「倫理、政治・経済」2018年度センター試験分析

2018年度センター試験分析速報「倫理、政治・経済」

■分量と難度の変化(時間/配点: 60分 / 100点 )
・大問数は6題で例年通り。小問数は倫理分野が1問減少し,36問となった。配分は倫理分野18問,政治・経済分野18問であった。

■今年度入試の特記事項
倫理分野
・2017年度同様,「青年期の課題と現代社会」「源流思想」「日本思想」「西洋思想」の各分野からバランスよく出題された。
・グラフ読取り問題は出題されず,資料文読取り問題が2問と,本文趣旨要約問題が2問出題された。

政治・経済分野
・2016年度からの出題構成である,大問3題,かつ各大問が政治・経済・国際政治・国際経済の中から複数の分野が融合的に出題される,という形が踏襲された。
・2017年度同様,図表や統計資料を使った設問が5問出題され,選択肢が示す内容の国を特定した上で資料を読み解く,といった知識判断と読解の2段階を踏む必要がある問題も見られた。


■差がつくポイント
倫理分野
・1つ1つの選択肢の文章が長いが,丁寧に読み解けば正答を導くことができる問題も多い。日頃から長い文章を手早く処理する訓練を積み,読解力と論理的思考力を身につけておく必要があった。
・見慣れない人物名・事項にとまどうことなく,落ち着いて選択肢を読み,ほかの要素から正答を導くための手掛かりを見つけることができるかどうかがポイントである。そのためにも,まずは主要な人物とその思想内容・キーワードという基本的な内容を混同することなく押さえられていることが不可欠であった。

政治・経済分野
・用語の知識など,基本事項についての選択肢の正誤は確実に判別できるようにしておきたい。一部の細かい知識が不確かであっても,消去法などで正答を導き出すことができるかどうかで差がついただろう。また,事項の年代や時期についての知識を要する問題は例年出題されているので,現代の政治史・経済史の知識はしっかりと身につけておきたい。
・資料問題では,知識を前提に,読解力や思考力が問われる問題が見られた。前提となる知識部分が正確に押さえられていたかどうかで差がついただろう。


■大問別ポイント
第1問:倫理分野
・人助けの動機をテーマに,青年期の課題と現代社会分野を中心に出題された。
・問1は,選択肢中の人物についての詳細な理解が求められた。
・問4の資料文読取り問題は落ち着いて取り組めば解答できる。
・問5のアマルティア=センの思想はやや細かく,選択肢の内容も紛らわしかったので,多くの受験生がとまどっただろう。

第2問:倫理分野
・教えるという営みをテーマに,源流思想や日本思想について出題された。
・問3では「日蓮」についての深い理解が必要とされた。
・問5は「ブッダ」「プラトン」「朱熹」と頻出の人物の思想についての問題であったが,各人物の思想についての踏み込んだ理解が必要であった。
・問6の「三宅雪嶺」はやや盲点になりやすい人物であり,その思想について踏み込んで問われたため,苦戦した受験生は多かっただろう。

第3問:倫理分野
・遊びが持つ意味や価値をテーマに,源流思想や西洋思想について問われた。全体的に標準的な難易度の問題が多いので,手堅く得点したい。
・問2の「ロック」は西洋思想において頻出の人物であるため,失点は避けたい。
・問4の資料文読取り問題,問6の本文趣旨要約問題は,落ち着いて取り組むことで確実に得点したい。

第4問:政治・経済分野
・国家の役割とその制約をテーマとして,政治・経済分野から幅広く出題された。
・問1の空欄組合せ問題では,イでリード文の内容を把握した上で趣旨に合致する語句を選ぶことが求められた。読解力が必要だが,リード文を最後まで丁寧に読めば判断は容易だろう。
・問5の需要曲線・供給曲線の問題は政治・経済分野では定番である。設問文で述べられている条件が需要曲線・供給曲線にどう影響するのかをしっかりと見極めて解答を導きたい。
・問6は設問文からローレンツ曲線の読み取り方をきちんと理解できたかがポイントであった。
・問7では電力に関連して,問8では安全保障政策に関連して,時事的な知識にも絡めた出題がされた。こうした問題に対応するためには,日頃から社会の出来事に関心を払っておきたい。

第5問:政治・経済分野
・国家間・地域間・個人間の格差をテーマとするリード文から,経済分野を中心に出題された。
・問3は一次エネルギーに関する表中の国名を特定する問題であった。中国とフランスのエネルギー事情の特徴を想起することができれば判断は容易である。
・問5は表の読み取り問題であった。前提となる知識がなくとも解答可能であるため,各選択肢を丁寧に表と照らし合わせて確実に正答を導き出したい。

第6問:政治・経済分野
・女性の社会参画をテーマとして,政治・経済分野から出題された。概ね基本的な知識で正答を判断できる問題であったため,手堅く得点したい。
・問1は表の読み取り問題で,各選択肢の前半で述べられている国を特定することがポイントとなる。国を特定する要素である各国の政治体制は基本事項であり,表の読み取り自体も容易である。
・問3は実質的な男女平等の雇用を達成するための事例を判断する問題であった。各選択肢を設問文に当てはめて丁寧に読み取れば判断は難しくない。

 

高1高2生へのアドバイス

●早めに「倫理」「政治・経済」両科目の対策に着手しよう。
公民はほかの教科に比べて対策が遅れがちになるが,必要とされる知識量は多く,学習を後回しにしていると直前になって大きな負担を抱えることになりかねない。受験生の秋以降に個別試験対策に十分な時間を確保するためにも,公民も早期から計画的に学習を進めることを意識しておきたい。
センター試験の倫理,政治・経済は,「倫理」と「政治・経済」の全分野から満遍なく出題されるので,必要とされる学習量はかなり多い。資料読解や思考力が求められる問題も出題されているため,知識事項を確実に押さえていく必要がある。受験生の夏休みの終わりまでに一通りの知識を学習し終えられるような計画を立ててほしい。そして,秋以降は問題演習を定期的に行い,より知識を広く・深く定着させることをめざそう。
Z会の通信教育の専科「センター攻略演習セット」では,夏までに全範囲を網羅し,秋以降はより実戦に近い形でセンター試験型の出題をしている。「倫理」「政治・経済」それぞれについて,各単元の内容が定着しているかを確かめる学習のペースメーカーとして,取り組んでいくとよいだろう。また,Z会の映像では,「センター講座:倫理」と「センター講座:政治・経済」の受講をお勧めする。倫理,政治・経済の重要テーマについて,「センター試験でどのように出題されるか」を意識した詳しい講義と,厳選した問題演習を通して,効率よく実戦力を身につけることができる。

 

Z会の通信教育「センター攻略演習セット」

難関大合格には、センター試験での高得点獲得が必須です。「センター試験の問題は教科書レベルだから何とかなる」「対策は直前でも間に合う」というのは、大きな誤解。センター試験は科目数が多いため、個別試験の勉強と併行して早めの対策が必要です。本講座では、センター試験本番で9割得点することを目標に、必要な力を段階的に身につけていきます。
6教科17科目セットなので、必要な科目すべての対策はもちろん、苦手科目や分野に絞った対策も可能。節目ごとに実力を診断しながら、効率よく得点力アップがはかれます。

▼「センター攻略演習セット」倫理,政治・経済担当者からのメッセージ
・倫理分野では,出題頻度の低い人物・事項が取り上げられることがありますが,そうした細かい問題の対策に拘泥するよりも,まずは基本的な人物とその思想を押さえ,基本的知識で解答できる問題で失点しないことが肝心です。キリスト教・仏教・イスラーム教や,ロック,ルソー,デカルト,カント,法然,荻生徂徠,本居宣長,和?恣N郎,西田幾多郎などの,倫理頻出の思想・人物は,徹底的にキーワードとその内容を理解しましょう。様々な形式・切り口での出題が想定されますので,磐石な知識力を身につけておくことが大切です。早期から,しっかりと対策を進めてください!
・政治・経済分野では,基本的な事項に関する知識を重視する出題が中心ですが,単に知識の有無を問うだけでなく,知識をもとに具体的な事例を考察する問題も出題されます。さらに近年では,資料問題でも知識をもとに時期や国を判断してから表などの資料を読み取る,という2段階の思考が必要な出題が見られるようになっています。ただ知識を覚えているだけではなく,その知識を資料の読み取りに活用する,具体的な事例と結びつける力が必要とされているといえるでしょう。こうした問題に対応するためにも,様々な視点から知識を習得し,問題演習を積むことで知識を活用する力を身につけていきましょう。
・倫理,政治・経済で必要とされる学習量はかなり多いですが,早期からの対策で,知識・思考力・読解力は強化することができます。早期から対策に取り組み,倫理,政治・経済の得点力をアップさせましょう!