小田先生のさんすう力UP教室

数のセンスを鍛えよう

さんすう力を高めるにはどうしたらいいの? まあ、そんなに難しく考えないで、まずはお子さまと一緒に問題に取り組んでみましょうよ。
(執筆:小田敏弘先生/数理学習研究所所長)

 こんにちは、子どもたちを見ていると、昔のことを思い出す小田です。とくに考えるのは、自分が子どものころ、“先生”やひいては“オトナ”という存在をどういうふうに見ていたかということ。あのころ自分が見ていたように、今、子どもたちも自分のことを見ているのだろうなあ、と思うと、いろいろと思うところがありますね。ふり返ると、幸運にもわたしの周りには“いい先生”“いいオトナ”が多かったので、そういった方々から受け取ったものを次の世代に贈っていくのもわたしのひとつの仕事かな、と思っています。

 さて、今回は数の問題です。計算が絡んだパズルではありますが、ひとまずは1桁の足し算ができれば取り組むことができるので、ぜひ気軽にチャレンジしてみてください。

 それでは早速行ってみましょう。

Stage40:数のセンスを鍛えよう

例題

 数字の書かれたパネルがあります。このパネルを、点線にそっていくつかのブロックに切り分け、どのブロックも書かれている数字の和がちょうど10になるようにしてください。

例題の答え

 まずは問題の意味を確認してあげましょう。意味が取りづらいようなら、適当に区切って「こうすると、ここの合計は~~だね」というふうに示してあげてください。

 「四角形(正方形や長方形)にしないといけない」と思い込んでしまう子もいるので、そういった様子が見られたら、「(四角形だけじゃなくて)こういうふうな形でも大丈夫だよ」と具体的な形(たとえば、左上の「7、3、1」など)を示して伝えてあげます。また逆に、「斜めにつながっているだけ(たとえば、7と1の位置)」の形はナシなので、聞かれたら「それはナシ」と答えてあげてください。さらに、「マスが余らないようにする」というのも大事なルールです。

 問題の意味がつかめたら、いつも通り自由にやらせてあげてください。答えが出たら、「和が10ずつになっているか」「マスが余っていないか」など、ルール通りになっているかを確認してあげましょう。ルール通りになっていないところがあれば、その旨を伝えてあげます。

 今回の問題は、一般的なヒントはあまりないのですが、行き詰っているようなら「10」の作り方はいろいろあるよね、というのは伝えてあげるといいでしょう。たとえば、左中段の「7」は正解のように上の「3」と組み合わせても10になりますが、右の「2」とさらにその上の「1」を足しても10にすることができます(もちろん、そうしてしまうと左上の3が孤立してしまうので、今回は明らかにまちがいですが)。そういったことを指摘し、子どもの視野をひろげてあげることで、試行錯誤の幅がひろがり、答えにたどり着ける可能性も上がるでしょう。

解いてみよう

 数字の書かれたパネルがあります。このパネルを、点線にそっていくつかのブロックに切り分け、どのブロックも書かれている数字の和がちょうど10になるようにしてください。

 

解答

さんすう力UPのポイント

 とくに低年齢のお子さまをおもちの保護者の方にとって、「計算力」というのは大きな関心事の一つになっているようです。いわゆる「計算ドリル」的なものを、あまり低年齢のころからやらせるのは少し違うな、と思う一方、なんだかんだ言いつつそういったものをやっておかないと、将来的に「計算力」が足りなくて困るのではないか、という不安も感じている、という話もよく聞きます。

 もちろん、計算が算数のすべてではありませんが、実際のところ、計算の負荷があまりにも大きすぎると、学習に対する負担も大きくなり、苦手意識につながってしまうケースは確かにあります。逆に、計算が安定していれば、その分、余裕をもって学習を進めていける、ということもあるでしょう。その意味では、なるべく早いうちに「計算力」をつけておきたい、という希望は、保護者の方としては当然の気持ちです。

 それでは、その「計算力」は、どうすれば伸ばしていくことができるのでしょうか。

 結論から言ってしまえば、「計算力」をつけるためには、まずそのベースとなる“数のセンス”を磨くのが重要です。数と触れ合い、数と遊び、数と仲良くなること。そうした経験を積むなかで培われた、「数の特徴を“感じ取る”感性」が、実はダイレクトに「計算力」を支えています。

 拙著『東大脳さんすうドリル』でも主張したことではあるのですが、数と仲良くなるためには、数のいろんな面と触れ合うことが大事です。その意味では、「決まった形の計算をくり返す」トレーニングでは、数の“決まった面”しか見ることができず、なかなか仲良くなるのが難しいでしょう。とくに低年齢の時期には、「いろいろな方法で」「いろいろな場面で」数と触れ合い、いろいろな計算をしていってほしいと思うのです。

 今回の問題では、「2つの数を足す」というだけでなく「3つ、もしくはそれ以上の数を足す」という計算をする場面もあります。答えこそ「10になるもの」だけですが、実際にはそれを探す過程で当然「10にならないもの」もたくさん計算することになるでしょう。そうして「10にならなかったもの」を「10にする」ために、「足りない数はいくらか」「余分な数はいくらか」「使う数を変えると答えがどう変化するか」など、さまざまな種類の計算もすることになるはずです。そういった、数や計算をさまざまな面から捉えることで、“数のセンス”を養ってほしい、というのが、今回の問題のねらいです。


 いかがでしょうか。

 まだまだたまに気温の低い日もありますが、少しずつ夏には近づいてきているようで、少し暑さを感じる日も増えてきましたね。そういう日は最近、アイスを食べたりもしています。昔は安くて量が多くて大味なアイスばかり食べていたのですが、年齢を重ねてくるにつれて、繊細な味のアイスも嗜むようになりました。そういう視点でいろいろと見てみると、各社、工夫を凝らしたアイスをたくさん出しているのですね。今年の夏はいろいろとアイスを食べ比べてみたいものですが、そのためにもまずしっかり運動をしないといけません。以前から運動するすると言っておきながら、なんだかんだで全然動いていないのですが、今月こそはがんばりたいと思います。

 それではまた来月!

文:小田 敏弘(おだ・としひろ)

数理学習研究所所長。灘中学・高等学校、東京大学教育学部総合教育科学科卒。子どものころから算数・数学が得意で、算数オリンピックなどで活躍。現在は、「多様な算数・数学の学習ニーズの奥に共通している“本質的な数理学習”」を追究し、それを提供すべく、幅広い活動を展開している(小学生から大人までを対象にした算数・数学指導、執筆活動、教材開発、問題作成など)。

公式サイト:http://kurotake.net/

主な著書

まだZ会員ではない方

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