小田先生のさんすう力UP教室

規則性を探してみよう

さんすう力を高めるにはどうしたらいいの? まあ、そんなに難しく考えないで、まずはお子さまと一緒に問題に取り組んでみましょうよ。

 こんにちは、クリスマスプレゼントは最近もらっていない小田です。そういえば、いつごろまでもらっていたかの記憶も定かではありません。小学校高学年ごろには、図書券をもらって好きな本を買いに行くシステムだったような気がしないでもないです。もしかすると、それは誕生日プレゼントだったかもしれませんが。昔のことなので記憶があいまいです。

 さて、今回は規則性の問題です。「規則性」というとなんだか構えてしまう人もいるかもしれませんが、まずは気楽に取り組んでみてください。

 それでは早速問題に行ってみましょう。

Stage34:規則性を探してみよう

 ツルとカメがあわせて10匹います。
 足の数があわせて36本のとき、ツルとカメはそれぞれ何匹いますか。

指導のヒント

 「規則性の問題」と言いつつ、これは「つるかめ算」じゃないか、と思った方、それは正解です。

 ただし、この問題は別に「つるかめ算」の解き方を知っているかどうかを問いたいわけではありません(もちろん、解き方を知っていてそれで解けるのであれば、それはそれでいいのですが)。

 今回の問題でやってみてほしいのは、「数字をあてはめていく」ことです。たとえば「ツルが5匹、カメが5匹だったら」というように、具体的に考えていくのです(この場合は、足の数は2×5+4×5=30になるので、答えではない、とわかります)。

 そうやっていくなかでどのあたりに“正解”があるのか、探っていきましょう。

解答

ツル:2匹  カメ:8匹

さんすう力UPのポイント

 今回の問題は、実は昨年度4月号(Stage13)で扱ったものとまったく同じです。その回では、「つるかめ算の考え方」を知らなくても(理解できていなくても)、数字をあてはめていけば「つるかめ算の問題」は解ける、という話をしました(今年度の4月号:Stage25でもお伝えした、「試行錯誤することがまず大事」という話ですね)。

 そのときの話は、「あてはめていけばそのうち答えは見つかるけど、それは大変で、でもその大変さを知っているからつるかめ算の“アイディア”のありがたみがわかる」というところで終わっていました。しかしもちろん、「あてはめていく」のが重要であるのは、それだけが理由ではありません。

 たとえば、今回の問題で“あてはめ方”を少し工夫してみましょう。ランダムであてはめていくのではなく、端から順にあてはめていくのです。「カメが0匹、ツルが10匹」のときを考えると、足の数は20本ですね。その次に「カメが1匹、ツルが9匹」のときを考えると、足の数は22本になります。これを繰り返していくと、次のような表を書くことができます。

 「合計の足の数」に注目してください。2本ずつ増えているのがわかりますか。この“規則性”を利用すると、合計の足の数が36本になるのは、「カメが0匹、ツルが10匹」のときからカメを8匹増やした「カメが8匹、ツルが2匹」のときとわかります(「ツルが0匹、カメが10匹」から調べ始めてもかまいませんが、そうすると今回はすぐに答えが見つかってしまうので、あえて逆から調べてみました)。

  ある数を決めると別のある数が決まるとき、それらの関係を「関数」と言います。つまり今回の問題では、「合計の足の数」は「カメの数」の「関数」になっている、ということです。この「関数」の概念は、学校教育では小学校高学年以降、本格的には中学生になってから学習します。しかし、ひとたび登場するとずっと関わってくる重要な概念です。いわゆる「サイン・コサイン」も三角“関数”という一種の「関数」ですし、「微分・積分」も関数を扱っていくうえでの重要な技法の一つです。

 1・2年生向けの記事で、「先を予測する」ことは楽しいというような話を書きましたが、この「関数」も先を予測するための強力な武器の一つです。「実験して関数を見抜き、それを利用して、ほしい値を計算する」という、「関数」をうまく扱う姿勢を感じ取ってほしい、というのが今回の問題のねらいです。

もっと問題

 1個30円のミカンと、1個80円のリンゴを、あわせて20個買いました。

 ミカンだけの代金よりも、リンゴだけの代金のほうが170円高かったとき、それぞれ何個ずつ買ったでしょう。

 

    • 解答

ミカン:13個  リンゴ:7個

 (実際に調べていくと、下の表のように「代金の差」は110円ずつ減っていくのがわかります。)


 いかがでしょうか。この時期になると、毎年湯島天神にお参りに行くことにしています。ここ最近は毎年のように受験生を教えており、彼らには常々「がんばるのはわたしではない、君たち自身だ」という話をしているのですが、そうは言っても、できるだけのことはしてあげよう、ということで、神様にお祈りしに行くのです。とはいえ、「合格祈願」というのは趣味ではないので、入試までの残された時間を、悔いなく過ごせるよう祈ってくるだけではあるのですが。本当はきっと、受験生にとってはそれがいちばん難しいんだと思うんですけどね。

 それではまた来月!

文:小田 敏弘(おだ・としひろ)

数理学習研究所所長。灘中学・高等学校、東京大学教育学部総合教育科学科卒。子どものころから算数・数学が得意で、算数オリンピックなどで活躍。現在は、「多様な算数・数学の学習ニーズの奥に共通している“本質的な数理学習”」を追究し、それを提供すべく、幅広い活動を展開している(小学生から大人までを対象にした算数・数学指導、執筆活動、教材開発、問題作成など)。

公式サイト:http://kurotake.net/

主な著書

まだZ会員ではない方

関連リンク

おすすめ記事

「考える」力を育てよう「考える」力を育てよう

小田先生のさんすう力UP教室

「考える」力を育てよう

同じ模様を書いてみよう同じ模様を書いてみよう

小田先生のさんすう力UP教室

同じ模様を書いてみよう

やってみる力を育てようやってみる力を育てよう

小田先生のさんすう力UP教室

やってみる力を育てよう


Back to TOP

Back to
TOP