小田先生のさんすう力UP教室(3~6年生)

数字の構造を捉えよう

さんすう力を高めるにはどうしたらいいの? まあ、そんなに難しく考えないで、まずはお子さまと一緒に問題に取り組んでみましょうよ。

 こんにちは、お気に入りのものがすぐコンビニから姿を消してしまうタイプの小田です。最近はカップタイプの氷が消えてしまってショックを受けました。いくつかのコンビニを回れば置いてあるところもあるのですが、仕事が遅くなった日に、帰ってちょっと何か飲もう、と思っても、家の最寄りのコンビニにはないんですよね。少し不便です。
 さて、今回は数の問題です。算数の学習を始めたとき、いちばん初めに出合うのが「数」です。その「数」への理解を深めていくことは、算数の学習を進めていくためにとても重要です。今回はそんな「数」の構造の一面に注目した問題です。
 それでは早速問題に行ってみましょう。

Stage27:数字の構造を捉えよう

 次の計算をしてください。

68375+49236-69335

指導のヒント

 まずは普通に計算すればいいでしょう。
 答えが出たら、「工夫して計算できないかな?」と聞いてみてください。
 とはいえ、考えれば思いつく、というアイディアでもないので、ある程度考えてみたら最終的には種明かしをしてあげてください(もちろん、以下の解説で示すアイディアが“正解”というわけではありません。それ以外の考え方が出てきた場合でも、それはそれで素晴らしいことです)。

解答

48276

さんすう力UPのポイント

 子どもにとって「十進法」を理解することは、それなりに時間のかかることだ、という話を1・2年生向けの記事で書きました。しかしそれでは、大人は「十進法」をきちんと理解できているのでしょうか。 1・2年生向けの記事で書いた通り、大人はたくさん“数字”と触れ合った経験をもとに、慣れである程度問題なく数字を扱うことができます。しかし実際のところ、その本質的な構造を理解し、“数字”を上手く捉えていくことは、大人にとってもやはり難しいのではないか、と思うのです。

 たとえば今回の問題、どういうふうに計算しましたか。工夫ができる、というようなことを「指導のヒント」には書きました。そのタネは見つかりましたか。あまりもったいぶらずに、種明かしをしてしまうと、今回の計算には、次のような仕掛けがしてありました。

 いかがでしょう。数字を桁ごとにばらしていくと、上手く消えていくようになっていたのです。
 もちろん、このような計算の工夫は、今回の問題のように上手く仕組まれた計算でしか役に立たないため、「知っておくと何か得する」ということではとくにありません。ただここで見せたかったのは、「十進法」をきちんと理解していれば、“数字”に対していろいろな見方ができるよ、ということです。「10」と「8」をあわせると「18」になることは、慣れてくるとわかります。しかしそれだけではなく、「18」を見たときに「10」と「8」の集まったものだ、と意識できること、そうやって数を塊に分けたりくっつけたりを自由にできることが、「十進法」をより深く理解し、数を自由に扱えるようになるための、まずは第一歩です。

 算数の学習を進めていくとき、一つの隠れたハードルになっているのが「十進法」です。現在の学習指導要領では、2年生から4年生にかけて、足し算・引き算・掛け算・割り算の筆算を順に学習していきます。筆算は、機械的な操作をすれば大きな数でも正確に計算ができてしまう便利な道具ではありますが、ただ単純に操作を練習するのと、数字の構造を理解したうえで計算するのとでは、その精度がまるで違います(Stage10:数字の構造をとらえようでも少し触れました)。
 数は算数・数学の世界への入り口です。数に慣れ、数をよく理解するためにも、まずはその数字の構造についてもいろいろと考え、イメージを豊かにしていってみてください。

もっと問題

 図のような掛け算の筆算において、なぜ(※)の部分を左にずらすのか、説明してください。

  • 解答

 掛け算の筆算をするとき、「34×27」は「34×20+34×7」と計算しているので、2段目の「68」は実際には34×20の答え「680」のことであり、いちばん右には「0」が1つ省略されているから。


 いかがでしょうか。先日、数学好きな人が集まるイベントに遊びに行ってきました。昨年ごろから定期的に開催されているイベントですが、今のところ、ほぼ毎回参加しております。参加するたびに思うことは、算数・数学の勉強は、やはり“自分のため”にやることだよなぁ、ということです。もちろん、ここでいう“自分のため”は、いい学校に行く、とか、いい将来が保障される、ということではありません。自分の興味でもって、自分の興味を満足させるためにやるものだ、ということです。それは算数・数学に限った話ではなく、「学習」というものの本質でもあると思っていますが、そういった本質的な「学習」を伝えられるよう、これからもがんばっていきたいと思います。
 それではまた来月!

文:小田・敏弘(おだ・としひろ)

数理学習研究所所長。灘中学・高等学校、東京大学教育学部総合教育科学科卒。子どものころから算数・数学が得意で、算数オリンピックなどで活躍。現在は、「多様な算数・数学の学習ニーズの奥に共通している“本質的な数理学習”」を追究し、それを提供すべく、幅広い活動を展開している(小学生から大人までを対象にした算数・数学指導、執筆活動、教材開発、問題作成など)。

公式サイト:http://kurotake.net/

主な著書

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