子どもと楽しむ料理の科学

ポーチドエッグをうまく作るためのヒケツとは?

「科学する料理研究家」平松サリーさんが、料理に役立つ知識を科学の視点から解説します。お子さまと一緒に科学への興味を広げていきましょう。

きれいにまとまるポーチドエッグの作り方

ぷるんとした卵白の中から半熟の卵黄がとろーり。卵を殻ごとゆでて作るゆで卵に対して、殻から出した卵をゆでて作るポーチドエッグは、半熟卵が好きな人にオススメの食べ方です。サラダのトッピングにしたり、トーストやイングリッシュマフィンにのせたり、今が旬の春キャベツやこれから旬を迎えるアスパラガスと一緒に食べてもいいですね。

今回はポーチドエッグを上手にまとめるためのコツや、ちょっとした作り方の違いで食感が変わるポイントについて、ポーチドエッグの作り方とともに解説します。ポーチドエッグを使った簡単なオープンサンドのレシピも紹介するので、お子さんと一緒に作ってみてください。

ポーチドエッグ

作り方/レシピ

材料(1個分)
卵 1個
塩、酢

1.下準備

小鍋に水を入れ、火にかける。
(湯をかき混ぜても溢れないよう、水の量は鍋の6分目程度までとする。6分目まででしっかり卵が水にひたるよう、十分な深さの鍋を選ぶ)
卵を器に割り入れておく。
(一度器に出しておくと、鍋に直接割り入れるよりも失敗しにくい)

2.ゆでる

湯が沸騰したら、塩または酢を入れる。量の目安は、水500mlに対して、塩小さじ1弱または酢大さじ1/2。

ふつふつと小さな泡が上がる程度に火を弱める。菜箸で湯をぐるぐるとかき混ぜて渦を作り、その中心に、1で用意しておいた卵をそっと流し入れる。

4分程度ゆでる。ゆで始めは触らず、2分ほどゆでて周りが固まってきたら網じゃくしなどで裏返す。

ポイント

熱い湯に卵を入れると、まず卵白の表面にあるタンパク質が熱凝固し、白い膜状に固まって卵全体を包みこみ、それからだんだんと中まで火が通っていきます。ポーチドエッグをきれいに仕上げるには、卵白が湯の中に広がらないようにしつつ、素早く表面を固める工夫が必要になります。

湯が激しく沸騰していると、泡で卵白が踊って散らばりやすいので、ふつふつとする程度に火加減を調節しましょう。卵を入れる前に菜箸で渦を作っておくと、水流によって卵が真ん中に集まり、まとまりやすくなります。

また、湯に塩や酢を加えるのにも意味があります。これらはタンパク質を固まりやすくする作用があるため、卵白が水の中に広がる前に素早く固まります。

どちらを使っても構いませんが、少し仕上がりの食感に違いがあります。塩を加えた場合は薄く塩味がつき、表面はつるっと、食感はプリッとかためになります。酢の場合は、酢の味はほとんどしませんが、表面が少しザラっとして、食感がふわっとやわらかくなります。これは卵白に含まれる成分が酢と反応し、二酸化炭素のガスを発生させるため、表面の卵白が泡立った状態で固まるためだと考えられます。

3.冷ます

網じゃくしなどでそっとすくい、水を張ったボウルにとって冷ます。キッチンペーパーを敷いたバットに取り出し、水気をとる。

サラダボウルにベビーリーフやレタスなどの野菜を盛り、ポーチドエッグ、ベーコン、クルトンなどをトッピング。粉チーズやシーザードレッシングをかければ、食べ応え抜群のシーザーサラダのできあがりです。

また、ポーチドエッグを使ったオープンサンドといえば、エッグベネディクトが有名ですが、オランデーズソースを作るのがちょっぴり面倒なのが難点です。そこでおすすめしたいのが、オランデーズソースの代わりに、パルミジャーノチーズ(または粉チーズ)をたっぷりかけたカルボナーラ風オープンサンド。付け合わせに野菜を添えれば、ちょっぴりおしゃれな休日のブランチに。

カルボナーラ風オープンサンド

材料(1〜2人前)
ポーチドエッグ 2個
ハーフベーコン 4枚(またはベーコン2枚)
イングリッシュマフィン 1個
パルミジャーノチーズ(または粉チーズ) 5g
粗びき黒こしょう 少々
付け合わせ(ベビーリーフ、ミニトマトなど)

1.下ごしらえ

イングリッシュマフィンは厚さを半分に切り、トースターで焼く。 
ベーコンは油をひかずにフライパンでこんがりと焼く 。

 

2.盛り付け

イングリッシュマフィンは、断面を上にしてお皿にのせる。その上にベーコンを重ね、ポーチドエッグをのせる。パルミジャーノチーズをかけて粗びき胡椒を散らす。付け合わせを添えてできあがり。

新鮮卵でとろとろ卵白のポーチドエッグ

卵白は、ゼリー状の「濃厚卵白」とサラサラと水っぽい「水様卵白」で構成されています。濃厚卵白は湯の中でも崩れにくく、卵黄を包み込むような状態でまとまっていますが、水様卵白は湯の中に散らばってしまいやすく、ポーチドエッグを作る際に注意が必要なのはこの部分です。

水様卵白は新鮮な卵には少なく、鮮度が落ちるにつれて徐々に増えていくので、できるだけ新鮮な卵を使うと、卵白がまとまりやすくなります。また、器の上に穴じゃくしを重ね、その上に卵を割り入れることで水様卵白を取り除くという方法もあります。

新鮮な卵や穴じゃくしなどを使い、水様卵白が少ない状態で卵をゆでると、塩や酢を入れなくても卵白が散らばりにくく、きれいにまとまります。この場合、塩や酢による助けがない分、卵白が固まりにくく、4分経っても表面がやややわらかくとろみのある半熟状態に仕上がります。温泉卵の卵白に近い仕上がりになるので、サラダのトッピングなどにおすすめです。

 

4/28(木)更新の次回では、「タンドリーチキンでヨーグルトが必要な理由」について、科学の視点から解説いたします。お楽しみに!

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プロフィール

科学する料理研究家、料理・科学ライター

平松 サリー(ひらまつ・さりー)

科学する料理研究家、料理・科学ライター。京都大学農学部卒業、京都大学大学院農学研究科修士課程修了。生き物がつくられる仕組みを学ぼうと、京都大学農学部に入学後、食品科学などの授業を受けるうちに、科学のなかに「料理がおいしくできる仕組み」があることを知る。大学在学中に、科学をわかりやすく楽しく伝えたいとブログを始め、2011年よりライター、科学する料理研究家として幅広く活躍している。著作には『おもしろい! 料理の科学 (世の中への扉)』(講談社)などがある。

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