東大料理愛好会レシピ
暑い夏を香り豊かなレシピで乗り切る! ニラ
2019.7.11
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東大料理愛好会のメンバーが毎月1つずつ食材を取り上げ、旬の食材のレシピをご紹介します。
今月のテーマは「ニラ」
本格的な夏を迎え、厳しい暑さの日が続きますが、いかがお過ごしでしょうか。熱中症にはもちろん気をつけなければなりませんが、冷房の効いた室内との出入りによる気温の急激な変化は自律神経のバランスを乱します。僕が受験生のころには、家と塾の往復の中で何度も気温差にさらされ、夕方にはすっかり疲れてしまっていました。疲労を溜めて夏バテしてしまわないよう、体調管理には気をつけたいですね。 そんな今月のレシピのテーマはニラです。ニラは古くは薬草として栽培されていました。今でもニンニクとともに力をつけたい時の食材として用いられます。僕の地元の福岡では、ニラは郷土料理であるもつ鍋に欠かせない食材で、スープに浸かった「もつ」の上に大量のニラを並べます。火が通って具材が沈んでくるころ、しょうゆベースのスープと大量のニラの香りが食卓を満たし、その香りに胸を踊らせたものです。もつ鍋は冬に冷えた体を温めてくれますが、ニラは夏にもぴったりの食材。ニラを食べて、夏バテ気味の身体に力をつけて厳しい夏を乗り切りましょう。 1品目は、ニラジャンのよだれ鶏です。よだれ鶏という名前は、中国四川省の文筆家が、その美味しさを考えるだけでよだれが止まらなくなる、と書いたことに由来すると言われています。夏は暑さで食欲がなくなってしまいがちですが、その名前の由来通り、サッパリした蒸し鶏と香り豊かなニラジャンのタレが食欲をそそり、箸が進むことうけあいの一皿です。 2品目は、ニラをバジルの代わりに使用したガパオライスです。餃子やニラレバなど、中華料理や韓国料理のイメージが強いニラですが、エスニック料理にも上手く合っていて、一味違ったニラのレシピになっていると思います。 夏は楽しいイベントがいっぱいですし、また受験生にとっては、総復習ができる最後の時間といっても過言ではない大事な時期です。このレシピが、お子さまが元気に夏を乗り切る一助になれば幸いです。 執筆:田中 東京大学3年 |
主菜 手作りニラジャンのよだれ鶏
材料(作りやすい分量)
<茹で鶏>
鶏むね肉・・・・・・・・1枚
★水・・・・・・・・・・600㏄
★酒・・・・・・・・・・大さじ1
★塩・・・・・・・・・・小さじ1
★しょうが・・・・・・・薄切りにしたもの1枚
★ネギの青い部分・・・・1本分
水・・・・・・・・・・・200㏄
<ニラジャン>
ニラ・・・・・・・・・・1束
しょうが・・・・・・・・2片~
しょうゆ・・・・・・・・150~200㏄
ごま油・・・・・・・・・小さじ2
七味唐辛子・・・・・・・小さじ1
作り方/レシピ
<茹で鶏>
(1)鶏肉は常温に戻して余分な脂肪を取り除く。
(2)★を火にかける。
(3)沸騰したら、追加の水200㏄を加えて鶏むね肉を茹で始める。
(4)再び沸いてきたら火を止め、すぐにフタをする。
(5)必ずフタをしたまま30分ほど置き、余熱で火を通す。
(6)肉が冷めたら切り分ける。
<ニラジャン>
(1)ニラをみじん切りにして、しょうがをすりおろす。
(2)材料を全て混ぜ合わせる。
(3)保存容器に入れて冷蔵庫で保存する。味がなじんだら完成。
レシピのポイント!
・ニラジャンは手間要らずでとても美味しいです!
・茹で鶏は上記の手順通りに茹でると、下味や隠し包丁がなくてもしっとり柔らかく仕上がります。
主食 ニラdeガパオライス
材料 (4人分)
ご飯・・・・・・・・・・・4人分
☆豚ひき肉・・・・・・・・400g
☆ニラ・・・・・・・・・・1束
☆ニンニク・・・・・・・・1片
★オイスターソース・・・・大さじ4
★ナンプラーorしょうゆ・・小さじ4
★酒・・・・・・・・・・・大さじ1
★砂糖・・・・・・・・・・小さじ1
赤パプリカ・・・・・・・・1個
卵・・・・・・・・・・・・4個
レタス・・・・・・・・・・4枚
プチトマト・・・・・・・・8個
糸唐辛子・・・・・・・・・適量
作り方/レシピ
(1)ニラとニンニクはみじん切り、パプリカは細めの棒状に切る。レタスはちぎって、プチトマトは洗っておく。
(2)フライパンに油をひき、ひき肉とニンニクを炒める。
(3)(2)のひき肉がパラパラになるまで炒めたら★を加える。火を弱めて焦げないように注意しながら混ぜ炒める。
(4)全体に調味料がなじんだらパプリカを加え炒める。
(5)パプリカに火が通ったらニラを加え、さっと炒め合わせる。
(6)フライパンから(5)を取り出し、鍋肌の汚れを拭き目玉焼きを作る。
(7)全てを盛り合わせてお好みで糸唐辛子をのせ、完成。
レシピのポイント!
・ニラの香りは加熱するほど飛んでしまうので、最後に加えることがミソです。
・比較的コッテリとした味付けのため、ひき肉が豚や合いびき(鶏以外)の場合は油を引かないほうが美味しくいただけます。
レシピ開発裏話
1品目は「手作りニラジャンのよだれ鶏」です。
旬のニラは安いですが傷みやすいです。保存が効きにくい食材は、塩分や油分の多いものに漬けておくと長持ちさせることができます。ニラジャンは生のニラを使用するため香りが強く、しょうがやゴマ油とも良く合っていて食欲がそそられます。よだれ鶏だけでなく冷奴やサラダ、チャーハンなどの味付けとしても使えて万能なので、ぜひ作ってみてくださいね。
また、よだれ鶏の茹で汁には旨味がたっぷり含まれているため、水で濃さを調整してスープにするのがおススメです。その際もニラジャンを浮き実として少々浮かべると彩りも風味もよく、美味しくいただけるのではないでしょうか。
そして2品目は「ニラdeガパオライス」です。
ガパオとはバジルの一種で、タイでポピュラーな香味野菜です。炒め物によく使われます。今回は日本でポピュラーな香味野菜であるニラでアレンジをしてみました。ニラを炒めすぎないことがポイントですが、本来のガパオライスを作る際もバジルを最後に加えて香りよく仕上げると美味しいです。また、パプリカも炒めすぎず瑞々しいままいただくのがおススメです。
ナンプラーは好みが分かれる調味料ですので、独特の臭みが苦手な方やお家にない方はしょうゆで作ってみてください。
ニラを切っているとキッチンがいい香りに包まれますね。ニラはとても扱いやすく、香りで食欲増進が期待できる食材ですので、ふだんの料理に“ちょい足し”してみてもよいかもしれませんね。
執筆:佐々木 東京家政大学3年
*この記事で紹介しているレシピはアレルギー対応はしておりません。アレルギーをお持ちの方はご注意ください。
東京大学料理愛好会
東京大学を中心に、さまざまな大学・専門学校に通うメンバーで構成されている。都内のキッチンスタジオで週に1度調理実習を行い、腕を磨く。
最近では、NHK総合テレビ『あさイチ』にメンバーが出演したり、大手回転寿司チェーンかっぱ寿司にメニュー提供など積極的に活動。
著書に『東大料理愛好会 頭がよくなるレシピ』など。