東大料理愛好会レシピ
おにぎり・煮物だけじゃない!海苔&ひじき
2019.5.9
5.5K
東大料理愛好会のメンバーが毎月1つずつ食材を取り上げ、旬の食材のレシピをご紹介します。
今月のテーマは「海藻」
新学期が始まって1カ月。大型連休も明けて、「疲れがたまってるかも」というお子さまも多いのではないでしょうか。「5月病」を乗り切るためにも、やはり健康的な食事は欠かせません。皆さまの食卓を少しでもサポートできるよう、これからも魅力的なレシピの考案に努めていきたいと思います。 さて、今月のテーマは海藻ですが、実は海藻を日常的に食べる国は東洋やヨーロッパの一部などに限られているそうです。 私は子どものころ祖父母の家にいることが多かったため、晩御飯はいつも祖母の作る和食で、海藻もよく食べていました。わかめの味噌汁は定番でしたし、食卓にはいつも味付け海苔が置いてありました。あのころの私にとっては当たり前のメニューだったのですが、パンや麺類で食事をすませがちな大学生になった今、当時の祖母の和食のありがたみがわかります。 そんな和食に欠かせない食材である海藻の中から、私たちがピックアップしたのは、海苔とひじきです。海苔はおにぎりに巻いて、ひじきは甘辛い煮物にして食べるというのが定番で、それ以外にはあまりチャレンジしたことがないという方も多いのではないでしょうか。 そこで、今回のレシピは海苔とひじきの新しい魅力を引き出すことを目標に考案しました。 執筆:早崎 東京大学3年 |
汁物 海苔とにんじんの2色ポタージュ
材料 (4人分)
海苔・・・・・・・・・・2枚
にんじん・・・・・・・・1本
長芋・・・・・・・・・・150g
ねぎ・・・・・・・・・・1本
鶏ガラスープの素・・・・小さじ4
塩こしょう・・・・・・・適量
水・・・・・・・・・・・350cc
ごま油・・・・・・・・・適量
作り方/レシピ
(1)ネギはななめ切りに、にんじんは火が通りやすいように細かく切る(写真は銀杏切り)。
(2)鍋に水150cc、ちぎった海苔2枚分、鶏ガラスープの素の半量、(1)のネギの半量を入れ、火にかけて沸騰させる。
(3)粗熱を取った(2)と長芋をフードプロセッサーに入れ、細かくする。塩こしょうで味を調える。
(4)別の鍋に(1)で切った残りのネギとにんじん、残りの鶏ガラスープの素、水200ccを入れ火にかける。にんじんが柔らかくなったら火を止め、粗熱をとってフードプロセッサーにかける。塩こしょうで味を調える。
(5)(3)と(4)を同じ皿に同時に盛り、ごま油を回しかける。
レシピのポイント!
・このままでも十分おいしいですが、ネギは(2)の前に一度炒めると、より香りが出ます。またポタージュをフードプロセッサーにかけた後にさらに裏ごしをすると、より口当たりがよくなります。
・好みでパセリやパプリカをふってもおいしいです。
副菜 ひじきとれんこんの梅マヨサラダ
材料(4人前)
[A]
乾燥ひじき・・・・・・・・・・13g
水・・・・・・・・・・・・・・1000cc
れんこん・・・・・・・・・・・250g
冷凍枝豆・・・・・・・・・・・適量
[B]
梅干し・・・・・・・・・・・・3個
マヨネーズ・・・・・・・・・・大さじ1
麺つゆ(三倍濃縮)・・・・・・大さじ1
作り方/レシピ
(1)Aを合わせて30分置く。
(2)れんこんはスライスして下茹で、枝豆は流水解凍して、皮と薄皮を剥く。
(3)梅干しは種と梅肉に分け、梅肉を刻む。
(4)Bを混ぜ合わせる。
(5)(1)をキッチンペーパーで包んで固く絞り、水気を切る。(2)も固く絞る。
(6)(5)とBを混ぜ、完成。
レシピのポイント!
・食材の水気をよく切らないと、味つけが薄まってしまいます。(5)でキッチンペーパーなどを使って少し強めに食材の水気を切る、というひと手間がとても大事です。
レシピ開発裏話
海藻は乾物として常温で保存できる食品が多いため、非常時の栄養補給にも役立ちます。しかし、使いかけのものが棚に眠っていることも多いのではないでしょうか。今回はそんな海藻類を使い切るのに役立つレシピを考えてみました。
1品目は「海苔とにんじんの2色ポタージュ」です。
2色ポタージュはそれぞれで食べてもおいしいですし、また合わせて食べても味の変化を楽しむことができます。海苔のポタージュは、鶏がらスープの素を和風だしに変えて、醤油を少し垂らすと、和食にあった味になります。海苔をアオサ海苔に変えてみてもよいかもしれません。
にんじんは今回、皮をむかずに使用しました。皮目に栄養が多く含まれており、ポタージュにすると丸ごと食べられます。
2品目は「ひじきとれんこんの梅マヨサラダ」です。
ひじきは和の食材というイメージが強いと思います。今回はマヨネーズで和えましたが、麺つゆと1:1の和風の味つけにしているので違和感なく食べられます。また、梅肉で酸味を出し、味にアクセントを加えました。
水戻し後のひじきはキッチンペーパーなどで少し強めに水分を切ることが、おいしく仕上げるコツです。
5月は新生活の疲れが出はじめるころです。
さまざまな食材をバランスよく摂り、体の調子を整えることができたらいいですね。
執筆:佐藤 東京大学3年 / 佐々木 東京家政大学3年
*この記事で紹介しているレシピはアレルギー対応はしておりません。アレルギーをお持ちの方はご注意ください。
東京大学料理愛好会
東京大学を中心に、さまざまな大学・専門学校に通うメンバーで構成されている。都内のキッチンスタジオで週に1度調理実習を行い、腕を磨く。
最近では、NHK総合テレビ『あさイチ』にメンバーが出演したり、大手回転寿司チェーンかっぱ寿司にメニュー提供など積極的に活動。
著書に『東大料理愛好会 頭がよくなるレシピ』など。