教育＆入試トレンドニュース【2021年12月号】

2021年12月1日

さまざまな教育ニュースを毎月配信する「教育＆入試トレンドニュース」12月号です。

主なニュース

【専門職大学５校が設置認可申請】

11月11日、文部科学大臣は10月末に申請のあった令和５（2023）年度開設予定の大学等の設置認可について、大学設置・学校法人審議会へ諮問しました。今回、申請のあった７校のうち５校は、東京情報デザイン専門職大学（東京都江戸川区）などの「専門職大学」です。なお、大学の設置申請は１件もありませんでした。
専門職大学は、ふつうの大学とは異なり、特定の職種・業界と直結する実践的職業教育に重点を置く新しい高等教育機関です。カリキュラムで実習のウェイトが高い、実務家の教員が多い、40人以下の小人数で教育が行われるといった点に特色があります。2019年度に初めての専門職大学として国際ファッション専門職大学（東京、名古屋、大阪）、高知リハビリテーション専門職大学が開設されてから、今年でまだ３年目。
現在、日本全国にある専門職大学は14校（公立２校、私立12校）にとどまります。（その他に、専門職短期大学が３校。）800校近く存在する大学に比べるとかなり少ないですが、昨年（2020年）以降に開設が認可された高等教育機関の数については、専門職大学が通常の大学を上回ります。今後、学校数が増えていけば、専門職大学の認知度もさらに高まっていくでしょう。

（参考）
▼令和３年10月末申請の大学等の設置認可の諮問について　（文部科学省）

その他のニュース

◆10月22日：立教大学は2023年４月、現在のコミュニティ福祉学部スポーツウエルネス学科を改組し、スポーツウエルネス学部（仮称）を設置する構想を発表しました。新学部では既存のスポーツウエルネス学科での実績を基盤に教学内容を発展・充実させ、「すべての人の生きる歓びのために」を理念としたカリキュラムを計画。スポーツに興味・関心がある優秀な人材を集めて育成するとしています。

（参考）
▼スポーツウエルネス学部（仮称）の構想　（立教大学）

◆10月25日：千葉商科大学が2021年10月中旬に実施した学部入学者選抜で「自宅等でのオンライン面接」「地方会場でのオンライン面接」「大学での対面面接」を自由に選べるようにしたところ、受験生の半数近く（46％）がオンライン面接を選択したことがわかりました。オンライン面接を選ぶのは地方在住者のように思われがちですが、実際には６割以上を首都圏の在住者が占めています。

（参考）
▼受験生の４６％がオンライン面接を選択　（千葉商科大学　株式会社ZENKIGEN）

◆11月４日：岐阜県飛騨地方初の私立四年制大学として2024年4月の開学を目指す飛騨高山大学（仮称）の告知ＨＰがオープン。翌日には学長候補の宮田裕章氏（慶應義塾大学教授）とキャンパス設計者の建築家・藤本壮介氏が記者会見を行いました。構想では本部を含め全国11カ所に拠点を設け、横断的かつ幅広い視点で地域課題にイノベーションを発揮する人材の育成を目指すとしています。

（参考）
▼仮称　飛騨高山大学　（一般社団法人飛驒高山大学設立基金）

◆11月８日：今年４月に入学したのに新型コロナウイルス感染防止の観点から日本に入国できず、母国でオンライン受講を続ける外国人留学生はかなりの数に上ります。この日から、文部科学省の審査を受けることを条件に、ようやく段階的に入国が認められることに。ところが変異株の拡大を受けて、政府は再び11月30日からの新規入国停止を発表。外国人留学生にとって悩ましい状況はまだ続きそうです。

（参考）
▼大学等における私費外国人留学生の入国再開について（周知）　（文部科学省）

◆11月10日：全国大学生活協同組合連合会が「2021年度保護者に聞く新入生調査」概要を公表しました。保護者の回答によると、大学受験から入学までにかかった費用は、最も安い「自宅生で国公立」の場合でも約142万円、自宅外通学なら200万円を超えています。細かい内訳を見ると、受験先を絞りこむ傾向を反映して受験料は前年比で減少していますが、教科書・教材の購入費用は逆に増加しています。

（参考）
▼「2021年度保護者に聞く新入生調査」概要報告　（全国大学生活協同組合連合会）