東大料理愛好会レシピ

春にぴったりの華やかフルーツ!いちご

東大料理愛好会のメンバーが毎月1つずつ食材を取り上げ、旬の食材のレシピをご紹介します。

今月のテーマは「いちご」

皆さんは、ショートケーキの上のいちごはいつ食べますか?わたしは最後に残しておくタイプです。つまり楽しみを後にとっておいてゆっくり味わおうというわけですが、中学校に上がったころ、気がついたことがあります。スポンジケーキとクリームは甘く、いちごはそれに比べると酸っぱい。よって最後に食べるいちごは本来の味よりもだいぶ酸っぱく感じられているのではないか、ということでした。いちごを大事に最後まで残しがちな方はぜひ、最初にぱくっと食べてみてください。よりいちご本来の甘さを感じることができると思います。

食べるのも簡単で、甘酸っぱくジューシーないちごは、お子さまに大人気の果物でもあります。わたしの祖母はよく、いちごを牛乳と合わせてフォークでつぶしたものをおやつに食べさせてくれました。牛乳の優しい甘さといちごの酸味が相性抜群、素朴な味のほっとするおやつです。

そういえば、子どものころは生のいちごが大好きだったのに、大人になった今は「いちごジャム」や「ストロベリーアイスクリーム」など甘く加工されたいちごばかりと仲良くするようになってしまいました。
しかし最近、そんなわたしも摘みたてそのままのいちごの良さに改めて気がつかされました。母の友人のお宅でスパークリングワインのお供にいちごをいただいたときのことです。香り高いワインにいちごの酸味がよく合い、いちごをおやつやデザートとしてしか見ていなかったわたしは衝撃を受けました。いちごにはもっともっと可能性があるのです。今回はお肉を使うメイン料理にいちごを合わせるレシピをご提案しています。ぜひお試しください。

 執筆:村井 東京大学4年

 

主菜 いちごジャムと食べる北欧風ミートボール

材料 (4人分)

<いちごジャム>
いちご・・・・・・・1パック(300g)
砂糖・・・・・・・・60g(いちごの20%)
レモン汁・・・・・・大さじ1

<ミートボール>
合いびき肉・・・・・500g
塩・・・・・・・・・少々
パン粉・・・・・・・50~75cc
生クリーム・・・・・少々
玉ねぎ・・・・・・・1/2個
卵・・・・・・・・・1個
カルダモン・・・・・小さじ1/2

<クリームソース>
ビーフストック・・・200cc
※ビーフコンソメを湯で溶かしたもので代用可。
水・・・・・・・・・100cc
生クリーム・・・・・150~200cc
薄力粉・・・・・・・お好みで

作り方/レシピ

(3)いちごから水が出ています。

今回はいちごジャムを煮詰めている間にミートボール→ソースを作ります。

[いちごジャム]
(1)いちごは洗ってヘタを取り、水気を拭く。
(2)ボウルに(1)とレモン汁を入れて、砂糖をまぶし、軽くいちごを潰す。
(3)30分ほど置くと、いちごから水が出てくる。

(4)アクが出ています。まだまだ煮詰めます。

(4)鍋に移し、中火にかける。

(5)カサがぐっと減り、ツヤととろみがでたらジャムの完成です。

(5)アクをこまめに取り除きながらトロトロになるまで煮詰めて<いちごジャム>完成。

(8)70回捏ねました。

[ミートボール]

(6)パン粉を生クリームに浸し、10分以上置く。

(7)卵は溶き、玉ねぎ1/2個をすりおろしかみじん切りにする。
(8)合いびき肉に塩を2つまみ程度とカルダモンを加え、冷えた手で70回ほどよく捏ねる。
(9)肉に粘りが出てまとまりがよくなり、ボウルに油が浮いてきたら(6)(7)を加え、さらにまとまるまで捏ねる。
(10)直径2.5cm程の量の肉ダネを10回程度上から落として空気をよく抜き、成形する。

(11)焼きはじめです。

(11)バター(分量外)をフライパンに入れ、中火で熱する。(10)を入れてじっくり焼く。
(12)焼き色がついたら上下を返してフタをし、3分蒸し焼きにする。
(13)フタを取り火の通りを確認し、取り出す。

(16)ソースをよく絡めます。

[ソース]
(14)(13)のフライパンをペーパーで拭き、ビーフストックを煮立たせる。
(15)生クリームを加え煮詰める。薄力粉を少しずつ加えとろみをつける。
(16)好みのとろみ加減になったら(13)を加え、ソースを絡める。
(17)器に盛り、ジャムを添えて完成。

レシピのポイント!

・今回のジャムは肉に合わせるため、甘酸っぱくしました。甘いジャムがお好みの場合は砂糖をいちごの30%量ほど使うとよいと思います。
・(8)では意外と力を使います。手の熱で肉の油が溶けると肉汁の少ないミートボールになってしまうので注意してください。また、タネの捏ねすぎも焼き縮みの原因になってしまうため、注意してください。

いちごミルク寒天

材料 (500ml容器に1つ分)

水・・・・・200cc
砂糖・・・・50g
粉寒天・・・4g
牛乳・・・・300cc
加糖練乳・・大さじ1
いちご・・・1/2パック(150g)

作り方/レシピ

(1)スライスと角切りにしました。

(1)いちごをスライスや角切りなど、お好みの大きさに切っておく。

(2)水と砂糖を鍋に入れ火にかけ、粉寒天を振り入れる。

(3)沸騰状態です。

(3)よく混ぜる。鍋底から大きな泡が沸き沸騰状態になったら火を少し弱め、さらに2分ほど加熱する。この間は混ぜ続ける。

(5)今回はスライスいちごを敷きつめ、角切りいちごを中に浮かべます。

(4)火を止め、牛乳と加糖練乳を加え混ぜる。

(5)(4)の粗熱が取れ、かつ寒天液が固まりだす前に容器にいちごを入れる。

(6)寒天液を流し入れたところです。

(6)寒天液を容器に流し入れて冷蔵庫や氷水で冷やし固める。

(7)型から取り出しました。

(7)型から外し、お好みで切り分けて完成。

レシピのポイント!

・寒天は一度90℃以上にしっかり温めないと、その後凝固剤として機能させることができません。その代わりに凝固開始温度は40~50℃と高く、常温でも早くよく固まるため使用しやすいと思います。
・(5)では寒天液の粗熱をよく取ってください。温度が高すぎると、いちごから水が出てしまいます。また、いちごの水気はよく拭き取っておいてください。

レシピ開発裏話

1品目は「北欧風ミートボール」です。
先日、ヨーロッパ旅行に行ってきました。
機内食で帆立貝のみかんソースがけ、現地では鴨肉のアプリコットジャム添えを食べ、「タンパク質×果物」の組み合わせは合うのだなぁと感じました。
そして北欧ではミートボールにコケモモのジャムをつけて食べるのが定番です。ベリー系ジャムなら代えがきくそうで、今回はいちごで再現しました。味の想像がつかない方も多いかと思いますが“肉団子の甘酢あんかけ”のような感覚です。甘酸っぱいジャムとミートボールの組み合わせはとても美味しいですよ。ぜひ試してみてくださいね。
また今回は砂糖の重量を苺の20%としていますが、2~3日のうちに食べきることを想定しています。砂糖20%のジャムでも充分甘く美味しいですが、より甘さを求める方や保存性を求める方は砂糖は30%以上にすることをおすすめします。

2品目は「いちごミルク寒天」です。
甘酸っぱいいちごと濃厚な甘さの練乳はとてもよく合いますよね。見た目にも白と赤のコントラストはおめでたい印象があり、新年度にぴったりです。
寒天は高温で完全に溶かすことで凝固作用を発揮します。3分間程沸騰させて使うと失敗がないですよ。40~50℃くらいから固まり出すため、常温でも固めることができます。今回は氷水で冷やして1時間もせずできあがりました。火を止め置いておくだけで固まりだしてしまうため、手早く容器に移してください。
寒天を使うと、ゼラチンを使ったゼリーより歯切れのよい食感に仕上がります。

執筆:佐々木 東京家政大学3年

 

*この記事で紹介しているレシピはアレルギー対応はしておりません。アレルギーをお持ちの方はご注意ください。

東京大学料理愛好会

東京大学を中心に、さまざまな大学・専門学校に通うメンバーで構成されている。都内のキッチンスタジオで週に1度調理実習を行い、腕を磨く。
最近では、NHK総合テレビ『あさイチ』にメンバーが出演したり、大手回転寿司チェーンかっぱ寿司にメニュー提供など積極的に活動。
著書に『東大料理愛好会 頭がよくなるレシピ』など。

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