「国語」2018年度センター試験分析

2018年度センター試験分析速報

 

■分量と難度の変化(時間/配点:80分/200点)
全体の難度は昨年度よりやや易化したが、センター試験としては標準的な出題である。時間に対しての負担感も標準的なもので、演習を積んだ受験生にとっては時間的な余裕も確保できたと思われる。

■今年度入試の特記事項
・一部に新傾向の出題が見られるものの、センター試験としてはオーソドックスな難度の出題。
・第1問(評論)は問題文中に図(写真)が2つ引用され、問3で図に関する生徒の対話に当てはまる内容を選ぶ設問が出題された。〈文章と図表・写真を関連付けた理解〉〈言語活動の充実〉など「大学入学共通テスト」で求められる力を意識したといえる、新傾向の出題であった。

■差がつくポイント
・第3問(古文)は、論理的読解が求められる評論からの出題。本居宣長の「物のあはれ」について論じる文章を読んだことがあれば、本文の論旨を把握しやすかっただろう。日頃の演習の中でさまざまな文章ジャンルに取り組んでいるかどうかで差がつく。
・第4問(漢文)は、身分が低い者が高い者に進言する、という漢文では頻繁に見られる展開を把握できれば、本文の大枠はつかめただろう。ただし、登場人物がどのような内容の発言をしているのかを正確に理解しないまま各設問に取り組んでしまうと大きな失点につながる可能性がある。

■大問別ポイント
 現代文(評論)  出典:有元典文・岡部大介『デザインド・リアリティ――集合的達成の心理学』
・人間が存在する上で本質的に行う、環境の「デザイン」とそれによる「現実」の変容について論じた文章。問題文の分量は昨年度より若干増加したものの、具体例が多く読みやすい文章であった。
・問2、問4、問5など選択肢の分量が多く、問題文の記述と照らし合わせて効率よく選択肢を吟味する力が今年度も問われた。具体例をもとに、筆者独自の概念・キーワードの意味を的確に押さえることが重要である。
・新傾向の問3は、問題文の趣旨と対話の流れの両方を落ち着いてとらえれば、正答を選ぶのは難しくない。

 現代文(小説)  出典:井上荒野「キュウリいろいろ」
・難度としては標準的で、文章を丁寧に読んでいけば解答にたどり着けるが、子と夫に先立たれた女性の心情という受験生には馴染みの薄い内容だったため、読みにくさを感じた人も多くいたと思われる。
・傍線部前後だけでなく、全体の心情の流れを押さえて解答を選択する、という小説読解の基本に忠実に対応することが、確実に得点をしていくために必要である。
・問1の語句の意味を答える設問は、文脈だけに頼ると失敗する。あくまでも辞書的な意味を踏まえて答えることが大切。
・問5は問題文の描写から一歩踏み込んだ解釈をもとに解答を見極める必要があるため、やや難しい。

 古文  出典:本居宣長『石上私淑言』
・近世の歌論からの出題であり、文章自体は比較的平易で読みやすいが、現代文の評論に取り組むときと同様に、本文中の根拠を意識して選択肢を吟味することが求められる。
・問2の文法事項を問う設問は、適当でないものを選ぶという形式は目新しいが、標準的な難度の出題。
・文法・古語といった知識事項を問う設問は問1、問2のみで、問3以降は文章全体の論理展開を踏まえ、本文中のどの箇所に着目すべきかを見極めることが要求される読解問題であった。
・古文での論理的文章の読解経験があるかどうかで差がつく出題であり、例年のような物語・説話の出題を予想していた受験生には解きづらく感じられたと思われる。

 漢文  出典:李■『続資治通鑑長編』(■は「壽」に「れっか」)
・南宋の歴史書『続資治通鑑長編』からの出題で、君臣の関係について論じている。大意は把握しやすいものの、登場人物の発言の細部まで正確に理解したうえで個々の設問に取り組むことが求められた。
・問1は漢字の意味の正しい組み合わせを問う出題。漢字の読みは出題されなかった。
・問3は白文の書き下し文と解釈を問う出題。白文を見て比較と否定の構文を見抜く必要がある。
・問5、問6は文章全体の内容を理解し、どのような見識によって嘉祐が称賛されたのかを読み取ったうえで、選択肢を吟味する必要がある。

 

高1高2生へのアドバイス

 ●幅広いジャンルの文章に対応できる力を養おう
・本番でどのような文章が出題されても対応できるように、早い時期から問題演習を重ねて多くの問題に触れておくことが重要。一部に目新しい出題も見られるものの、基本的にセンター国語の演習経験を積むことによって問題なく対処できる範囲のものである。とくに「大学受験生向けコース」の本科では、「必修テーマ」を通じて古文・漢文の基礎知識や評論の入試頻出テーマを体系的に押さえられるため、センター試験・個別試験の両方に対応する力を養うことができる。
・古文単語や漢文句形などの知識事項は、高3までのなるべく早い時期に固めておきたい。加えて早期からセンターを見据えた学習に取り組む場合は、Z会の映像 センター試験対策映像授業『現代文/古文・漢文 標準編』などを活用し、大問別・出題パターン別の出題傾向と基本的な取り組み方を一通り習得しておくとよいだろう。高3からはZ会の通信教育の専科「センター攻略演習セット」でセンター形式の問題演習を重ね、直前に本番形式でまとまった数の問題をこなしたい人は、さらに『センター試験実戦模試 国語』(Z会)を使うとよいだろう。

 

難関大合格には、センター試験での高得点獲得が必須です。「センター試験の問題は教科書レベルだから何とかなる」「対策は直前でも間に合う」というのは、大きな誤解。センター試験は科目数が多いため、個別試験の勉強と併行して早めの対策が必要です。本講座では、センター試験本番で9割得点することを目標に、必要な力を段階的に身につけていきます。
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▼「センター攻略演習セット」国語担当者からのメッセージ  
・2018年度のセンター国語は、「受験生の努力を正当に評価し、実力の差を得点に反映させたい」という出題側の姿勢が、例年以上に感じられる出題でした。つまり、正確な知識の習得・運用の蓄積と、幅広い文章ジャンルの読解経験の有無により、はっきりと得点差がつく出題でした。
・センター国語では、年度による難度の差や、出題される文章ジャンルにばらつきが見られます。「去年易しかったから、今年も何とかなる」「このジャンルの文章は出ない」と断定して、対策を怠ることこそ、最も避けるべきです。どのような出題でも、難しいときには難しいなりに、易しいときにも取りこぼしなく、慌てずに実力を発揮できるかが、問われるのです。
・「自分を信じる力」を本番で維持できるか、一番大事なのはそこです。そのためには、良質な演習の積み重ねが大事です。高2生の皆さんも、入試まであと1年しかありません。早い時期から、さまざまなレベル・ジャンルの問題に触れて、万全の対策を進めておきましょう。「何でもドンと来い!」というゆるぎない自信をもって来年の本番を迎えてください。Z会が皆さんをバックアップします。