小田先生のさんすう力UP教室

計算力を鍛えよう

さんすう力を高めるにはどうしたらいいの? まあ、そんなに難しく考えないで、まずはお子さまと一緒に問題に取り組んでみましょうよ。
(執筆:小田敏弘先生/数理学習研究所所長)

 こんにちは、最近掛け布団の偉大さを再認識している小田です。掛け布団をかぶったときの安心感ってすごくないですか。人類で最初に布団をかぶって寝ようと考えた人は、天才だと思います。近年は、多少重量のある掛け布団がいいという説もあるみたいですね。少し気になっているところなので、いずれそういった布団も購入するかもしれません。気温も上がってきた今日この頃、いつの間にか掛け布団から抜け出してしまっている日も少なくないのですが、まあ、目が覚めて、もう一度掛け布団を被り直したりするのがまた幸せだったりしますよね。

 さて、今回は計算の迷路です。答えが増えていったり減っていったりするように進んでいく迷路ですが、ルール自体はそれほど難しくはないでしょう。とはいえ、計算に慣れていない場合は、頭の中でいろいろな計算が混ざり合い、混乱することもあるかもしれません。無理せず気軽に楽しんでみてください。

 それでは早速行ってみましょう。

Stage28:計算力を鍛えよう

例題

<例題> 図のような迷路があります。スタートからゴールまで、答えが1ずつふえていくように進んでください。

例題の答え

問題の意味は大丈夫ですね。「答えが2になるところ」の次は「答えが3になるところ」、その次は「答えが4になるところ」・・・・・・、と進んでいけばいい、と伝えてあげてください。最初に右に行くか下に行くかは、「どちらでも構わない」と伝えてあげましょう(例題では、右はすぐに行き止まりではありますが)。迷路なので、もちろん、分岐や行き止まりがあります。戸惑っているようでしたら、「どっちも行けるね(どっちに行ってみる?)」や「行き止まりだね」と声をかけてあげてください。

冒頭でも少し触れたように、「マスの中の計算」と「次に進む数を求める計算」の2つの系統の計算が混ざり合っていますので、苦戦するようなら、「先に(マスの中の)計算の答えを書いてしまってもいいよ」と伝えてあげて構いません(もちろん、“苦戦するようなら”という話なので、最初のうちはまず温かく見守ってあげてください)。

お子さんがゴールしたら、一緒に通ったマスの計算を確認してあげてください。増え方がルール通りになっていれば、正解です。なっていないところがあれば、「ここで〇〇増えているね」と指摘してあげましょう。

どうしてもなかなかゴールにたどり着かない場合は、行き止まりに行ったときに「ここは行き止まりみたいだから印をつけておこうか」と提案してあげても構いません。

解いてみよう

Level 1

図のような迷路があります。スタートからゴールまで、答えが1ずつふえていくように進んでください。

Level 2

図のような迷路があります。スタートからゴールまで、答えが2ずつふえていくように進んでください。

Level 3

図のような迷路があります。スタートからゴールまで、答えが2ずつへっていくように進んでください。

解答

Level 1

Level 2

Level 3

さんすう力UPのポイント

子どもたち、それも特に低年齢の子どもたちの学習の様子を見ていると、“数の世界”の豊かさに改めて気づかされます。そして、その“世界”を見つめる子どもたちの視線も、実はそれほど単純なものではないということがわかるでしょう。
たとえばそれは、最も基本的な計算である「足し算」ひとつとってもそうです。「12+34」のような計算が暗算でできるのに、「3ずつ足していく」のような計算では指を使って数えていく子がいたりします。「順々に増えていく」というのは、その子にとってやはり「順に数えていく」イメージと強く結びついているのでしょう。一方で、十進法の構造についてのイメージも持っており、「12は10と2、34は30と4」と理解できているから、「12+34」を「10と30で40、2と4で6だから、40と6で46」という暗算でできるのだと思います。そういった子は、言ってみれば「数をいろいろな方向から捉え、それぞれに合わせた“足し算”をしている」ということですね。もっと低年齢の子どもの場合、「6+4」と「6+5」でも“別の足し算”をしていることがあります。「6+4」は「足して10になる組だ」と気づいてすぐに「10」と答えられますが、「6+5」はそうではないので順に数えていって考えたりするのです。そういった子もやはり、自分なりに“数”や“計算”をさまざまな面から捉えている、と言うことができるでしょう。

5月号で、図形のセンスを身につけるためには、図形と仲良くなることが大事だ、という話をしましたね。これは、“数のセンス”を身につける上でも同じです。今回のタイトルは「計算力を鍛えよう」ですが、この「計算力」のうちの特に重要な要素のうちのひとつが、やはり「数の特徴についての理解」なのです。「計算力」は、もう少し詳しく言えば、「与えられた計算に対して、正しい計算結果を返す」力のことでしょう。つまり、「正しい結果」にたどり着くことができるなら、その方法は「決まった方法」でなくてもいいのです。数や計算についてのイメージを豊かにする、すなわち、数や計算をいろいろな面から捉え、いろいろな方法でそれらを扱うことができれば、「計算」の種類によって適切な手段を選ぶことができます。また、ひとつの計算に対して複数の方法で答えを求めることができれば、求めた答えが正しいかどうかを検証することも可能になるでしょう。その意味で、数や計算へのイメージの豊かさこそ、「計算力」に直結する大きな要素のひとつと言えるのです。

5月号でも書いた通り、“仲良くなる”ためには決まった場面でだけ“会う”のではなく、さまざまな場所で一緒に“遊ぶ”ことが大事です。その意味では、計算ドリルのような計算問題を繰り返しやるだけではなく、むしろ、いろいろな種類の計算に触れることが「計算力」を鍛えていく上では重要になるでしょう。今回の問題では、それぞれのマスで2つの数の足し算をするだけではなく、その結果が増えていったり減っていったりするとどうなるかという計算もしていかなければなりません。ヒントにも書いたとおり、慣れていないとそれらを同時に考えていくのは難しいので、その場合はそれぞれのマスの計算結果を先に書いていっても構いません。しかし、慣れてきたらいろいろな工夫をしてみてもいいでしょう。たとえば、足す前の数の組み合わせを比較して、どう増えるか・減るかを予想していくのもいいですね。「3+5」と「4+5」なら、片方が5のまま変わらず、もう片方が3から4に増えているので、足した結果は1増えるだろう、という感じです。そうやって“数”や“計算”を決まった方法だけでなく、多様な視点で捉えることで、数や計算と仲良くなり、それらについてのイメージを豊かにしていってほしい、というのが今回の問題の狙いです。


 いかがでしょうか。そろそろ引っ越してから2年が経つようで、先日賃貸契約更新の書類が届きました。しかし未だに開封されていない引越し段ボールが、結構残っていたりもします。ちょうどいい機会なので、意を決してそのうちの1つを開封したのですが、そこにはそこそこの量の食器が。特に買い足したりはしていないので、まあ実際にはなくても困らないのかもしれません。ちなみに、大半はマグカップでした。マグカップは、どこかに行った記念の品を買うとき、「あっても困らないしな」ということでよく買ってしまったりするのですが、これからは少し考えないといけませんね。

 それではまた来月!

文:小田 敏弘(おだ・としひろ)

数理学習研究所所長。灘中学・高等学校、東京大学教育学部総合教育科学科卒。子どものころから算数・数学が得意で、算数オリンピックなどで活躍。現在は、「多様な算数・数学の学習ニーズの奥に共通している“本質的な数理学習”」を追究し、それを提供すべく、幅広い活動を展開している(小学生から大人までを対象にした算数・数学指導、執筆活動、教材開発、問題作成など)。

公式サイト:http://kurotake.net/

主な著書

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