「倫理」2019年度センター試験分析


■分量と難度の変化(地歴公民…時間/配点: 1科目60分・ 2科目120分 / 1科目100点・ 2科目200点 )

・例年同様大問数は4題,小問数は昨年度に引き続き36問であった。
・一部にやや細かい知識を問う問題も散見されたが,概ね標準的な難易度であった。
・選択肢1文当たりの行数は全体的に昨年度より短くなり,2行の問題が増えた。問題のページ数も昨年度の35ページから33ページに減少した。

■今年度入試の特記事項
・第1問が青年期の課題と現代社会分野,第2問が源流思想,第3問が日本思想,第4問が西洋思想という,例年通りの構成であった。
・例年同様,グラフ読取り問題が1問,資料文読取り問題が4問出題された。また,各大問の最終問題が本文趣旨合致問題という形式も例年通りである。
・3つ(または2つ)の文の正誤の組合せを判断する問題は,昨年度は4問出題されていたが,今年度は1問に減少した。また,昨年度4問出題された8択の問題は出題されなかった。
・一部で詳細な理解が求められる問題や,多くの受験生にとって初めて目にすると思われる人物・思想に関する問題が見られた。

■いま解いておきたい問題
・第4問-問1は,選択肢の中に西洋の古代~近代の思想に関する様々な要素が含まれているので,単に正答を選ぶだけではなく,選択肢1つ1つが何について説明したものなのかを明らかにしてみるとよいだろう。
・先哲は政治についてどのように考えたか,「権利」や「自由」などをどのように定義したか,などといった観点から,他の思想家の考えなどとも比較してみると,さらに理解が深まるだろう。

■大問別ポイント
第1問
・現代における家族の在り方をテーマに,3者による会話文が提示された。問10の本文趣旨合致問題では,3者の立場の共通点・相違点を整理して捉える必要があり,例年の2者による会話文が提示される問題よりやや難しく感じたかもしれない。
・問3のグラフ読取り問題,問9の資料文読取り問題は,資料・本文と選択肢を丁寧に照らし合わせて読み解いていけば解答できる。
・問7に見られた日本思想の人物については,学習が及んでいない受験生も多かっただろう。

第2問
・癒しに対する先哲の考えをテーマに,東西の源流思想について出題された。全体的に標準的な問題であったが,選択肢の文章を読み飛ばしてしまうと細部の表現の誤りに気がつかないおそれがある。丁寧な読解を心掛けよう。
・問1は,一部の選択肢にやや細かい事項が見られたが,消去法なども用いて正答にたどり着きたい。
・問2の資料文読取り問題は,正確な読解力をもって解答したい。

第3問
・心と行為の関係をテーマに,日本思想について幅広く出題された。基本的な知識で概ね解答できるが,一部に細かい内容を問う問題も見られた。
・問1は古代の日本人の心,問4は日本の芸道や生活における美意識についての問題であった。標準的な内容であったが,対策の及びにくい分野のため,とまどったかもしれない。
・問6の幕末の思想家に関する問題は,倫理としてはやや細かい理解が問われた問題であった。
・問8の西田幾多郎の「無の場所(絶対無)」に関する思想は,細かい内容であり,難しかった。

第4問
・運命についての考え方をテーマに,近・現代の西洋思想を中心に問われた。
・問5のニーチェの運命愛に関する九鬼周造の文章は,やや読みにくい文体であり,読解に苦労しただろう。
・それ以外の問題は,基本的知識に関する出題が多く,手堅く得点したい。

 

来年のセンター試験を受ける方へのアドバイス

「常識」 受験生の夏休みの終わりまでに,教科書範囲を必ず終わらせることをまず目標にしよう。
・公民はほかの教科に比べて対策が遅れがちになるが,必要とされる知識量は多く,学習を後回しにしていると直前になって大きな負担を抱えることになりかねない。受験生の秋以降に個別試験で必要な教科の対策に十分な時間を確保するためにも,公民も早期から計画的に学習を進めることを意識しておきたい。
・倫理は細かい知識が問われる難度の高い問題も散見されるが,そうした問題にこだわるよりも,標準的な問題で取りこぼさない磐石な知識力を身につけることが肝心である。まずは受験生の夏休みの終わりまでに教科書全範囲の重要語句の内容を押さえることを目標に学習を進めてほしい。まずは,人物とその思想に関する主要なキーワードを押さえることから始めよう。そして,秋以降は問題演習を定期的に行い,より知識を広く・深く定着させることをめざそう。
・Z会の通信教育の専科「センター攻略演習セット」の倫理では,夏までに全範囲を網羅し,秋以降はより実戦に近い形でセンター試験型の出題をしているので,各単元の内容が定着しているかを確かめる学習のペースメーカーとして,取り組んでいくとよいだろう。また,知識力に不安がある場合は,Z会の映像「センター講座:倫理」を利用すれば,倫理の重要テーマについて「センター試験でどのように出題されるか」を意識した詳しい講義と,厳選した問題演習を通して,効率よく実戦力を身につけることができる。

 

難関大合格には、センター試験での高得点獲得が必須です。「センター試験の問題は教科書レベルだから何とかなる」「対策は直前でも間に合う」というのは、大きな誤解。センター試験は科目数が多いため、個別試験の勉強と併行して早めの対策が必要です。本講座では、センター試験本番で9割得点することを目標に、必要な力を段階的に身につけていきます。
6教科17科目セットなので、必要な科目すべての対策はもちろん、苦手科目や分野に絞った対策も可能。節目ごとに実力を診断しながら、効率よく得点力アップがはかれます。

▼「センター攻略演習セット」倫理担当者からのメッセージ
・今年度の倫理は,昨年度に引き続きオーソドックスな出題が多く,一通り対策を行っていればある程度までは得点を取りやすい問題であるように感じます。教科書や用語集を用いて丁寧に学習した努力が報われる試験だったといえるのではないでしょうか。
・見慣れない人物や思想が扱われていても,実は設問で提示されている情報だけで解答にたどり着けたり,手持ちの知識を活用すれば類推できたりする問題もあります。落ち着いて,臨機応変に対応することが肝心です。
・キリスト教・仏教・イスラーム教や,ロック,ルソー,デカルト,カント,法然,荻生徂徠,本居宣長,和辻哲郎,西田幾多郎などセンター倫理における頻出の事項・人物をまずはしっかりと押さえましょう。その上で,教科書の隅々にまで目を通しておくことが,センター倫理で高得点をねらうためには必要です。ぜひ早めに対策を始めるようにしましょう!
・倫理について学ぶことは,古代から現代までのあらゆる東西の先人達の生き方に触れることだと思います。「ちょっと何言っているのかわからない……」と思うことがあるかもしれませんが,今後の皆さんの生き方の参考になることも多々あるはずです。ぜひ楽しんで学んでもらえればと思います。