小田先生のさんすう力UP教室

同じ数に分けてみよう

さんすう力を高めるにはどうしたらいいの? まあ、そんなに難しく考えないで、まずはお子さまと一緒に問題に取り組んでみましょうよ。
(執筆:小田敏弘先生/数理学習研究所所長)

 こんにちは、無事冷蔵庫を買い替えた小田です。お伝えしていた通り冷凍室重視で選んだので、冷凍室の容量が以前のものの倍くらいになりました。しかも、何段かに分かれているタイプですよ。かなり便利ですよね。ひとまず肉類をいろいろ買い込んで冷凍してみたのですが、まだまだ余裕があります。野菜を冷凍する技術も覚えて、さらに冷凍庫を充実させていきたいですね。あと、アイスもストックしておくといいんじゃないか、とか考えたりもして、いろいろとわくわくしている今日この頃です。

 さて、今回は数についての問題です。決まった個数のものを何人で分けられるか、という、もちろん根本的には掛け算・割り算の問題ではあるのですが、それらの学習がまだのお子さんにもぜひ取り組んでほしいと思います(というより、まだのお子さんにこそ、ぜひ取り組んでもらえたらうれしいです)。

 それでは早速行ってみましょう。

Stage19:同じ数に分けてみよう

例題

6個のアメを、何人かで同じ数ずつ分けます。あまりが出ないのは、何人で分けたときですか。考えられる人数を、すべて答えてください。答えは4つあります。1人のときも、答えに入れていいものとします。

 

例題の答え

1人、2人、3人、6人

 

まずは、問題の意味が理解できているかどうかを確認してあげましょう。いまいちピンと来ていないようなら、具体的に「2人だとあまりを出さずに分けられる?」と聞いてあげて構いません。「4人だと1人1個ずつ取ると2個あまりが出る」というのも、伝えてあげて大丈夫です。問題文に書いてある通り、「1人」のときも答えに入れてください。

答えは4つありますが、探しきれないときは、「2人のときはどう?3人のときは?」というように、順に調べていくよう伝えてあげましょう。「1人」のときを見落としている場合は、「1人のときも入れていいよ」と直接言ってしまって大丈夫です。

分けられない人数(4人や5人など)を答えに入れている場合は、「4人だと1人1個ずつ取ると2個あまりが出る」というふうに伝えてあげてください。

頭の中で分けるのが難しい場合は、おはじきなどを使って、実際に分けてみるのがいいでしょう。

解いてみよう

Level 1

それぞれの個数のアメを、何人かで同じ数ずつ分けます。あまりが出ないのは、何人で分けたときですか。考えられる人数を、すべて答えてください。1人のときも、答えに入れていいものとします。

Level 2

それぞれの個数のアメを、何人かで同じ数ずつ分けます。あまりが出ないのは、何人で分けたときですか。考えられる人数を、すべて答えてください。1人のときも、答えに入れていいものとします。

Level 3

それぞれの個数のアメを、何人かで同じ数ずつ分けます。あまりが出ないのは、何人で分けたときですか。考えられる人数を、すべて答えてください。1人のときも、答えに入れていいものとします。

解答

Level 1

(1) 1人、2人、4人、8人

(2) 1人、2人、3人、4人、6人、12人

(3) 1人、2人、4人、8人、16人

Level 2

(4) 1人、2人、3人、6人、9人、18人

(5) 1人、2人、4人、5人、10人、20人

(6) 1人、2人、3人、4人、6人、8人、12人、24人

Level 3

(7) 1人、2人、4人、7人、14人、28人

(8) 1人、2人、3人、5人、6人、10人、15人、30人

さんすう力UPのポイント

5月号で「図形のセンス」についてのお話をしましたが、今回は「数のセンス」についてもお話ししていきたいと思います。図形のセンスの話と同じく、数のセンスも漠然と“才能”を指しているわけではありません。数のセンスもやはり言葉通り“数”を扱う“感性・感覚”のことで、もう少し細かく言えば、「数を感覚的に扱う能力」であったり「数の特徴を感覚的に把握する視点」であったりします。いずれも「計算力」につながる話ですね。「計算力」という言葉もずいぶん曖昧で、いろいろな要素が含まれてしまう言葉ですが、これも言葉の通り「素早く正確に計算できる能力」と考えるのがいいでしょう。もちろん、そういった力を身につけるためには、「筆算」のような機械的なアルゴリズムに習熟することでもある程度は大事です。しかし、それだけが「計算力」ではありません。数を扱う“感性”を磨いていくことも、「計算力」の重要な要素なのです。そのあたりの話は7月号でも少し触れましたね。「計算」をいろいろな面からとらえることで、その場その場に応じた計算を選べるようになることが大事、という話でした。そのためには、いろいろな種類の計算に触れて、いろいろな面から数や計算を見る経験を増やし、数や計算の特徴をつかむことが大事です。

今回の問題も、そういった“さまざまな計算”のうちのひとつです。テーマとしては「分ける」ということで、もちろん将来的には割り算につながっていく話ですね。冒頭にも書いたように、「割り算」そのものを学習していなくても「分ける」ことはできます。むしろ割り算を学習する前に「分ける」経験を積んでおくことは、割り算の理解にもつながるはずです。もちろん、割り算をすでに習っていても、この問題がそれと結びつかないお子さんもいるでしょう。しかし、それはそれで構いません。「これは割り算だよね」と伝えてあげる必要も、特にありません。単純に、「分ける」経験を積んでいるところを温かく見守ってあげればいいのです。そうやって、「分ける」経験を積んでいけば、どこかの段階ではそれが必ず「割り算」とつながります。そのとき、「割り算」への理解も深まることでしょう。

それからもうひとつ、「分けられるかどうか」を考える経験を積むことは、「約数・倍数」の理解にもつながります。ある整数Aがある整数Bでちょうど割り切れる(商が整数となる)とき、「BはAの約数である」「AはBの倍数である」と言います。たとえば、6÷3は割り切れるので、3は6の約数です。6÷2も割り切れるので、2も6の約数です。6÷4は割り切れず、あまりが出てしまうので、4は6の約数ではありません。1や6も6の約数に入ります。倍数かどうかでいえば、6は2や3の倍数ではありますが、4の倍数ではありません(もちろん、6は1や6の倍数でもあります)。約数や倍数の理解が深まっていくと、数の“グループ”が見えるようになります。たとえば、1、2、3、6は6の約数ですが、4や5は6の約数ではありませんね。そうすると、4や5よりも3の方が「6に近い数」に見えてきませんか。さらに見てみると、4は2や6と同じ「2の倍数」のグループに入れることができるので、1から6の数の中では5が少し浮いているように見えてきます。

もちろんこれは、「3よりも4や5の方が6に近い」という見方が間違いだ、ということではありません。数の大きさに注目すれば、それは普通に正しいですね。ここでお伝えしたいのは、あくまで「3の方が近い」という見方もできる、ということです。そして、そうやって「数のとらえ方」の種類を増やすことが、「数のセンスを磨く」ということなのです。たとえば、18×2という計算について考えてみましょう。この計算の答えは36ですが、繰り上がりを忘れてしまうと26になってしまいますね。しかし、そうやって計算ミスをしたとき、「26と36は違うグループの数だ」という感覚があれば、「何か変だから計算をやり直してみよう」と思うことができるでしょう。26は13の倍数ですが、もともと掛け合わせた数である18や2は13の倍数ではありません。逆に、18は3の倍数ですが、26は3の倍数ではありません。そうした“計算の違和感”に気づくことができれば、それは「計算力」にもつながるはずです。

もちろん、センスは一朝一夕で身につくものではありません。計算の違和感を感じ取れるようになるまでには、それなりのトレーニングが必要でしょう。しかし、まずは数にもいろいろな特徴があるということを知ってほしい、そのいろいろな面を見ることで少しでも“数”と仲良くなってほしい、というのが今回の問題のねらいです。


 いかがでしょうか。

冷蔵庫を新調してから、なんだかおなか周りはすっきりしてきた気がします。やはり、保存が利かないと、余らせるのがもったいなくて、余分に食べてしまっていたということなのでしょう。そもそも素材についても、冷凍するとなると1回に使う分ずつに分けて冷凍するので、作りすぎることも少なくなりました。おなか周りが減ってくると、体全体も軽くなってきたような気がするので、あとは運動量を増やして健康的な身体を手に入れていきたいところです。

 それではまた来月!

文:小田 敏弘(おだ・としひろ)

数理学習研究所所長。灘中学・高等学校、東京大学教育学部総合教育科学科卒。子どものころから算数・数学が得意で、算数オリンピックなどで活躍。現在は、「多様な算数・数学の学習ニーズの奥に共通している“本質的な数理学習”」を追究し、それを提供すべく、幅広い活動を展開している(小学生から大人までを対象にした算数・数学指導、執筆活動、教材開発、問題作成など)。

公式サイト:http://kurotake.net/

主な著書

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