小田先生のさんすう力UP教室

足りない面を考えよう

さんすう力を高めるにはどうしたらいいの? まあ、そんなに難しく考えないで、まずはお子さまと一緒に問題に取り組んでみましょうよ。
(執筆:小田敏弘先生/数理学習研究所所長)

 こんにちは、最近家計簿をつけ始めた小田です。ちまちまと記録をとるのは基本的に好きなので、昔は結構ちゃんと家計簿をつけていたのですが、仕事で帳簿をつけるようになってからは、プライベートの金銭管理が面倒になりしばらくさぼっていました。自炊する機会が増えてきたこともあり、特に食費って本当に減るのかなというのが気になってきたので、最近またつけはじめることにしたのです。
 今どきはスマホのアプリで家計簿がつけられるので便利ですよね。レシートも、写真でとっておけば記録できるので、すぐ捨てられますし。長続きすればいいな、と思っています。
 さて、今回は立体図形の問題です。最初は頭の中でイメージしてみてほしいですが、難しそうなら無理せず実際に展開図を作って組み立ててみても大丈夫です。ひとまず気軽にチャレンジしてみてください。
 それでは早速行ってみましょう。

Stage8:足りない面を考えよう

例題

<例題> (ア)の形を組み立てて、(イ)の形をつくりたいのですが、面が1つ足りません。どこに付け加えればいいでしょうか。

例題の答え

まずは問題の意味が理解できているかどうか、確認してあげてください。「展開図」というものにそもそも慣れていない場合、「組み立てる」の意味が分かりづらいかもしれません。そのようなときは、実際に印刷して切り取ったりして、実物を作ってあげてみてください。完成図の立体(今回は三角錐(正四面体))が見慣れない場合も、やはり実物を見てみるのが大事です。身の回りから探してきて「こういう形だよ」と伝えてあげても構いませんし、これも展開図を組み立ててみて作ってみても構いません。
しばらくは頭の中でイメージしてみてもいいですが、難しそうな場合、冒頭でもお伝えしたように、無理せず実際に作ってみましょう。お子さんが答えを出したら、一番いいのは本当にそれで組み立てられるか、これもやはり組み立ててみることでしょう。特に、間違えている場合は、「組み立てられない」ことを自分で確認することが大事です。お手数をおかけしますがぜひよろしくお願いします。今回は、正三角形と正方形の面ばかりなので、それらの形の紙をたくさん用意し、問題ごとにテープなどで止めてそれぞれ展開図を作ると、やりやすいかもしれません。

解いてみよう

Level 1

(エ)(オ)(カ)の形を組み立てて、(ウ)の形をつくりたいのですが、面が1つ足りません。それぞれどこに付け加えればいいでしょうか。

Level 2

(ク)(ケ)(コ)の形を組み立てて、(キ)の形をつくりたいのですが、面が1つ足りません。それぞれどこに付け加えればいいでしょうか。

Level 3

(シ)(ス)の形を組み立てて、(サ)の形をつくりたいのですが、面が1つ足りません。それぞれどこに付け加えればいいでしょうか。

解答(例)

(いずれも、赤い面のうちのいずれか1つ)

Level 1

Level 2

Level 3

さんすう力UPのポイント

いろいろなお子さんを見ていると、「立体図形が苦手」という話をしばしば聞きます。そういった人たちの話をよくよく聞くと、その苦手意識の根本には、どうやら「立体が頭の中でイメージできない」というところにあるようです。しかしそもそも、「立体を頭の中でイメージする」ということは、どの程度可能なことなのでしょうか。正直な話をすれば、「ある程度以上複雑な図形を、初見で頭の中でイメージする力」というのは、一部の人しか持ちえない、“特殊能力”だと思っています。もちろん、習得してみたい人は頑張ってトレーニングをすればいいと思いますが、あくまでそれは個人の趣味みたいなものであり、「算数の勉強」の一環としてやるべきことではありません。そして、それができないことをもって「立体図形が苦手だ」と感じる必要は、本来ないはずのものなのです。
「算数の学習」の中での「立体図形を学ぶ」ことの本質は、「重要で基本的な立体についての性質を理解すること」と「イメージできない立体の定式的な扱いを学ぶこと」です。おそらく「立体をイメージできないといけない」と感じてしまうのは、その前者の要素が理由になっているのでしょう。(後者の要素は今回のテーマとは関係ないのでここではそれ以上踏み込みませんが、5月号で少し触れたような話です。)
今回の「解いてみよう」の問題を考えるとき、実はレベル設定で少し迷いました。最終的にはいろいろな要素を総合的に判断し、上記のように、レベル1を三角柱、レベル2を四角錐、レベル3を立方体にしましたが、人によってはレベル3の立方体が一番解きやすい、ということもあるかもしれません。そう感じる原因は、やはり「立方体」が他の立体に比べると身近にある立体であり、単純に「見慣れている」から、というところにあるでしょう。当たり前の話ですが、実際に見たことのある立体のほうが、頭の中でイメージはしやすいです。そういう意味では、「算数の学習」の中で求められる「立体をイメージする力」というのは、結局のところ「重要な形、基本的な形についてはしっかり理解し、見慣れておきましょう」ということに過ぎません。8月号で、直角二等辺三角形などを例に挙げ、「基本的な図形と仲良くなろう」という話をしましたが、それは立体図形においても同じである、ということです。
例題で出した三角錐(正四面体)も含めて、今回ご紹介した問題は、いずれも基本的で重要な立体のひとつです。しかし、立方体以外のものについては、あまり意識しなければ、日常生活の中では見慣れないと感じるかもしれません。そういった立体たちを意識したり実際に触れ合ったりする機会を増やすことで、それらの立体の特徴を理解し、頭の中でイメージする手助けにしてほしい、というのが今回の問題の狙いです。その意味では、今回は特に「正解を出す」「問題を解く」ことにこだわらず、「立体で遊ぶ」「立体と遊ぶ」ことに重点をおいて取り組んでほしいと思います。


 いかがでしょうか。
気が付けば10月になり、気温が下がる日も増えてきましたね。引っ越したのはもう結構前の話だった気がするのですが、未だに開封されていない段ボールが結構あります。夏場の洋服は「すぐ使うもの」として取り出しやすいようにしていたのですが、冬物の洋服はまだ段ボールに眠っており、そろそろちゃんと片付けないとまずいなあ、と最近は毎日思っています。でも、いざ手を付けようとするたびに、「まだいいかな」と思ってついつい先延ばしにしてしまうんですけどね。そういえば、もうすぐ注文していたチェストラックが届くので、それが届いたら頑張って少し片付けたいと思います。

 それではまた来月!

文:小田 敏弘(おだ・としひろ)

数理学習研究所所長。灘中学・高等学校、東京大学教育学部総合教育科学科卒。子どものころから算数・数学が得意で、算数オリンピックなどで活躍。現在は、「多様な算数・数学の学習ニーズの奥に共通している“本質的な数理学習”」を追究し、それを提供すべく、幅広い活動を展開している(小学生から大人までを対象にした算数・数学指導、執筆活動、教材開発、問題作成など)。

公式サイト:http://kurotake.net/

主な著書

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