小田先生のさんすう力UP教室(1・2年生)

数字の構造をとらえよう

さんすう力を高めるにはどうしたらいいの? まあ、そんなに難しく考えないで、まずはお子さまと一緒に問題に取り組んでみましょうよ。
(執筆:小田敏弘先生/数理学習研究所所長)

 こんにちは、最近、詐欺メールに引っかかりそうになった小田です。差出人が自分のアドレスになっていて、少しびっくりしました。内容は、「メールアカウントを乗っ取った」とのこと。ただまあ、あまりに怪しかったので、文面の一部をそのまま検索ワードに入れたりしていろいろ調べたところ、同じ内容のメールを紹介しているサイトが見つかり、やはり詐欺メールだとわかりました。不審なメールが来たときは、まず一度深呼吸することが大事ですね。

 さて、今回は数のパズルです。足し算のパズルなので、まずはお気軽に、ああでもないこうでもないと試行錯誤していただけると嬉しいです。

 それでは早速行ってみましょう。

Stage46:数字の構造をとらえよう

例題

 下の式の□に、1~4の数字をそれぞれ1回ずつ入れて、正しい式にしてください。

例題の答え

13+24 など

 

 いつも通り、まずは問題の意味が理解できていそうかどうか、確認してあげてください。とはいえ、今回はあまり問題の意味そのもので引っかかる部分は少ないかもしれません。引っかかるとすれば、1と2を並べたら「12」になる、という部分くらいでしょうか。

 問題の意味が大丈夫そうなら、これもいつも通り、まずは温かく見守ってあげましょう。いろいろと数字を入れてみて実際に計算し、足した答えが37になればOK、という感じです。手が止まっている子に対しては、「たとえば12+34だとどうなる?」と聞いてあげ、同じようにいろいろやっていけばいいよ、と伝えてあげてください。

 数字を書いたり消したりが面倒そうな場合は、1、2、3、4と書かれた紙などを用意し、それらを並べ替えてもいいでしょう。

 お子さんが答えを出したら、実際に計算して37になるかどうかを確認してあげてください。答えの例として「13+24」を挙げていますが、それ以外にも37になるものはあるので、ひとまず「計算して37」になっていれば正解です。もし37になっていなかったら、「これだと~~になるね」と伝えてあげるといいでしょう。

解いてみよう

下の式の□に、決められた数字をそれぞれ1回ずつ入れて、正しい式にしてください。

(1) 入れる数字:1、2、3、4

(2) 入れる数字:1、3、4、6

(3) 入れる数字:1、2、4、6

(4) 入れる数字:2、3、4、5

(5) 入れる数字:1、4、6、8

(6) 入れる数字:2、3、5、9

(7) 入れる数字:3、4、7、8

(8) 入れる数字:4、5、7、9

解答

(1) 12+34など          (2) 14+63など          (3) 21+64など          (4) 32+54など

(5) 14+68など          (6) 32+59など          (7) 73+84など          (8) 47+59など

※いずれの問題も、ほかにいろいろと正解はあるので、計算して正しくなっていれば正解にしてあげてください。

さんすう力UPのポイント

 算数の学習を進めていく上で、“引っかかりやすいポイント”はいくつも存在しますが、その中で低学年に配置されているものというと、「2桁の足し算」がひとつ重要な要素として挙げられるでしょう。

 とくにこの「2桁の足し算」は、「筆算」を学習すればある程度先に進めてしまう、ということもあり、本当は“引っかかっている”にも関わらず、表面上は難なく先に進んでいるように見えることもある、という実に厄介なポイントです。もちろん、理解が深まらないままとりあえず先へ進む、ということが一概に悪いわけでもありませんが、先々でつまずいたとき、この「2桁の足し算」までもう一度戻ったほうがいい、というパターンは、実際に多く存在します。

 1桁同士の足し算であれば、本質的には、数えていけば計算することができます。しかし、2桁の計算になってくると、20くらいならまだ「数えていく」ことで計算ができますが、「48+79」みたいな計算になってくると、数えていくだけで正確に答えを合わせるのは相当難しいでしょう。この計算を正確に行うためには、“数えていく”よりも一歩進んだ“新しい概念”が必要になるのです。

 2桁の足し算をスムーズにできるようになるためには、「10を1つの“かたまり”として見る」という視座が必要です。たとえば「12+34」であれば、「12」を「10と2」、「34」を「30と4」と捉えて「10と2と30と4」と認識し、「10と30、2と4」と考えて「40と6で46」とできるようになると、ずいぶん楽に計算できるようになるでしょう。また、単に“数えていく”にしても、「10ずつ」の分を一気に数えることができれば、正解する確率もぐっと上がります(「12→22→32→42→43→44→45→46」とできます)。要するに、2桁の足し算を習得するにあたっては、「十進法」への理解・イメージが必要だということなのですが、この「十進法」というのが子どもにとっては結構難しい概念なのです。

 多くの大人からすると、「23」と書かれたものを「にじゅうさん」と読み、そこに書かれた「2」と「3」からそれぞれ違う意味を読み取る(「“10が”2個」「“1が”3個」と考える)のは、あたりまえに思えるかもしれません。しかしそれは、単に経験による“慣れ”の結果であって、算数を学習し始めた子どもが、最初からスムーズに認識できるものでもないのです(実際、たとえば「10と2で“じゅうに”」という数を「102(そのまま10と2を並べたつもり)」と書いてしまう、というのはよく見かけます)。

 今回の問題のねらいは、2桁の足し算へのイメージを深めることです。慣れないうちは、数字をあてはめたあと、筆算で計算しても構いません。余裕があるようなら、十の位と一の位を分けて足す、というのを伝えてあげてもいいでしょう。(最初の例題であれば)「答えの一の位が7だから、これは3と4を足している」と自分で気づけるようになるとすばらしいですね。ほかにも、比較的スムーズに解けた子に対しては、「ほかにもまだ答えがあるんだけど探してみる?」と声をかけてあげるのもいいでしょう。「13+24」だけでなく、「14+23」も答えが同じ37になる、というのもおもしろがってほしいところです。そうやって、いろいろと楽しみながら、「2桁の足し算」についてのイメージを深めていってもらえると嬉しいです。


 いかがでしょうか。

 早いもので、いつの間にか今年ももうすぐ終わってしまいますね。あっと言う間に1年間経ってしまったような気もする一方で、1年前のことを具体的に思い出してみれば、それは遠い昔のことのような気もして、それなりに充実していた1年間だったのかな、とは思います。来年も、またいろいろなことに挑戦しながら、ほどほどに楽しく過ごせたらいいな、と思います。皆様も、よいお年を。

 それではまた来年!

文:小田 敏弘(おだ・としひろ)

数理学習研究所所長。灘中学・高等学校、東京大学教育学部総合教育科学科卒。子どものころから算数・数学が得意で、算数オリンピックなどで活躍。現在は、「多様な算数・数学の学習ニーズの奥に共通している“本質的な数理学習”」を追究し、それを提供すべく、幅広い活動を展開している(小学生から大人までを対象にした算数・数学指導、執筆活動、教材開発、問題作成など)。

公式サイト:http://kurotake.net/

主な著書

まだZ会員ではない方

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