「数学I・数学A」2018年度センター試験分析

投稿日時:2019年9月9日

2018年度センター試験分析速報

  ■分量と難度の変化(時間/配点: 60分 / 100点 ) 難易度はやや難化した。全体の計算量は減ったが、公式に代入するだけでなく、考察が必要な問題が増えた。難しいと感じた受験生もいただろう。   ■今年度入試の特記事項 ・等号、不等号を選ばせる問題が、複数の大問で出題された。 ・選択問題の中では、第4問が解きやすく、第5問はやや計算量が多かった。 ・第2問[1]カ、キは、求めた数式から図形的な意味を読み取る問題で、新しいタイプの出題であった。   ■差がつくポイント 第2問[1]、第5問など、数式から図形的な性質を読み取る出題があり、いままであまりセンター試験では問われてこなかった内容にも対応できるようにしておきたい。 全体を通して、計算力よりも問題文や求めた結果を正しく読み取り、考察する力が問われる傾向が強くなってきている。   ■大問別ポイント 第1問[1] 次数の高い多項式が与えられたため、一番最初の問題ということで面食らった受験生もいただろう。 文字の置き換えなど、誘導に従って計算すればよいので、落ち着いて解けば難しくない。 第1問[2] 各小問が独立した出題である。2016年度の他の大問でも見られた傾向である。 (1)は集合の包含関係の問題で、「公式を使う」などと考えず、要素を丁寧に書き出してしまえば難しくない。 第1問[3] ここ数年易しい出題が多かったため、それらに比べると少し分量は増えた。1/aの計算に戸惑った受験生もいただろう。 第2問[1] 等式、不等式を選ばせる問題カ、キは、数式から図形的な性質を読み取らなくてはならず、難しかったかもしれない。 また、カ、キ以降を考える際も、図がかきづらいため、てこずった受験生もいたのではないだろうか。 第2問[2] 計算させる問題が減った分、分量は少なくなったが、2つのデータの比についての情報を、散布図に引かれた補助線から読み取る問題は、過去にない出題であり、戸惑った受験生もいただろう。 第3問 ここでも等号、不等号を選ばせる問題が出題された。条件付き確率は4年連続の出題である。 最後の問題文がやや読み取りづらく、困った受験生もいただろう。 直前のスセソタが誘導であることに気づけば難しくはないが、事象を排反ないくつかの事象に分けて考える必要がある点が目新しい。 第4問 選択問題の中では一番解きやすかっただろう。素因数分解と約数の個数の関係、1次不定方程式など、典型的な内容の出題であった。 第5問 選択問題の中では計算量が多かったが、解法の流れが昨年とよく似ているため、過去問をしっかり解いている受験生には難しくなかっただろう。 ここでも等号、不等号を選ばせる問題が出題され、方べきの定理、メネラウスの定理などの基本知識だけでなく、図形的な見方も問われた。  

高1高2生へのアドバイス

Z会の通信教育の本科などで個別試験対策を進めつつ、並行してセンター試験対策にも早い時期から取り組んでおきたい。 本科では「必修テーマ」を通じて数学I・Aの入試頻出事項を体系的に押さえられるため、センター試験・個別試験の両方に有効である。 現高1生は教科書の内容をしっかり身につけつつ、余力があれば『解決センター数学I・A』(Z会)などで、分野別のセンター対策を行ってもよいだろう。 現高2生はZ会の通信教育の専科「センター攻略演習セット」を用いて、さまざまなジャンルの問題演習を重ね、本番でどのような文章が出題されても対応できるようにしておこう。さらに、直前に本番形式でまとまった数の問題をこなしたい人は、『センター試験実戦模試 数学I・A』(Z会)を使うとよいだろう。

  難関大合格には、センター試験での高得点獲得が必須です。「センター試験の問題は教科書レベルだから何とかなる」「対策は直前でも間に合う」というのは、大きな誤解。センター試験は科目数が多いため、個別試験の勉強と併行して早めの対策が必要です。本講座では、センター試験本番で9割得点することを目標に、必要な力を段階的に身につけていきます。 6教科17科目セットなので、必要な科目すべての対策はもちろん、苦手科目や分野に絞った対策も可能。節目ごとに実力を診断しながら、効率よく得点力アップがはかれます。

▼「センター攻略演習セット」数学IA担当者からのメッセージ  今年の問題のように、センター形式でありながら、数学的、図形的な考察力を問う問題に対応するのは簡単ではない。 センター攻略演習セットなら、各分野の基礎を身につけつつ、こういった考察力を問う問題に触れられるのでオススメである。 また、第3問のようなセンター特有の誘導に乗るためにも、センター形式の演習は欠かせない。

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