教育&入試トレンドニュース【2022年2月号】
2022年2月1日
カテゴリー : 教育情報全般
さまざまな教育ニュースを毎月配信する「教育&入試トレンドニュース」2月号です。
主なニュース
【共通テスト 数学Ⅰ・Aの平均点は過去最低に】
2年目となる大学入学共通テスト(本試験)が1月15日、16日に行われました。1月21日に公表された中間集計(2回目)によると、数学で最も受験者の多い数学Ⅰ・Aの平均点は100点満点の37.96点。昨年の平均点に比べ約20点も低く、共通テストの前身であるセンター試験の時代を含めて過去最低になりました。また、やはり多くの受験生が受けた数学Ⅱ・Bの平均点も、昨年より約17点も低い43.06点。
数学Ⅰ・Aではあまり見たことのない問題、解答の方針が立てにくい設問が目立ちました。また、数学Ⅱ・Bも問題文が非常に長く、時間内に答えきるのは難しかったと見られます。数学が難しすぎるという受験生の悲鳴は、試験終了直後からSNSなどにあふれました。
ここまで平均点が下がると、本来の趣旨である「基礎学力を判定する試験」と言ってよいのか、また、生活の具体的な局面と関連づけるのにこだわるあまり、かえって不自然で現実離れした問題になっているとの指摘も出ています。暗記力ではなく思考力を重視するという方向性は明確になっていますが、出題のあり方や難易度についてはさらに細かい検証が必要になってきそうです。大学入試センターは2月以降、各教科の問題の評価・分析を進める予定です。
(参考)
▼報道発表 (大学入試センター)
その他のニュース
◆12月17日:麻布大学が大学院修士課程1年次の開講科目を学部4年次に履修できる制度を始めたと発表。この制度で大学院の単位を先取りすると、通常2年間の修士課程を1年で終えることも可能になります。特定分野で優れた資質をもつ学生の才能を伸ばすねらいで進める「出る杭を引き出す教育プログラム」の一環。2023年度からは高校生が大学の授業を受け、入学後に単位として認定されるしくみも開始予定です。
◆12月27日:教育と社会との接続の多様化・柔軟化を推進するために設置された教育未来創造会議の初会合が首相官邸で開かれました。議長を務める岸田首相は、直ちに取組を進める事項として、「人材育成への投資や大学等の機能強化」「デジタル技術を駆使したハイブリッド型教育」「大学の経営改革」の3点をとくに挙げました。今年の初夏までに第一次提言が取りまとめられる予定です。
(参考)
▼教育未来創造会議 (首相官邸)
◆1月11日:オミクロン株の急速な感染拡大を受け、文部科学大臣は国公立大学に対し、新型コロナウイルスの影響で大学入学共通テストの本試験や追試験を受けられなかった受験生についても、個別試験の結果などで合否判定するよう要請することを明らかにしました。共通テストの数日前というタイミングで異例の要請を受け、各大学は対応に追われることに。
(参考)
▼文部科学大臣記者会見録(令和4年1月11日) (文部科学省)
◆1月12日:和歌山県教育委員会は、日本初の民間ロケット発射場建設が進む串本町にある県立串本古座高校に、宇宙専門コースを新設すると発表。今年の入学者から宇宙関連学習を実施し、2024年度に宇宙探究コースを新設する計画です。宇宙に関心を持つ生徒を県内外から呼び込み、地域の活性化に繋げていくねらい。公立校に宇宙専門コースが開設されるのは全国でも初めてです。
(参考)
▼串本古座高等学校における宇宙専門のコースの新設について (和歌山県教育委員会)
◆1月13日:追手門学院大学(大阪府茨木市)は2023年4月に法学部を新設する構想を明らかにしました。現在は心理・社会・経済・経営・地域創造・国際教養の6学部ですが、今年2022年4月から国際教養学部が国際社会で活躍する人材を育成する国際学部、人文系の研究・教育に特化する文学部に分かれます。来年春に法学部が新設されれば、人文系・社会系の学問分野を広くカバーする8学部体制が実現することに。
(参考)
▼法学部(仮称・設置構想中)を新設へ (追手門学院大学)
◆1月14日:北海道大学は昨年末に策定した「2040年に向けた国際戦略」をウェブページで公開しました。2040年に目指すべき大学の姿を描いたうえで、外国人留学生・研究者の受け入れ促進、魅力的な国際協働共修環境の推進、サステナビリティ関連分野での貢献など、柱となる4つの戦略目標を明示。世界の中での存在感を高めることが生き残りのカギと見て、国内の主な大学はこぞって国際戦略の強化を図っています。
(参考)
▼2040年に向けた北海道大学の国際戦略 (北海道大学)
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