2024年度 東京工業大学 英語

2024年4月24日

カテゴリー : 大学受験

長文2題の出題が定着。文脈を押さえながら長文を読み進める力が必要。

語数や記述問題の分量の増減は多少あるが、長文読解2題という構成、英文和訳・和文英訳・内容説明・内容一致選択問題を中心とした設問形式はほぼ一定である。かなりの量の英文を素早く読みこなし、的確に大意を把握することが重要。

*分量:減少 *難易度:やや易化(昨年度比)

 

■概要 (90分)
* 出題・解答の形式

  • 長文読解2題で、形式は記述式・客観式混合。
  • Ⅰ、Ⅱとも設問形式は英文和訳・和文英訳・内容説明(記述式)・内容一致(選択式)・文補充など。

* 特記事項

  • 本文語数は2023年度と比べ、Ⅰは約460語減少し、Ⅱはほぼ変わらなかった。2題の合計語数は、最多を更新することとなった2023年度の約3,500語に比べると減少してはいるが、総語数は例年3,000語を超えている。
  • 2023年度にⅡで下線部の意味を選択する問題が出題されたが、2024年度は選択式の語句補充問題となった。形式は違えど平易な問題であることに変わりはない。

 

■各問の分析(難易度は東工大受験生を母集団とする基準で判定しています)

Ⅰ:長文読解(細胞生物学の歴史と基礎的な説明)[やや易]
細胞についての説明や研究の歴史について述べた論説文。筆者と細胞学との出会いなど、一部にエッセイの要素を含む文章であった。約1,820語と2023年度から比べると約460語減少しており、内容も読みやすいものであった。出題されている問題は、2023年度から形式や分量などはほぼ変わらないが、若干取り組みやすくなっており易化した。
Ⅰ-1の英文和訳は文構造に難しいところはないが、自然な日本語になるように工夫して、確実に点を取りたい。Ⅰ-2の英文和訳は語順から‘譲歩’の as に気づけたかがポイントであった。Ⅰ-3の和文英訳は「…にはよくあることだが」の as is often the case with … と「…は〜であった」の強調構文をすぐに日本文から思い浮かべることができるかで差がつく。Ⅰ-4の内容説明問題は、まとめるべき箇所はすぐ後ろの2文であることがわかりやすく、設問指示がまとめ方のヒントにもなっている。Ⅰ-5の文補充問題は空所が文章全体に分散されていたが、それぞれの空所の前後の内容から補う文を特定するのは容易だったであろう。Ⅰ-6は(A)がタイトル選択、(B)は内容に合わないものを選択する問題であったが、迷うものはなかったと思われる。Ⅰ-7の内容一致選択問題は、紛らわしい選択肢もなく、年代や固有名詞に注意していれば、それほど迷わず正解を絞り込めたのではないだろうか。1,800語を超える長文であるため、本文を読み返す余裕はない。英文を読む前に素早く設問に目を通して、どこに(どんな内容に)注意して読めばいいかを意識しながら読み進めることで、時間短縮を図りたい。
Ⅱ:長文読解(仕事の中断の要因とその影響 )[標準]
約1,200語の論説文で、Ⅰと同様に読みやすい英文ではあるが、1,000語を超える長文なので速読速解力が求められる。
Ⅱ-1の英文和訳は原級比較 as 〜 as … と be likely to …(…しそうである)の組み合わせを理解して訳すことがポイントだった。Ⅱ-2の和文英訳は日本文から構文が浮かびやすく、基本的な語彙で表すことができるものであった。Ⅱ-3の英文和訳は、長めで節も多いので、修飾関係を見きわめ、文構造を捉えて訳すことに注意したい。意味的にはすぐ前の2文で例えられている内容を説明している部分であることがヒントになったかもしれない。Ⅱ-4 の内容説明問題は最終段落の要約に近く、制限字数内にまとめるのに苦労したと思われる。Ⅱ-5 の語句補充選択問題は、空所の前後関係から判断できたが、3の opening a steam valve は文字通りの意味に捉えると迷ったであろう。Ⅱ-6の内容一致選択問題は選択肢8つから2つを選ぶものであったが、紛らわしい選択肢はなかった。

 

■合否の分かれ目
2023年度から語数は減ったが、設問形式に特に大きな変化はなかった。長い英文を、パラグラフごとの概要を掴むことを意識しながら集中力を切らさずに読み切り、記号問題について設問の関連部分を素早く探し出すことが不可欠。基本的な内容一致選択問題や、文〔語句〕補充問題など、確実に得点できる問題を落とさないようにすることが重要であった。記述式の問題では、和文英訳・英文和訳はいずれも無理のない難易度であるだけに、高得点を目指したい。

※東京工業大学は東京医科歯科大学との統合が決定していますが、新大学当初は、現大学と同等の入学者選抜試験を実施するという大学からの発表に従い、以下は現東京工業大学の入試に基づく内容を記載しています。

 

■東工大英語の要求
要求① 文法・語彙知識
かなり長い英文を読むことになるが、闇雲に難しい内容・構文の英文ではない。確固たる文法知識を身に付けて速読速解力を高め、最後まで集中力を切らさず英文を読み通すことが肝要。語彙に関しては、辞書で2番目、3番目に挙げられている意味までチェックしておきたい。やや専門的な単語も見られるので、東工大で過去に出題されている英文のテーマを参考に、幅広い語彙力を構築しよう。
要求② 構文知識
正確な文法知識と豊かな語彙力だけでなく、構文知識も必要になるのが和文英訳や英文和訳である。難しい構文を覚える必要はなく、平易なものでよいので、自分で正しく使いこなせる構文を身に付けておきたい。過去問などを解く際、第三者の添削を受けながらリライトを重ね、本番までに完璧に書けるようにしていこう。
要求③ 精読と速読の両立
毎年出題されている内容理解を問う問題では、漫然と英文を読み通しただけでは正解にたどりつけないし、英文が非常に長いので、じっくりと読み込む時間はない。まず設問に目を通して、問われる内容を確認した上で英文を読み、キーワードやトピックセンテンスに印を付けながら論の展開を追う、パラグラフごとに自分で要約しながら読む、というように精読と速読を両立させることが重要である。

 

■東工大英語攻略のために
基礎力の完成
標準レベルの文法問題集を1冊仕上げて、文法を固めよう。さらに、要求②・③をクリアするために、さまざまな和訳や英訳の問題を解き、身に付けた知識を徐々に実用的なものにしていく必要がある。
レベルUP
速読力・精読力を養うことは必須となる。要求③の精度を上げるため、ネットで海外サイトのニュース記事を読むなど、1,000~2,000語の長い英文にまずは慣れることから始め、集中力を切らさず早く読むことを目指そう。また、内容説明問題への対策もしっかり講じておきたい。
東工大レベルの演習
入試本番を想定した演習に取り組む時期には、要求①~③の完成を目指す。過去問など、東工大英語に即した問題で演習を重ねよう。自分に合った時間配分や解き進め方を意識して、本番で最大限の力を発揮できるよう最後までしっかり対策すること。

 

 

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