「生物基礎」2018年度センター試験分析

投稿日時:2019年9月9日

2018年度センター試験分析速報

  ■分量と難度の変化(時間/配点:2科目60分/2科目100点[1科目50点]) マーク数は同じだが、考察問題の図表などのためにページ数が増えた。負担感はやや増えたといえる。 ■今年度入試の特記事項 第3問に考察問題がみられたが、全体的に知識重視の出題である。 ただし、生物用語とその意味だけでなく、教科書に登場する数値や図を正確に理解しておかないと解けない問題もみられ、その部分に詰めの甘さがあると、得点を取りこぼしただろう。 ■差がつくポイント ・第1問 問5 選択肢は長く、研究史上の事実としてはどれも正しい。落ち着いて、設問の要求「形質の遺伝を担う物質がDNAであることを明らかにした成果」に沿うものを正しく判断できたかどうかが分かれ目である。 ・第2問 問5 交感神経が活動時に働くことは理解していても、活動時の内分泌系の働きという視点で考えることはあまりなかったかもしれない。活動時はエネルギーを要求することに気づきたい。なお選択肢個々を正誤判断することからも解答できる。 ・第3問 問2 「代償植生」は教科書にないが、必要な情報はすべてリード文・設問文にある。リード文と図の正確な読解と、日本のバイオーム分布の正しい理解が問われた。 ■大問別ポイント 第1問 「生物と遺伝子」からの出題である。Aは細胞小器官と代謝、Bは遺伝子の本体に関する出題であった。 リボソーム、小胞体など生物基礎では学習しない語が選択肢に出てきた。他の部分を学習した内容から判断することで解答可能であったので、戸惑わないようにしたい。 第2問 「生物の体内環境の維持」からの出題である。Aは体液と循環と腎臓の働き、Bは自律神経とホルモンの働きに関する出題であった。 体液の正確な知識を問う出題がここ数年続いている。確かな知識があればそう難しくない大問であった。 第3問 「生物の多様性と生態系」からの出題である。Aはバイオームと土地利用、Bは遷移と作用・環境形成作用に関する出題であった。 問1は昨年度以上に正確な気候とバイオームの関係の理解が問われた。 問4は選択肢を先に読んだ方が効率よく解答できただろう。

高1高2生へのアドバイス

・全範囲から満遍なく出題される。 →教科書の全範囲について満遍なく理解することは容易ではない。まずは全範囲について見直しを行い、理解が不十分な箇所は、なるべく早くつぶしておこう。 ・詳細な知識が問われる。 →文章の正誤判断での出題が多いため、選択肢内の文章すべてについて誤りがないかどうかを正確に判断する必要がある。一見正しそうだが細かい表現に誤りがある選択肢にはとくに気をつけたい。 ・教科書レベルの図まで押さえよう。 →第2問の問1は相対的な血球数、第3問の問1はバイオームの分布図を覚えていないと正誤判断できない選択肢があった。主な図・グラフについては、描いて覚える勉強法をぜひ取り入れてほしい。また第3問問2・4では、図表も踏まえた考察問題が出題された。教科書掲載の観察実験やその結果などを見る際は、どこに注目してどんな結論を導くのかを意識して、考察問題に当たる力を養いたい。 センター試験対策は、早い時期から取り組んでいこう。 高3になったら、遅くとも高3の夏にはセンター形式の問題に慣れるために、定期的な演習の時間を確保しよう。これによって生物基礎の基礎知識や入試頻出テーマを体系的に押さえられるため有効である。その上でZ会の通信教育の専科「センター攻略演習セット」を用いて、さまざまなジャンルの問題演習を重ね、本番でどのような文章が出題されても対応できるようにしておこう。さらに、直前に本番形式でまとまった数の問題をこなしたい人は、『センター試験実戦模試 生物基礎』(Z会)を使うとよいだろう。また、センター対策のできるテキストとして『解決!センター生物基礎』を活用して基礎力と応用力の両方を伸ばしてみよう。さらに、Z会の映像講座「生物基礎 標準編」は、『解決!センター生物基礎』をテキストとしており、組み合わせることによってさらに効果的にセンター生物基礎対策ができる。

  難関大合格には、センター試験での高得点獲得が必須です。「センター試験の問題は教科書レベルだから何とかなる」「対策は直前でも間に合う」というのは、大きな誤解。センター試験は科目数が多いため、個別試験の勉強と併行して早めの対策が必要です。本講座では、センター試験本番で9割得点することを目標に、必要な力を段階的に身につけていきます。 6教科17科目セットなので、必要な科目すべての対策はもちろん、苦手科目や分野に絞った対策も可能。節目ごとに実力を診断しながら、効率よく得点力アップがはかれます。

▼「センター攻略演習セット」生物基礎担当者からのメッセージ  ・知識重視の傾向が強く、教科書レベルの内容を満遍なく正確に理解していたかどうかで差がつきました。教科書の内容は、既に習得できていると思っていても、全てを網羅することはなかなか難しいものです。問題演習を重ねる中で、さまざまな出題パターンに慣れ、一度解いた問題は似た形式の問題が出たら必ず得点できるようしましょう。また、教科書に登場する図やグラフは、要点を押さえて白紙の紙に描けるようになると、得点力が上がるはずです。こちらもぜひ取り組んでみましょう。 ・知識重視であるとはいえ、考察問題が出題されないわけではありません。考察問題、計算問題というだけで苦手意識を抱く方もいるかもしれませんが、本番で高得点を獲得するのであれば絶対にはずせない問題です。Z会の通信教育専科「センター攻略演習セット 生物基礎」を手に取ってみてください。生物基礎の考察問題を解くための基盤つくりから演習、また、出題頻度の高い計算問題とその演習もあり、必ずお役に立ちます。

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