東大料理愛好会レシピ

キノコを主役に。食べごたえあり!しいたけ

東大料理愛好会のメンバーが毎月1つずつ食材を取り上げ、旬の食材のレシピをご紹介します。

今月のテーマは「しいたけ」

この2、3年、世界的にキノコが注目を浴び始めているように感じます。大げさに言っているわけではありません。

 さまざまなキノコの形を模したキャラクターが登場する、キノコの販促CMなどはこれまでも放映されてきました。最近ではキノコを鉄板焼きしたものをパッケージし、「ステーキ」と称して商品化したものが大々的にCMで打ち出されているのを目にした方も多いかと思います。キノコはどうしてもレシピの脇役になりがちですが、メインがキノコでも充分ボリューミーなメニューになりますよと、視覚的に訴えかけている点が従来のCMと一線を画しており、昨今のブームを物語っているように思えます。

国内だけでなく、海外でもキノコは注目の食材として取り上げられています。
たとえば、アメリカで最も人気のバーガー店の一つであるUMAMI BURGER(うまみバーガー)の売りは、大きな牛肉のパテの上にソテーされたしいたけが盛られたハンバーガーで、しいたけの出す旨味とその食感を存分にいかした一品です。アメリカでは限られた品種しかスーパーでは売られておらず、キノコを食べる食文化が日本より希薄であるため、しいたけと牛肉という日本では当たり前の組み合わせが、現地の方にはかなり受けたのかもしれません。私もニューヨークのお店で実際に食べてみましたが、家で煮物や炒め物にして食べるときとはまったく違うしいたけの印象を楽しめておもしろかったです。

今月は最近注目の「しいたけ」を使ったレシピを2品考えました。しいたけが苦手なお子さんでも楽しめるようにするにはどうすればいいか、レシピ担当と試行錯誤し、2品とも苦手克服につながるメニューに仕上げられたかと思います。とくに私のお気に入りは「米粉としいたけのケークサレ」で、オーブンで焼きあがった瞬間に食欲がそそられてしまいました。旬のキノコはしいたけだけではありませんから、下記に掲載した食材で必ず作る必要はまったくなく、冷蔵庫の中身と相談して自分風にアレンジしやすいのもこのレシピのお手軽なところだと思います。ぜひご家庭でお試しください。

 執筆:藤後 東京大学4年 

 

主食 米粉としいたけのケークサレ

材料 21cm×10.5cm×18cmのパウンド型1本分(約6切れ)=2人前

A
しいたけ・・・・・・・3個
小松菜・・・・・・・・半株
ニンジン・・・・・・・1/2個

炒め用油・・・・・・・大さじ1

B
米粉(製菓用)・・・・100g
ベーキングパウダー・・小さじ1(3g)

C
粉チーズ・・・・・・・30g
ピザ用チーズ・・・・・30g
卵・・・・・・・・・・2個
牛乳・・・・・・・・・100g
オリーブオイル・・・・50g

作り方/レシピ

(1)具材です。粉100gに対し150g前後の具材を入れました。

(1)Aの下ごしらえをします。にんじんと小松菜を洗い水気をキッチンペーパーでしっかり拭きます。しいたけは洗わず使用します。火が通りやすいように、しいたけとにんじんは8mm角程度にカットします。小松菜は小口切りにします。

 

(2)フライパンに具材を平たく広げ、あまり動かさずに強火で炒めます。

(2)フライパンに大さじ1の油をひきます。(1)を強火で水分を飛ばすように、あまり動かさずに2分程炒め、火から上げて具を冷ましておきます。水分が出るようならキッチンペーパーで軽くおさえます。

(3)オーブンを190℃10分で予熱にかけます。

(4)Bを計量し、軽く混ぜ合わせます。

(6)すべてを混ぜます。ベーキングパウダーの泡をつぶさないように軽く混ぜます。

(5)Cと(2)をよく混ぜます。

(6)Bと(5)をサックリ混ぜます。

(7)型に流し入れます。

(7)パウンド型に流し、オーブンを180℃35分に設定し焼きます。しっとり焼きあがります。焼きが足りないようなら、+5分ずつ焼きます。

(8)焼きあがりです。

(8)焼きあがったら型から外し、冷まします。生地が冷めてから切り分けるとうまく切ることができます。

レシピのポイント!

ケークサレが水っぽくならないよう、野菜の水分をしっかり拭きとります。
しいたけは水を吸いやすいため、洗わず使用します。
今回はしっとりもっちりした生地に焼きあがりますが、軽くサクサクした生地にしたい場合はCにお好みの油を~40g程添加するとよいでしょう。
ケークサレは少し冷ましてから切るとうまく切れます。

旬のキノコのかき揚げ

作り方/レシピ

材料 4個分

まいたけ・・・・・・・・50g
しいたけ・・・・・・・・50g
ニンジン・・・・・・・・50g
のり・・・・・・・・・・1枚
打ち粉用米粉・・・・・・大さじ1

衣用米粉・・・・・・・・大さじ3
衣用水・・・・・・・・・大さじ3

 

(1)材料です。

(1)まいたけとしいたけの石づきを取り、ばらします。

(2)にんじんの上下を切り、皮を剥き3cm程の長さに切ってから細切りにします。

(3)切りそろえ、打ち粉をします。

(3)(1)と(2)をボウルに入れ、全体に打ち粉をします。

(5)衣を絡ませます。

(4)衣を作る。米粉と水を1:1で合わせます。

(5)お玉に(3)を取り、(4)を絡ませます。

(6)鍋に油を入れ、中弱火にかけます。

(7)具の1/4量をのりに乗せます。

(7)のりを1/4に切り、(5)を1/4量乗せます。

(8)160℃程度の油で30秒程揚げたら天地を返し、1分~2分弱程揚げます。

(9)揚がったら鍋の上で軽く油を振り落とし、キッチンペーパーの上に引き上げます。

(10)完成です。

 

レシピのポイント!

かき揚げは食感が異なる食材を組み合わせることで肉なしでも食べごたえがあり、おいしく仕上がります。打ち粉は具材の水分を吸う効果があるため、サックリ仕上げることができます。
火の通りを均一にするために具材の大きさを揃えることがポイントです。油の具合にもよりますが、揚げ音や気泡が小さくなると揚げ上がりです。
米粉の代わりに薄力粉を使う場合は、①衣を混ぜ合わせすぎない②衣の温度を高くしない(氷を入れると良いと言われるのはそのためです)のがコツです。

レシピ開発裏話

今回は旬の食材であるしいたけ、そしてマイブームである米粉を使ったレシピを2品考案しました。どちらのメニューにもしいたけとまいたけをミックスして使っており、しいたけの旨味とまいたけの香りを五感を使って楽しめるメニューになったと思います。また、小麦粉の代わりに米粉を使うことで、小麦アレルギーのお子さまにもおいしく食べていただくことができますし、米粉は小麦の粉よりも油を吸収しづらいため、ヘルシーな料理になります。

1品目は米粉としいたけのケークサレです。

ケークサレとはフランス語で「塩味(サレ)のケーキ」で、野菜や肉、チーズを焼きこんだ甘くないケーキのことです。見た目が鮮やかな割に簡単に作ることができてオススメです。具材は何でもOKですが、試作段階できのこ類を150g程入れたところ、水分でネットリとしてしまったため、具材は水分の少ないものやしっかり水気を飛ばしたものが良いと思います。

2品目は旬のキノコのかき揚げです。

皆さん、揚げ物は得意ですか? 私はあまり得意ではありませんでした。しかし米粉のかき揚げならおいしく作ることができると思います。なぜなら
①かき揚げは野菜を細めに切ることで火が通りやすい=生焼けになりにくい
②米粉にはグルテン(小麦たんぱく質)が含まれないため、衣が重く仕上がる原因をなくすことができるからです。

できたての揚げ物はおいしいので、ぜひ作ってみてください。

執筆:佐々木 東京家政大学2年

 

*この記事で紹介しているレシピはアレルギー対応はしておりません。アレルギーをお持ちの方はご注意ください。

東京大学料理愛好会

東京大学を中心に、さまざまな大学・専門学校に通うメンバーで構成されている。都内のキッチンスタジオで週に1度調理実習を行い、腕を磨く。
最近では、NHK総合テレビ『あさイチ』にメンバーが出演したり、大手回転寿司チェーンかっぱ寿司にメニュー提供など積極的に活動。
著書に『東大料理愛好会 頭がよくなるレシピ』など。

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