「地理B」2018年度センター試験分析

2018年度センター試験分析速報

■分量と難度の変化(地歴公民…時間/配点: 60分 / 100点 )
・大問6題、小問数(マーク数)35は昨年度と同様。分量も昨年度並みである。
・難易度は読み取りやすい資料が多く見られたため、やや易化した。とはいえ、例年通り数多くの資料が提示され、時間の割にはボリュームのある内容であるため、センター試験の難易度としては標準といえる。

■今年度入試の特記事項
・昨年度同様、大問テーマは「自然環境」「産業」「都市・村落、生活文化」「地域調査」と「地誌」が2題(「国・地域単位での総合的な地誌」と「3カ国の比較地誌」)が出題された。
・昨年度の第2問は農林水産業と鉱工業から出題されたが、今年度は「資源と産業」のテーマ名は変わらないものの、鉱工業を中心に、農業技術の変化やサービス業の立地など、幅広い分野からの出題であった。
・一昨年度から出題された第5問の2カ国の比較地誌は、北欧3カ国の比較地誌に変化した。
・スマートフォンやアニメが取り上げられるなど、日常的な題材からの出題が見られた。
・第4問、第6問で観光に関する出題が見られた。
・資料の内容の理解だけでなく、その資料から何が読み取れ、推測されるかという一歩踏み込んだ読み取りが求められる資料が散見された。
・ハイサーグラフや雨温図を用いた出題は見られなかった。
・昨年度出題が見られた、資料を用いた年代整序問題の出題は見られなかった。
・昨年度第3問と第6問で小問数と大問の配点に変化が見られたが、一昨年度の小問数・配点に戻った。

■差がつくポイント
・「地誌」が2題出題されているので、地誌対策が万全であったかで差がついたと思われる。
・初見の資料が多いので、日頃から資料を意識した対策を行い、資料を短時間に正確に読み取ることができたかで差がついた。
・様々な項目の分布を、地図上に落とし込むことができているかで差がつく問題が多く見られた。

■大問別ポイント
  第1問  
・4年連続で「世界の自然環境と自然災害」をテーマとする出題であった。教科書で頻出の内容や基礎的な内容が多く取り上げられたため、全体としてはやや易の大問といえる。「自然災害」の分野では、今年度は砂漠化、エルニーニョ現象と、地球的環境問題に関連した災害に関する出題であった。
・問2のパトス湖は教科書や資料集ではあまり見かけない例であるが、その他の死海、レマン湖の主な成因から正解を導き出すことは可能である。
・問4は、Hの線が地域ごとにどの気候区分に当たるかを思い浮かべながら取り組みたい。選択肢1がCwかAwかAfかわからなくても、「冬季の豊富な降水」に該当しないことに気づきたい。
・問6はエルニーニョ現象の発生要因だけでなく、気象への影響も問われている。キは図から共通して多雨地域であることが読み取れれば難しくはない。

   第2問  
・昨年度同様「資源と産業」というテーマであるが、昨年度の鉱工業と農林水産業からの出題から変わり、今年度は鉱工業を中心として農業技術の発達や日本のサービス業の立地を問うなど、幅広い内容の出題であった。また、スマートフォンや農業技術を題材にするなど、普段の生活と地理とのつながりを問う内容も多く見られた。資料問題は比較的読み取りやすいものであった。
・問2の半導体生産は交通指向型工業と説明されることが多いため、戸惑うかもしれないが、リード文の「人件費が安価」であることから判定したい。
・問6はまず日本のどの地域に事業所が集中しているかを判別してから問題にとりかかりたい。サは太平洋ベルト地域、シは北海道・東北・九州、スは三大都市圏に集中することがわかれば、各サービスの特徴と結び付けて解答することが可能である。

  第3問  
・テーマ名が「生活文化と都市」となり、宗教、気候と衣服、人口と都市に関する出題であった。小問数が5から6に戻ったが、標準的なレベルの大問である。
・問2は世界の気候・風土に合わせた衣服に関する組合せ問題であった。文章を丁寧に読み込んで確実に解答したい。
・問4は、都市人口率は欧米諸国で多いこと、インドには人口1,000万人を超える大都市が複数見られることから首位都市の人口割合は低くなると考え、解答を導き出したい。

  第4問  
・「西アジア地誌」をテーマとして出題された。対策が不足になりがちな地域であり、内容も自然・文化・社会・産業と幅広く、やや詳細な知識を必要とする出題も見られたが、地誌としては標準的な大問である。
・問3はイスラエル以外の判別が難しかったと思われる。レバノンではカトリックの一派であるマロン派が多いことも押さえておきたい。
・問4は西アジアに原油産出国が集中することから、1人当たりGNIと輸出額に占める石油・石油製品の割合が高い国をセットにして判定したい。GDPに占める農林水産業の割合は、野菜・果実の生産量が多いトルコで高位になることから考えたい。

  第5問  
・昨年度までは2カ国の比較地誌であったが、今年度は「北欧3カ国の比較地誌」となった。多くが各国の基本情報に基づく出題であったが、各国の発電エネルギー源割合の内容や、アニメーションと言語を結びつける問題など、一歩踏み込んだ知識を必要とする出題もあり、点差が開く内容であったと思われる。
・問2はカとクの判別が難しい。環境面への配慮や、近隣諸国とのつながりから判定したい。
・問3の貿易に関する問題は、図から原材料と燃料の割合の高さからスが北海油田を持つノルウェー、表からロシアとの貿易が見られるサがロシアの隣国フィンランドと判断できる。
・問4ではアニメーションの舞台となった国と言語を組み合わせる出題であった。チのバイキングが海上から各地を侵攻した人々を指すことから、北海・ノルウェー海に面したゲルマン語派のノルウェーが該当し、同じくゲルマン語派のスウェーデン語に類似したAがノルウェー語と判断でき、それ以外の組合せがフィンランドであると選択できる。

  第6問  
・「岐阜県高山市の地域調査」をテーマとして出題された。 地形図・写真・統計地図と多様な資料問題が出題されたが、例年通りのオーソドックスな形式で、基本的に読み取りやすい資料だったため、難易度はやや易であった。小問数は7から6に減少し、新旧地形図の比較問題は出題されなかった。
・問1は内陸部で気温の年較差が大きくなることや、太平洋側は冬季に晴天の日が多いことから判断したい。
・問2・3は高山市内の標高差も加味して解答する問題であったが、丁寧に読み解けば解答できる。

 

高1高2生へのアドバイス

●センター試験・個別試験の両方で地理が必要な場合
個別試験対策がセンター対策につながる!
・高1・高2のうちは、Z会の通信教育の本科「高校理科地歴コース 地理」を受講して、高校地理の範囲を一通り終えておくことをお勧めしたい。受験生になっても、スムーズに個別試験対策に取り組め、結果として、センター対策も有利になることだろう。
・個別試験のために必要な地理の知識・資料読解力はセンター試験でも必要とされるので、受験生になったら、夏休みの終わりまでに全範囲の学習を終えることをめざして、知識の整理・習得と演習を並行して進めよう。知識の習得には、Z会の通信教育の本科「東大コース 地理」「難関国公立コース 地理」やZ会の映像「東大地理」を、センター試験の形式に慣れるには、通信教育の専科「センター攻略演習セット」の受講をお勧めしたい。
・Z会の通信教育の本科講座では「必修テーマ」「添削問題」を通じて、地理の基本知識を習得し、資料の読解方法の基本を押さえることができる。映像「東大地理」も、授業を通して、各分野の重要ポイントや資料の読解方法を身につけることができる。
・その上で、Z会の通信教育の専科「センター攻略演習セット」を用いて、センター地理特有の出題形式に対応できるようにしておこう。さらに、直前に本番形式でまとまった数の問題をこなしたい人は、直近5カ年程度の過去問や『センター試験実戦模試 地理B』(Z会)などで、実戦形式の演習を重ねていくとよいだろう。

●センター試験のみで地理が必要な場合
高3の夏休みの終わりまでに地理の学習範囲を全て終わらせよう!
・センター試験は、高校地理の全範囲から出題される。高3の夏休みの終わりまでに全範囲の学習を終え、その後は実戦的な問題演習に充てるのが理想である。『はじめる地理 要点&演習』(Z会)などを利用して、センターに必要な知識の習得に努めよう。
・センター試験の最大の特徴は、数多くの資料が出題されることである。解答に必要なポイントを資料から素早く読み取る力を身につけておくことが必要である。日頃から教科書などの資料をチェックし理解しておくことを心がけよう。
・加えて、センター特有の形式に慣れつつ、効率的にセンター試験攻略に必要な力を身につけることができるZ会の通信教育「センター攻略演習セット」を受講し、問題演習を重ねていくことをお勧めしたい。また、Z会の映像「センター講座:地理」では、講師が重要ポイントや資料問題の解法をわかりやすく伝授してくれるので、地理学習に自信がない人には受講をお勧めしたい。

 

難関大合格には、センター試験での高得点獲得が必須です。「センター試験の問題は教科書レベルだから何とかなる」「対策は直前でも間に合う」というのは、大きな誤解。センター試験は科目数が多いため、個別試験の勉強と併行して早めの対策が必要です。本講座では、センター試験本番で9割得点することを目標に、必要な力を段階的に身につけていきます。
6教科17科目セットなので、必要な科目すべての対策はもちろん、苦手科目や分野に絞った対策も可能。節目ごとに実力を診断しながら、効率よく得点力アップがはかれます。

▼「センター攻略演習セット」地理担当者からのメッセージ 
・今年も大問2題が地誌でした。詳細な地名や事柄が出され、戸惑った受験生も多かったと思います。グローバル化した社会で生きていくには、諸外国との相互理解が必要です。そのためにも地誌学習は今後も重要になります。学校の授業では後回しにされがちな地誌の範囲ですが、早くからの地誌対策が、ライバルに差をつけます。
・初見の資料が多く、膨大な資料に圧倒された人も多いかと思います。しかし、センター試験の資料をよく見ると、意外と基本的な図表を理解していれば判読できる資料が多いのです。例えば第5問の問1で出題された3カ国の気候に関する問題は、スカンディナヴィア山脈や北大西洋海流の位置を教科書や地図帳の図で理解していれば、標高や年較差の判定はできたはずです。日頃の地理の学習において、地図を用いた学習は、センター試験対策において本当に大切ですので、つねに位置を確認することを怠らないようにしましょう。
・センター地理の攻略には、地理の基本知識と資料の読解力を習得し、問題演習を重ねることでセンター試験特有の形式などに慣れることが必要です。ぜひ、Z会の通信講座などを活用して、本番で高得点を取れるような実力をつけてください。これから、Z会で一緒にがんばっていきましょう!!