「数学I・数学A」2019年度センター試験分析

投稿日時:2019年9月5日

■分量と難度の変化(時間/配点: 60分 / 100点 ) 難易度はやや難化し、全体の計算量も増えた。 ■今年度入試の特記事項 ・昨年度のような式の意味を考えさせる問題は少なく、前問の結果を利用して、流れに従って問題を解くという従来のセンター試験の内容であった。 ・選択問題について、第3問は計算力、第4問は前問の結果への紐付け、第5問は苦手な人が多い内接円の扱いであり、どの問題が取り組みやすいかは人によって異なるが、全体的に難易度は高いだろう。 ・第2問〔2〕ニは、変数変換に伴う散布図の変化を問う問題だが、式の意味を考え変わるもの、変わらないものの見定めという本質的な理解が問われる。 ■いま解いておきたい問題:第4問 整数の性質 (4)は、49の倍数と23の倍数について、b、b+1、b+2のどの組合せを考えるかに着目すれば(1)、(2)で扱った内容に帰着できる。 前の小問の結果を利用するのは、センター試験の定石的手法なので、意識して取り組みたい。 ■大問別ポイント 第1問[1] 根号を外す、絶対値の処理といった、受験生が苦手とする内容だが、丁寧に場合分けまで与えられているので、確実に得点したい。 第1問[2] 偶奇性と必要条件、十分条件に関する典型問題。ベン図を利用してもよいし、反例を見つけるなどの方法も有効だろう。 いずれにしても、手早く、確実に得点したい。 第1問[3] 2次関数の最大値、グラフの移動に関する典型問題。扱う文字は多いが、考え方は難しくないので、丁寧に、確実に得点したい内容。 第2問[1] 余弦定理、三角形の面積など基本公式の扱い方を問うもの。誘導も丁寧なので、方針に迷うところはないだろう。 第2問[2] (3)ニは特記事項で述べたとおり差がつく内容だが、他は基本的な内容。追試でしか出題のなかった“正しくないもの”を選ばせる選択肢も登場した。 第3問 条件付き確率の出題は規定路線となっているようだ。 事象の変化を捉えるのは難しくないが、計算が面倒で、時間を削られてしまう。共通項をくくりだすなど、普段から計算の工夫などの省力化を意識して取り組んでおかないと、厳しい計算になるだろう。 第4問 今解いておきたい問題で述べたとおり、(4)の処理がポイント。(1)~(3)までは、基本的な内容なので、確実に得点したい。 第5問 三角形の内接円に関する性質を問うもので、内容自体は典型的だが、円に引いた接線の長さの関係(ウ)や、Qの位置からIの位置を見定める(サシ)、円周角の定理と中心角と円周角の関係などから∠DFE=∠DIA(または∠DFE=∠DQEより正弦定理)を利用したうまい処理(スセソ)など、図形を苦手とする人には厳しいかもしれない。 とくに、円に引いた接線の長さの関係(ウ)で止まると、それ以降は玉砕するので、平均点はそれほど伸びないかもしれない。

攻略へのアドバイス

Z会の通信教育の本科などで個別試験対策を進めつつ、並行してセンター試験対策にも早い時期から取り組んでおきたい。

本科では「必修テーマ」を通じて数学I・Aの入試頻出事項を体系的に押さえられるため、センター試験・個別試験の両方に有効である。
現高2生はZ会の通信教育の専科「センター攻略演習セット」を用いて、さまざまなジャンルの問題演習を重ね、本番でどのような文章が出題されても対応できるようにしておこう。さらに、直前に本番形式でまとまった数の問題をこなしたい人は、『センター試験実戦模試 数学I・A』(Z会)を使うとよいだろう。
▼数学IA担当者からのメッセージ  今年度の問題のように、センター形式でありながら、数学的、図形的な考察力を問う問題に対応するのは簡単ではない。 センター攻略演習セットなら、各分野の基礎を身につけつつ、こういった考察力を問う問題に触れられるのでオススメである。 また、今年度はセンター特有の誘導が多く、その流れに乗るためにも、センター形式の演習は欠かせない。

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