教育&入試トレンドニュース【2022年3月号】

2022年3月1日

カテゴリー : 教育情報全般

さまざまな教育ニュースを毎月配信する「教育&入試トレンドニュース」3月号です。

主なニュース

【国立大受験は「6教科8科目」が原則に】

1月28日、国立大学協会が2024年度以降に実施する国立大学の入学者選抜について、基本方針を公表しました。2022年度に始まる高校新課程に合わせ、2025年1月実施の共通テストから、国語、数学、英語等と同じ基礎的な教科として「情報」が加わります。また、すでに多くの大学では数理・データサイエンス・AIが文系・理系を問わず、全学生が履修すべき基礎的科目と位置づけられてきています。それをふまえて2025年度入学者の選抜より、国立大学の1次試験では従来の「5教科7科目」に「情報」を加えた「6教科8科目」を課すのを原則とすることが決まりました。
一般選抜に関して、共通テストと個別学力検査を組み合わせた実施形態や、試験日程を前期と後期に分けて設定する「分離分割方式」はこれまで通り維持されます。いっぽうで、一定の学力を担保したうえで出願書類、面接、プレゼンテーションなど学力試験以外の多様な評価方法を活用する「総合型選抜」や「学校推薦型選抜」をさらに加速・拡大していく方針。それらによって蓄積される経験とノウハウを、一般選抜を含めたすべての入学者選抜に波及させるとしています。

(参考)
▼「国立大学協会の基本方針」の公表および「会長談話」の発表について (国立大学協会)

 

その他のニュース

◆2月4日:関西外国語大学(大阪府枚方市)は、2023年4月に「国際共生学部(仮称)」、外国語学部に「英語・デジタルコミュニケーション学科(仮称)」を新設する構想をHP上で公表しました。新学部の開設は、2011年の英語キャリア学部以来です。国際共生学部(定員100人)では、入学から卒業まで全ての科目をオールイングリッシュで学修。欧米などからの留学生との4年間の共学を実現します。

(参考)
▼2023年4月 新学部・新学科を新設予定(設置構想中)

 

◆2月7日:中央大学経済学部は高校生を対象とする「科目等履修生」の出願受付(2022年度)を始めました。審査料や履修料などはすべて無料。科目等履修生が受講できる科目は、多摩キャンパスでの「経済入門」。一定以上の成績を収めれば経済学部が独自に行う「高大接続入試」の出願資格の一つに認められますし、高校時代に修得した単位は経済学部に入学した後、大学の単位として認定してもらうこともできます。

(参考)
▼【高校生向け】経済学部科目等履修生の募集のお知らせ (中央大学)

 

◆2月7日:国立大学協会がコロナ禍での海外からの留学生受け入れについて国民の理解を求める異例の会長談話を発表。昨年11月末に外国人の新規入国が原則停止され、多くの留学生が来日できない状況が長期化しています。このままでは世界的な人材獲得競争に出遅れてしまうという声も。政府は3月以降、入国制限を段階的に緩和する方針ですが、すべての留学生が入国できるようになるまでには時間がかかりそうです。

(参考)
▼「国民の皆様へ 未来ある留学生の受け入れについて(お願い)(会長談話)」の公表について (国立大学協会)

 

◆2月15日:兵庫県芦屋市は、経済的に進学が困難な若者に対する市独自の支援金制度の改正にともなう条例案を市議会に提出しました。芦屋市は2017年、大学等の入学金相当額を支援する制度(上限20万円)を設けましたが、2022年度からは入学金に加えて受験料も支援できるように改められます。給付されるのは3校分までで、1校あたり3万5千円が上限。受験生1人当たりの上限額は10万円です。

(参考)
▼芦屋市議会 市長提出議案 (芦屋市)

 

◆2月16日:2021年度の医学部医学科の入学者選抜で、女性の平均合格率(13.60%)が男性の合格率(13.51%)を初めて上回ったことが文部科学省の調査によってわかりました。2018年、複数の大学の医学部で女性や浪人に不利な扱いがされてきたなどの不正事例が相次いで発覚。その後、公正確保に向けた取り組みが進められています。なお、発覚以前の2013~2018年度の合格率は男性11.25%、女性9.55%で、男性のほうがかなり高くなっていました。

(参考)
▼医学部医学科の入学者選抜における公正確保等に係る調査について (文部科学省)

 

◆2月17日:東京都教育委員会が2021年度までの東京都中学校英語スピーキングテスト事業の取組状況を公表。このテストはタブレット端末を使用し、解答の音声を録音する方式です。2021年度には都内すべての公立中学校(592校)の3年生、約6万4千人を対象にプレテストが実施され、さまざまな検証が行われました。今年11月27日(日)に実施されるスピーキングテストからが本番で、その結果は来春の都立高校入学者選抜に活用されます。

(参考)
▼中学校英語スピーキングテスト(ESAT-J)の取組状況について (東京都教育委員会)

 

◆2月22日:文部科学省が2022年度の国公立大学入学者選抜の確定志願状況を発表しました。国公立全体の募集人員98,635人に対し、志願者は428,657人。志願倍率は昨年と同じ4.3倍です。学部系統別に見ると、薬・看護系学部が5.1倍(昨年は5.2倍)と高い人気を維持しています。一方で、教員養成系学部の志願倍率は3.5倍(昨年は3.6倍)。教員の過重労働などが問題となっていることもあり、近年の倍率は低迷しています。

(参考)
▼令和4年度国公立大学入学者選抜の確定志願状況 (文部科学省)

 

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