く、母はよく軽食にアーモンドなどのナッツ類を出してくれました。また、サラダにはアボカドがよく入っており、ほとんどの料理にオリーブオイルを使用して出してくれていました。すべてオレイン酸を含んだ食材であり、わたしの不規則になりがちな生活を見て、生活習慣病予防や胃もたれ・胸焼けを少なくするといった効果のあるオレイン酸を含んだ食材をこまめに食べられるようにしてくれていました。そのおかげもあり、受験期に体調を崩さず過ごすことができました。

 

チーズ入り鶏つくねのナッツ揚げ

材料(3人前)

クルミ、アーモンド・・・・計40g
片栗粉・・・・・・・・・・大さじ3
鶏胸肉(ひき肉)・・・・・250g
カマンベールチーズ・・・・半分
玉ねぎ・・・・・・・・・・1/4個
塩こしょう・・・・・・・・少々
油(揚げる用)・・・・・・適量

作り方/レシピ

<作り方>

(1)クルミ、アーモンドをたたく

(1)クルミ、アーモンドを透明な袋に入れ、大きさが均一かつ細かくなるまでたたく(このとき、粉にならない程度に細かく砕くこと)

(2)(1)に片栗粉大さじ2を加える(衣完成)
(3)玉ねぎを細かくみじん切りにする

(4)カマンベールチーズを切る

(4)カマンベールチーズを写真のように切り、中身を取り出す。(この時白カビの皮に厚みを残しておくこと)中身は細かく切っておく。

(5)(3)にひき肉、片栗粉大さじ1、塩こしょうを加え、手でよくこねる(粘り気が出てまとまるまで)
(6)(4)で取り出したカマンベールチーズの中身を(5)の肉だねで包む

 

(7)衣をつける

(7)(6)に(2)の衣をつける

(8)きつね色になるまで揚げる

(8)(7)を150〜160度の低温できつね色になるまで揚げる(カマンベールチーズの皮も同じく揚げる)

レシピのポイント

クルミやアーモンドなどのナッツ類はオレイン酸を多く含む秋が旬の食材です。加えて、動脈硬化予防に効果的なビタミンEや疲労回復に効果的なビタミンB1も豊富です。カマンベールチーズもオレイン酸が多く含まれていますが、加えてカルシウムも多く含まれているので、マグネシウムを多く含むアーモンドと食べ合わせることで骨粗しょう症対策にもなります。これらの食材は全体的にカロリーが高めなため、肉は低カロリーかつ高タンパクの鶏胸肉を使ってみました。今回、衣のナッツの配分はクルミ:アーモンドを1:1にしましたが、配分を変えることでまた違った風味のつくねを味わうことができます。

アボカドと豆腐の和風クリームパスタ

材料(2人前)

アボカド・・・・・・・・・1個
豆腐・・・・・・・・・・・150g
豆乳・・・・・・・・・・・200cc
オリーブオイル・・・・・・適量
しょうゆ・・・・・・・・・小さじ2
塩こしょう・・・・・・・・適量
パルメザンチーズ・・・・・適量(多めにかけるとおいしい)
パスタ・・・・・・・・・・200g

作り方/レシピ

<手順>

(1)アボカドを切る

(1)アボカドを写真のように切る。

(2)豆腐を泡立て器で崩す

(2)豆腐を泡立て器で崩す。

(3)アボカドを中火で熱する

(3)フライパンにオリーブオイルを引き、(1)のアボカドを中火で熱する(このとき、アボカドの外側の緑が鮮やかになるまで焦がさないように熱すること)

(4)とろみがつくまで弱火で煮込む

(4)(3)に(2)の豆腐、豆乳、塩こしょうを加え、とろみがつくまで弱火で煮込む

 

(5)(4)のソースにとろみがついたら、風味が消えないように最後にしょうゆを加える
(6)ゆでたパスタに(5)のソースをかける
(7)パルメザンチーズと(お好みで)オリーブオイルを加えたら完成

レシピのポイント

アボカドはオレイン酸のみならず、さまざまな栄養が豊富に含まれている栄養価の高い果実です。今回はアボカドに加えオレイン酸が豊富に含まれている豆腐と豆乳を使いクリームパスタを作ってみました。豆腐を泡立て器で崩し、パスタソースを作るというのは、東大料理愛好会で初めての調理会で習った方法です。このクリームパスタはオリーブオイルとあいまって感慨深い一品です。

オレイン酸の効用

オレイン酸とは脂肪酸の一種で、とくに脂肪酸を飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸に分けたときの後者に属します。動物性脂肪には飽和脂肪酸を多量に含むものも多く、飽和脂肪酸の過剰摂取により動脈硬化やその他生活習慣病を引き起こす悪玉コレステロール値を上げてしまうリスクがあります。

一方、植物性脂肪のなかには不飽和脂肪酸を多く含むものがあり、その一つがオリーブオイルなどに多く含まれるオレイン酸です。オレイン酸はほかの不飽和脂肪酸と違い、善玉コレステロールを減らすことなく、悪玉コレステロールを減らしてくれます。

また不飽和脂肪酸には酸化し、過酸化物という動脈硬化の原因となる物質になりやすいという欠点がありますが、オレイン酸は例外的に酸化しづらく、その欠点がありません。つまり、オレイン酸は生活習慣病の予防に最適な栄養素といえます。加えて、オレイン酸は腸管の中では吸収されにくく、腸の働きを活性化する働きもあるため、便秘解消にも効果があるといわれています。

オレイン酸が多く含まれている食品としてオリーブオイルのほかにアーモンドやクルミといったナッツ類、アボカドなどがあげられます(そもそもオレイン酸の由来はオリーブオイルだとか)。これらの食材を見てもわかるように、オレイン酸はあくまでも脂肪酸なのでカロリーが高いため、料理の食材として使う際には全体の風味づけとして使うとよいでしょう。食べ合わせとしては、鶏肉などのタンパク質を含む食材と一緒に摂取することで血管を強くし、動脈硬化のリスクを下げることができます。

 

 

*この記事で紹介しているレシピはアレルギー対応はしておりません。アレルギーをお持ちの方はご注意ください。

東京大学料理愛好会

東京大学を中心に、さまざまな大学・専門学校に通うメンバーで構成されている。都内のキッチンスタジオで週に1度調理実習を行い、腕を磨く。
最近では、NHK総合テレビ『あさイチ』にメンバーが出演したり、大手回転寿司チェーンかっぱ寿司にメニューを提供したりするなど積極的に活動。
著書に『東大料理愛好会 頭がよくなるレシピ』など。

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