東大料理愛好会レシピ
料理に加えるだけで体ぽかぽか!しょうが
2019.2.14
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東大料理愛好会のメンバーが毎月1つずつ食材を取り上げ、旬の食材のレシピをご紹介します。
今月のテーマは「しょうが」
東大料理愛好会では、これまでに多くの企業とコラボして、受験生向けにさまざまなレシピを制作してきました。受験シーズンが冬ですので、必然的に冬に旬を迎える食材をメインに扱ってきましたが、今月の「しょうが」はよく登場する食材の一つです。 しょうがの効いた料理を食べると、身体がじんわりぽかぽかしてくると思います。わたしは高校生のころからひどい末端冷え性なので、大事なテストの朝や前夜には、しょうがに大変助けられました。難関校で頻出の、数百字に及ぶ記述問題や長い計算問題を解くときは、考えたことをすぐに書くことが大切ですが、答えはわかっていても、手先が冷えて上手く書けないのでは困りますから。 さて、今月は「厚揚げとブリのしょうが炒め」と「竜田揚げ アップルジンジャーソース」の2品を制作してみました。「厚揚げとブリのしょうが炒め」は、旬の魚であるブリだけでなく、厚揚げも加えた、食べ盛りのお子さまにぴったりのメニューになりました。 また、竜田揚げはしょうがの香りがジューシーな厚揚げとマッチして、極度の緊張にさらされる受験生でも、あまり胃もたれせずサッと食べられると思います。 このように、少ししょうがを加えてあげることで、日ごろの何気ないおかずが冬ならではのレシピに変身し、家族みなさん、ぽかぽかになれるのではないでしょうか。ぜひ、しょうがを使ったレシピで冬に打ち勝ってください。 執筆:藤後 東京大学4年 |
主菜 厚揚げとブリのしょうが炒め
材料 3~4人前(写真は1~2人前)
厚揚げ・・・・・・・・1枚
ブリ・・・・・・・・・2切(今回は養殖・180g)
しょうが・・・・・・・大さじ1程度
にんじん・・・・・・・適量
(お好みでスナップエンドウ 5本)
[ブリ下味用調味料]
・酒・・・・・・・・大さじ1
・しょうゆ・・・・・小さじ1/2~1
・片栗粉・・・・・・適量
[水溶き片栗粉]
・片栗粉・・・・・・小さじ1
・水・・・・・・・・小さじ3
しょうゆ・・・・・・・小さじ2
酒・・・・・・・・・・大さじ2
ごま油・・・・・・・・適量
米油・・・・・・・・・適量
作り方/レシピ
調理時間20分~40分
(1)にんじんは短冊切り、スナップエンドウを入れる場合は筋をとり乱切りにしておく。しょうがは10gを薄くスライスし、残りの5gはすりおろす。ブリは必要に応じて酒を少量ふりかけてペーパーで拭き取った後、そぎ切りにする。
(2)ビニール袋に酒大さじ1・しょうゆ小さじ1/2~1・しょうがのすりおろしを入れて味を確認し、ブリを入れてもみこむ。5分ほど置いて、焼く直前に1つずつ片栗粉をつける。しょうがは取り除かない。
(3)フライパンか小鍋でお湯を沸かす。沸騰したお湯の中で厚揚げを油抜きする。まな板に取り、厚さ1cmに切りそろえ、大きさはブリに合わせて3.5cmほどにする。
(4)フライパンに米油をしき、しょうがのスライスをいれて香りがするまで焦がさないように焼く。にんじんとスナップエンドウを炒めて油が回ったら厚揚げを加え、野菜がしんなりしたら一度皿へ取り出す。
(5)ごま油を数滴たらして(2)のブリを並べてから火にかける。弱めの中火で両面焦げ目をつけたら(4)を加えて鍋をふって具材を混ぜる。弱火に落とすか火を止めて、酒大さじ2・しょうゆ小さじ2を加えて味見をし、水溶き片栗粉を加えて煮立たせる。
レシピのポイント!
・ブリに調味液をもみこむことで臭みがとれ、しょうがの香りもなじみます。また、ひとつずつ片栗粉をまぶすことで焼いたときの身崩れを防ぎます。
・酒の量はブリの鮮度に合わせて調整してください。
・しょうが15gで辛味を感じない程度に仕上がります。お好みで調節してください。
・水溶き片栗粉を合わせ調味料と混ぜると手早く仕上げることができます。
・厚揚げの油抜きはお好みでよいです。油臭さを感じるときには油抜きをします。
・しょうがはスライスとすりおろしを使いました。すりおろしだけでも香りが立ちますが、薄くスライスしたしょうがも辛味がアクセントになるのでおススメです。
主菜 竜田揚げ アップルジンジャーソース
作り方/レシピ
材料 1~2人分
しょうが・・・・・・・・・5g~
鶏もも肉・・・・・・・・・1枚(約230g)
リンゴ・・・・・・・・・・3/4個(70g+50g)
しょうゆ・・・・・・・・・小さじ2
ごま油・・・・・・・・・・数滴
米油、片栗粉、塩こしょう、酒・・適量
あればタイムなどお好みのハーブ
調理時間30分~40分
(1)鶏肉は酒をふってキッチンペーパーで拭いておく。皮目に切れ込みを入れ、肉は平らになるように割いて広げる。塩こしょうをして片栗粉を全面に薄くまぶしておく。
(2)リンゴを70gすりおろし、50gは角切りまたはくし切りにする。生姜5g~ と合わせて小鍋に入れて火にかける。蓋をして汁気が出てくるまで焦がさないように温める。しょうゆを入れて味を調える。
(3)フライパンに米油をしき、鶏肉の皮目を下にして入れてから火にかける。皮目がぱりぱりして肉が汗をかいてきたら裏返す。7分ほど焼いたら火を強めて油を切ってキッチンペーパーを敷いた皿の上で2分ほど休ませる。
(4)キッチンペーパーを取り除いてソースをかけ、お好みのハーブを盛り付ける。
レシピのポイント!
・鶏肉は皮目に切れ込みを入れて、肉は平らになるように割いて広げると火の通りがよくなります。
・今回リンゴはふじを使っています。生で食べても甘みの強いリンゴです。甘みの少ないリンゴを使うときは、あれば黒糖で調整すると違う風味が楽しめておススメです。
・ソースの味がぱっとしないときはまずしょうがを足して、そのあとに塩気の調整をしてください。
・お好みでエシャロットや玉ねぎをソースに加えてください。エシャロットを1つみじん切りにして加えたソースも試しましたが、油淋鶏のようなコクがありおいしかったです。
レシピ開発裏話
1品目は「厚揚げとブリのしょうが炒め」です。
ブリは養殖と天然とで脂乗りが違うと感じると思います。冬はブリの旬ですから、天然物の甘さを楽しむのも良いですね。そのままつくると茶色い一品になってしまいますので、スナップエンドウなどを入れて、是非、彩りよく仕上げていただきたいです。厚揚げは小さいと食べづらいので、ブリとのバランスを考え3.5×3.5cmくらいがよいようです。
厚揚げの食感がしっかりしているので食べ応えがあります。合わせ調味料に水溶き片栗粉を加えて餡かけにする場合は、厚揚げの味付けが控えめになりますが、ブリと一緒に召し上がることで塩気がちょうどよくなります。調味液を増やしてモヤシを加えるとさらにボリュームが増しますね。
2品目は「竜田揚げ アップルジンジャーソース」です。
アップルジンジャーソースを何と合わせるか迷いましたが、手早く作れる鶏肉のレシピにしました。豚脂の甘みもフルーツと相性がよいので、お好みで豚ロース肉やスペアリブで作ったり、カツやパン粉焼きと合わせたりしてもおいしいです。
執筆:田代 東京音楽大学4年
*この記事で紹介しているレシピはアレルギー対応はしておりません。アレルギーをお持ちの方はご注意ください。
東京大学料理愛好会
東京大学を中心に、さまざまな大学・専門学校に通うメンバーで構成されている。都内のキッチンスタジオで週に1度調理実習を行い、腕を磨く。
最近では、NHK総合テレビ『あさイチ』にメンバーが出演したり、大手回転寿司チェーンかっぱ寿司にメニュー提供など積極的に活動。
著書に『東大料理愛好会 頭がよくなるレシピ』など。