「日本史B」2019年度センター試験分析

■分量と難度の変化(時間/配点:60分/100点)
・全体の難易度は昨年度並み。読解中心の史料問題や,昭和戦後史の出題増加などはあったものの,全体的に選択肢の判断がしやすい問題が多く,標準的な難易度の試験であった。

■今年度入試の特記事項
・例年出題されている図版(写真・絵画・地図),統計資料を用いた問題が1問も出題されなかった。
・文献史料の問題が2018年度に引き続き4問出題された。いずれも提示された史料を読解し,内容を把握することが求められる設問であったが,史料は難解なものではなく,標準的な問題であった。
・年代整序問題は, 2018年度より1問減少し,4問出題された。いずれも近世以前からの出題で,近・現代からの出題はなかった。
・政治史の出題割合が高く,文化史および社会・経済史の出題は2018年度より減少した。
・昭和戦後に関する選択肢や小問が増え, 1990年代を単独で扱う小問も見られた。

■いま解いておきたい問題
・史料問題では,4問とも受験生にとっては初見となる史料が提示された。史料本文と注を照合しながら,史料の内容や読み取れる事柄を把握し,説明文の正誤を吟味する必要があったが,史料読解の演習を積んでいれば,十分に対応できる問題であった。
・年代整序問題以外でも,選択肢で扱われている事象の時期や,歴史上の位置付けを把握している必要のある問題が出題されており,歴史の流れを意識した学習をできているかで差がついた。

■大問別ポイント
第1問
・大学の歴史サークルに所属する2人の会話という形式で,地名と歴史・諸地域との関わりを題材とした問題であった。
・問2は,時代をまたいだ出題で,飛鳥時代から昭和戦前期までの貨幣について問われた。時代ごとの貨幣流通に関する知識の整理・理解が必要であった。
・問3は,初見史料の読解問題だが,注も併せて丁寧に読解していけば,X・Yともに正誤の判断はつけられる。

第2問
・原始・古代の歴史研究と資料をテーマとした問題であった。
・問2では,ヤマト政権の民衆支配に関する用語の正確な理解をもとに,選択肢を丁寧に読むことが求められた。
・問4の年代整序問題は,I~IIIの各文で扱われている事項の年代がわからなくても,律令制下の地方支配の仕組みと変質を押さえられていれば解ける問題である。
・問5は初見史料の読解で,史料から読み取れることとして正しいかどうかの判断が求められた。Yの正誤を判断するためには,史料本文を注を用いて読解するだけでなく,「飛鳥浄御原宮」や「評」に関する知識とも結びつけて吟味する必要があった。

第3問
・年号(元号)をテーマとして,中世の政治と社会に関して問う問題であった。
・問4は,リード文を利用して「応永」という年号の時期を特定した上で,各選択肢の時期も判断する必要があり,解き方にやや戸惑う問題であった。

第4問
・近世の社会・政治・文化をテーマとした問題であった。
・問3は初見史料の読解である。Yについて,史料本文中の「入会」に注目し,土地の「共同利用」という記述の正誤を判断することができたかどうかが,ポイントとなる。
・問6の年代整序問題は,安土・桃山時代から江戸時代にかけての禁教→鎖国の流れや,鎖国後の状況を正確に把握しておく必要があった。

第5問
・近世・近代における公家と華族をテーマとした問題であった。
・問4は,大日本帝国憲法における天皇の統帥権の規定を理解していれば,選択肢3を誤文と判断できる問題であった。

第6問
・近現代の日米関係をテーマとした問題で,1990年代までが出題された。
・問6は昭和戦後史の初見史料読解であるが,史料自体は読みやすく,内容把握や選択肢の判断も容易な問題であった。

来年のセンター試験を受ける方へのアドバイス

●センター試験・個別試験の両方で日本史が必要な場合
個別試験対策がセンター対策につながる!
個別試験で必要な知識・歴史理解はセンター試験でも必要になる。基本的には個別試験対策がセンター試験のための学習を兼ねるので,論述問題などの個別試験対策を中心に学習を進めていこう。
難関大をねらうのであれば,早めの対策が必須である。受験学年に入る前には,教科書の通読のほか,Z会の通信教育の特講「大学受験勉強スタートシリーズ」などを利用して,一通りの日本史の流れを頭に入れておこう。
受験生になったら,志望大の傾向を意識した学習が必要になる。高3の3月~8月で入試につながるカリキュラム学習を終えられるZ会の通信教育「東大コース 日本史」「京大コース 日本史」「難関国公立コース 日本史」「早慶コース 日本史」「難関私大コース 日本史」や,Z会の映像などを受講し,個別試験のための日本史の学習を進めよう。
但し,年代整序や正誤組合せなど,センター試験独特の形式にも慣れておく必要がある。個別試験対策と並行して,問題演習が行えるZ会の通信教育「センター攻略演習セット」,書籍『センター試験実戦模試 日本史B』,テーマ別の対策ができるZ会の映像「センター講座:日本史【完成編】」などに取り組んでおこう。

●センター試験のみで日本史が必要な場合
教科書の全範囲を終わらせることをまず目標にしよう!
センター試験では,全時代・全範囲から出題されるので,計画的に知識を習得していく必要がある。また,正誤問題の形式や史・資料問題への対応も必要になってくるため,高3の秋以降は問題演習の時間を確保したい。Z会の映像「センター講座:日本史【標準編】」やZ会の書籍『解決! センター日本史B』などを用いれば,頻出のポイントを効率的に学習できる。センター形式の演習をしながら夏までにカリキュラム学習を終えられるZ会の通信教育「センター攻略演習セット」をペースメーカーにするのがおすすめである。

Z会の通信教育「センター攻略演習セット」

難関大合格には、センター試験での高得点獲得が必須です。「センター試験の問題は教科書レベルだから何とかなる」「対策は直前でも間に合う」というのは、大きな誤解。センター試験は科目数が多いため、個別試験の勉強と併行して早めの対策が必要です。本講座では、センター試験本番で9割得点することを目標に、必要な力を段階的に身につけていきます。
6教科17科目セットなので、必要な科目すべての対策はもちろん、苦手科目や分野に絞った対策も可能。節目ごとに実力を診断しながら、効率よく得点力アップがはかれます。

▼「センター攻略演習セット」英語担当者からのメッセージ 
・今年度の第5問は,昨年度の日誌形式から2016年度に近い一般的な物語文に戻り,幾分読みやすかったのではないでしょうか。第4問A,Bで多少出題形式に変更が見られましたが,問われる力自体は変わっていなかったため,英語を日々勉強し対策してきた人は安定して得点できたでしょう。
・第2問Aは,文法の基礎知識があったとしても,出題された表現・語法を一度でも見たことがなければ正解することは難しかったでしょう。ここで得点を落とさないためには,さまざまな英語の表現にふれておく必要がありましたね。
・センター英語筆記は,演習が命です。まずは基本的な単語力・文法力・語法力を身につけた上で,とにかくたくさん演習を積んでいきましょう。その際には,「第3問Bまでを○○分で終わらせる」といったように,時間管理も意識するようにしましょう。