東大料理愛好会レシピ

体にとって必要不可欠なミネラル…亜鉛

東大料理愛好会のメンバーが小さいころによく食べていた体験をもとに、頭がよくなる栄養素とレシピをご紹介します。

子どものころ、こんなものを食べていました-亜鉛-

藤後さん(東京大学3年)

亜鉛を多く含む食品としては牡蠣・チーズ・卵黄などが有名ですが、実はさまざまな食品に含まれており、白米やパンにも含まれています。そのため、ふだんの生活のなかでバランスよい食事を心がけていれば自然に摂取できるのではないかと思います。ただ、わたしの受験生時代、とくにセンター直前期などはあまり家に帰って食事をとることがなく、コンビニで済ませることが多かったので、炭水化物中心の食生活になり、肉・魚介類をとらず亜鉛不足に陥っていたのではないかと反省しています。タフな受験生にとってバランスある食生活はなかなか難しいですよね……亜鉛不足は味覚障害や貧血を引き起こすきっかけにもなるので、お子さまには適度に摂取させてあげてほしいと思います。

田代さん(東京音楽大学3年)

子どものころは、牡蠣や牛肉はめったに食べませんでしたが、毎日納豆と卵を食べていたので亜鉛不足にはなりませんでした。また、コンビーフの炒め物が食卓にあがることも多く、今思えば牛肉の代わりだったのかもしれません。亜鉛は、まとまった量を摂取できる食材は限られますが、少量でも日ごろから取り入れて不足することのないようにしたいです。

江部さん(東京家政大学2年)

わたしはチーズや、ナッツ類をよく食べていました。チーズはおやつとして食べていたことが多く、意外と食べ応えがあって、ちょっと空腹をごまかすにはちょうどよかったです。ナッツ類は、両親のおつまみ用として買ってあるのを少しつまんだり、一緒になって食べたりしていました。亜鉛は免疫力の向上、成長と発育などに影響を与える大切な食の要素ですので、お子さまにはもってこいの食材です!

 

牡蠣と鶏肉のピリ辛トマト煮[40分]

材料(1人前)

牡蠣・・・・・・・・・・・4個
鶏むね肉・・・・・・・・・70g
ほうれん草・・・・・・・・3株
玉ねぎ・・・・・・・・・・40g
パプリカ・・・・・・・・・1/4個
オリーブオイル・・・・・・大さじ1
にんにく・・・・・・・・・1/2片
唐辛子・・・・・・・・・・1本
塩・・・・・・・・・・・・適量
トマトジュース(無塩)・・50mL
顆粒コンソメ・・・・・・・適量
片栗粉(下ごしらえ用)・・適量

 

作り方/レシピ

<作り方>

(1)牡蠣の下ごしらえをします。 ボウルで牡蠣を片栗粉でもみ、水を入れてすすぎます。2回ほど水をかえて、水が汚れなくなったら、牡蠣の水気をペーパーでよくふき取ります。

(2)具材を切ります。鶏むね肉とパプリカは、一口大に切ります。

※鶏むね肉は、筋繊維に対して垂直方向に切ると柔かく仕上がります。

(3)玉ねぎとニンニクをみじん切りにする。

(3)玉ねぎとニンニクをみじん切りにします。ほうれん草は土を洗い落とし、熱湯で湯がいておきます。

(4)フライパンに具材を入れる。

(4)フライパンにオリーブオイル・にんにく・種を取った唐辛子を入れて弱火にかけます。色づいてきたら玉ねぎとパプリカを加えます。

(5)トマトジュース・コンソメ・牡蠣を加えて煮込む。

(5)玉ねぎの色が変わったらトマトジュース・コンソメ・牡蠣を加えて煮込みます。

(6)鶏むね肉を入れ、煮詰まってきたら塩で味を調え、ほうれん草を加えたら完成です。

レシピのポイント

①牡蠣は食中毒予防のために十分加熱しましょう。少なくとも中心部を85度~90度で1分半以上の加熱が必要です。
②ほうれん草のシュウ酸は水溶性なので、水で茹でることで減少させることができます(アク抜き)。
③パプリカにはビタミンCが多く含まれており、亜鉛の吸収を促進します。
④動物性たんぱく質を同時にとることで亜鉛の吸収率が高まります。

かぶの肉詰め和風スープ仕立て[30分]

材料(1人前)

小かぶ・・・・・・・・・3個
小かぶの葉・・・・・・・適量
牛ひき肉・・・・・・・・80g
和風だし・・・・・・・・適量
水・・・・・・・・・・・適量
みりん、しょうゆ・・・・小さじ1
塩・・・・・・・・・・・適量
お好みで飴色玉ねぎ・・・小さじ2
お好みでパン粉・・・・・小さじ1

作り方/レシピ

<手順>

(1)小かぶの皮をむきます。スプーンなどで小かぶの中身をくりぬきます。
※小さじ1の丸形計量スプーンがぴったりです。

(2)くりぬいた中身を刻みます。 

(3)鍋に水と(2)を入れて火にかけます。

(4)牛ひき肉に塩を2つまみ入れて練り、お好みで飴色玉ねぎやパン粉も加えてさらに練ります。

(5)小かぶの器に(4)を詰めます。

(6)(3)の鍋に(5)を入れ、小かぶの1/3が浸かるように水を足し、水分量に適した和風だしを入れ、ふたをします。

(7)やわらかくなるまで煮込む。

(7)煮立たせないよう気をつけながら、煮込み、小かぶが柔らかくなってきたら、葉・しょうゆ・みりんを加えてさらに煮込みます。かぶがお好みの柔らかさになったら完成です。

レシピのポイント

①小かぶの皮は一緒にゆでて、甘酢和えなどにするのもおすすめです。
②飴色玉ねぎやパン粉は冷凍してストックしておくと便利です。
③やや高価な食材である牛肉は、少量を使用して副菜にすることで食卓にあげやすくしました。

亜鉛の効用

亜鉛には、免疫力の向上、記憶や精神の安定などの効果があり、また、細胞分裂や新陳代謝を活性化するため、成長期の子どもにとって欠かせない栄養素です。さらに、亜鉛は味覚細胞の形成を担っているため、不足すると味覚障害を引き起こす原因となります。

亜鉛を豊富に含む食材は、牡蠣がむき身1つで約2.6mgと多くなっています。また、牛肩肉やコンビーフなども含有率が高い食材です。煮干しも含有率が高いのですが、塩分が高いので注意が必要です。これらと比べて亜鉛の含有量は少なめですが、油揚げや納豆、卵や海苔にも亜鉛は含まれているため、日本人には摂取しやすい栄養素です。

ただし、吸収率が低いミネラルなので、肉・魚類が不足したり、食物繊維を大量にとるような食生活が続いていると亜鉛不足になる場合があることを知っておくといいでしょう。

一方で、亜鉛の吸収を促進する成分もあります。梅干やレモンに多く含まれるクエン酸、ビタミンC、動物性たんぱく質などです。クエン酸は、亜鉛等ミネラルと一緒に摂ることでそれらの吸収を促進し、ビタミンCはクエン酸の作用を強めます。また、動物性たんぱく質はも亜鉛の吸収率を高めます。牡蠣フライにレモンをかけるなどの組み合わせで、効率よく亜鉛を取り入れることができますので、ぜひ工夫してみてください。
 

 

 

 

*この記事で紹介しているレシピはアレルギー対応はしておりません。アレルギーをお持ちの方はご注意ください。

東京大学料理愛好会

東京大学を中心に、さまざまな大学・専門学校に通うメンバーで構成されている。都内のキッチンスタジオで週に1度調理実習を行い、腕を磨く。
最近では、NHK総合テレビ『あさイチ』にメンバーが出演したり、大手回転寿司チェーンかっぱ寿司にメニューを提供したりするなど積極的に活動。
著書に『東大料理愛好会 頭がよくなるレシピ』など。

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