東大料理愛好会レシピ
甘くてジューシー、ビタミンCたっぷり!パプリカ
2018.6.14
4.7K
東大料理愛好会のメンバーが毎月1つずつ食材を取り上げ、旬の食材のレシピをご紹介します。
今月のテーマは「パプリカ」
わたしたち東大料理愛好会では、これまでにビタミンCをテーマにしたレシピ(こちら)や、大学の学食への韓国料理の提供など、レシピのなかにパプリカを意識的に多く取り入れてきました。わたしにとってパプリカは、好き嫌いが多かった子ども時代もずっと大好きだった野菜の1つです。しかも、ふだん目にしている果物や野菜が、まぎれもなく「植物の果実」であると認識する知的体験の1つのきっかけになった食べものでもあります。 まだ小学生だったころ、通っていた学習塾の理科の授業で、植物にはそれぞれ科があり、また木であればどのような木なのかについて勉強していました。たとえばりんごはバラ科の落葉樹ですね。このときに、パプリカとピーマンはどちらもナス科トウガラシ属の一種であると聞き、非常に驚いたことを覚えています。これまで形が似ている野菜だなとしか思ってこなかったパプリカとピーマンが、植物学的にも同じ種類に属するというのは、今思えば当然ですね。ただ、スーパーにきれいに陳列された野菜しか見てこなかったわたしは、スーパーに並ぶまでの植物の果実としてぶら下がっている姿をそのとき初めて想像し、急に野菜や果物へのリアリティーが沸いてきたことを鮮明に覚えています。それ以降、スーパーに並んだ食材への見方が少し広がった気がします。 トウガラシ属なだけに香辛料としてもよく使われるパプリカは、さまざまなレシピのアクセントとして使える野菜だと思います。ぜひご家庭で試してみてはいかがでしょうか。 執筆: 藤後 東京大学4年 |
主菜 キーマカレー
パプリカの甘さがカレーの辛味を和らげます。
とろみが欲しいときはカレールーを使ってみてください。
材料(2人分)
パプリカ2種類・・・・・・・・各種30g
豚・鶏ひき肉・・・・・・・・・100g
玉ねぎ・・・・・・・・・・・・45g~
キノコ(マッシュルーム)・・・15g
スナップエンドウ・・・・・・・30g
カレー粉・・・・・・・・・・・小さじ1~
しょうが・・・・・・・・・・・小さじ1
にんにく・・・・・・・・・・・小さじ1
コンソメ・・・・・・・・・・・適量
バター・・・・・・・・・・・・適量
作り方/レシピ
(1)玉ねぎとキノコをみじん切りに、パプリカは粗みじん切りにします。スナップエンドウの筋をとり豆とさやに分けて、さやはみじん切りにします。
(2)フライパンに油をしき、しょうがとニンニクを弱火で炒めます。香りがたってきたら玉ねぎを加え、色づくまでよく炒めます。時間があれば塩を適量ふり、あめ色になるまで炒めます。
(3)玉ねぎを炒めたフライパンにパプリカとひき肉、キノコ、スナップエンドウを加えてよく炒め、カレー粉とバター、コンソメを加えます。 粉っぽさがなくなったら味見をし、必要に応じて塩を加えて味をととのえます。
上手に作るワンポイントアドバイス
・パプリカは粗みじん切りにすることで、ほどよい甘さを感じられるようになります。
・豆が苦手なお子さまでもスナップエンドウは食べやすいのでおすすめです。
・レタスやベビーリーフなどの葉野菜と相性がよいので、写真のように一緒に盛りつけるとよいでしょう。
主菜 パプリカ入りロールキャベツ
1品で野菜も肉もたっぷり食べられるレシピです。
肉詰めに余ったパプリカを一緒に煮込むといろどりがきれいです。
丸ごとのキャベツがなくても、1/4カットの葉を2枚使って包むことができます。
材料(1人分)
パプリカ2種類 ・・・・・・・・各1/4個
牛・豚あいびき肉・・・・・・・60g
キャベツ(半玉を使用)・・・・4枚
塩、こしょう・・・・・・・・・適量
コンソメ・・・・・・・・・・・適量
卵黄・・・・・・・・・・・・・1つ(あれば)
作り方/レシピ
(1)パプリカを拍子切りにして、5cm程度の長さに揃えます。キャベツは丁寧にはがします。
(2)沸騰したお湯に塩をいれ(軽く塩気を感じる程度)、キャベツを柔らかくゆでます。お好みでパプリカもゆでます。どちらもゆであがったら冷ましておきます。
(3)ボウルにひき肉と塩(約2g※)を加えて、手早く粘り気が出るまで混ぜます。
※塩は肉だねの重量の0.8%程度加えます。
(4)キャベツの葉の上に2色のパプリカと肉だねをのせて包みます。
(5)ロールキャベツが一段に並ぶ程度の大きさの鍋に、ロールキャベツの包み終わりを下にして鍋に置きます。ロールキャベツの頭が出る程度に水を入れ、コンソメを加えて、中火でフタをして煮ます。沸騰させないように火加減を調整しながら10分~15分煮て完成。最後に塩で味をととのえます。
上手に作るワンポイントアドバイス
・パプリカ入りの肉だねなので断面がきれいに仕上がります。
・大きく包んで切り分けてから盛り付けてもよいでしょう。
・パプリカはみじん切りにして、肉だねに混ぜ込んでもいいでしょう。
パプリカとベリーのスムージー
飲んでみてびっくり!パプリカとベリーのおいしいコラボ。
材料(1杯分)
パプリカ・・・・・・・・・・・ 1/3個(60g)
冷凍ベリーミックス・・・・・・ 40g(ブルーベリー多め)
氷・・・・・・・・・・・・・・35g程度
お好みで無糖ヨーグルト・・・・ 40g
パプリカをざく切りにし、すべての材料をミキサーにかけます。
ポイント
・ベリーミックスの場合はブルーベリーを多めにするとおいしいです。ラズベリーを多くすると酸味が強くなります。
・ヨーグルトの酸味が苦手な方はいれなくてもよいです。
・飲みやすい濃度になるよう適宜氷を入れて調節してください。
レシピ開発裏話
さて、今回はパプリカを使った主菜2品とスムージ―のレシピを考え、実際にメンバーと一緒に作ってみました。キーマカレーは甘みと酸味をあわせ持つパプリカを入れることで、より深みのある味になるだけでなく、いろどりも美しくできあがります。
また、ロールキャベツは、キャベツやパプリカの水溶性ビタミンがスープに溶け込むので、余すところなく摂取することができます。夏場に冷製で食べたいときは、煮込んだあとのスープを取り出してゼラチンを使ったジュレにしてロールキャベツにかけてみてください。とてもおいしく召し上がれます。
パプリカとベリーのスムージーは意外な組み合わせと思われるかもしれませんが、ベリーとパプリカの香りがマッチして、非常においしくいただけます。ぜひ試してみてください。
執筆:田代 東京音楽大学4年
*この記事で紹介しているレシピはアレルギー対応はしておりません。アレルギーをお持ちの方はご注意ください。
東京大学料理愛好会
東京大学を中心に、さまざまな大学・専門学校に通うメンバーで構成されている。都内のキッチンスタジオで週に1度調理実習を行い、腕を磨く。
最近では、NHK総合テレビ『あさイチ』にメンバーが出演したり、大手回転寿司チェーンかっぱ寿司にメニューを提供したりするなど積極的に活動。
著書に『東大料理愛好会 頭がよくなるレシピ』など。