「東大理系数学」2018年度個別試験分析

2018年度東京大学個別試験 分析速報

■分量と難度の変化
・難易度は昨年よりやや難化
・分量は昨年並み

■今年度入試の特記事項
・昨年度はすべての問題に小問がついていたが,今年度は単問が3題出題された。
・今年度も複素数平面からの出題があった。
・頻出の確率からの出題がなかった。

■合否の分かれ目
・第1問,第4問は確実に解いておきたい問題。
・第2問は答えは出せるだろうが,論証で差がつくかもしれない。
・第3問,第5問は,得意不得意で差がつく問題だろう。
・第6問は,誘導にうまく乗ることができるかどうかがポイント。
・全体として,3問半程度は得点したいところ。

■大問別ポイント
 第1問  
・三角関数を含む関数の増減と極限を調べる問題。
・速く正確に計算する力が求められる。

 第2問  
・整数・数列に関する問題。
・コンビネーションの式を階乗を用いて表せば難しくはない。
・(1)では既約分数であることを論証していないと,減点対象となるかもしれない。

 第3問  
・ベクトルと積分法からの出題。
・ベクトル方程式が表す領域の面積を求める。
・場合分けが必要なことに注意。

 第4問 
・微分法から,3次方程式の解に関する出題。
・基本問題なので,確実に得点しておきたいところ。

 第5問  
・複素数平面からの出題。
・対称な点という状況を図形的に考えるとよいだろう。

 第6問 
・球が通過する領域の体積を求める問題。
・誘導が丁寧だが,計算が大変。

 

東大理系数学攻略のためのアドバイス

東大文理系数学を攻略するには、次の3つの要求を満たす必要がある。

●要求1● 高度な思考力

特別な知識は要求されないものの,高いレベルの思考力,発想力を試す問題が多く出題されている。他の大学では,一見しただけで典型問題だとわかる出題が多いが,東大では出題の仕方がかなり工夫されており,すぐには問題の解法が浮かびにくいものが多い。初見の問題に色々な面からアプローチして,解法を決める力が求められる。確率,整数の問題で主にこの力が問われる。

●要求2● 早く正確な処理力

例年,処理量の多い問題が出題され,比較的処理量の少ないものでも,1問あたり20~30分くらいかかるものもある。特に積分の求積問題で,ハードな計算を要求するものが多い。また,やや高度な出題も見られるが,処理力重視の問題は,方針が立てやすい。数式処理力の差は直接得点差につながりやすいので,速く正確に処理できる力を充実させておきたい。

●要求3● 解ける問題を見極める力

東大の数学では,例年,5割程度取れれば合格ラインといえる量とレベルの出題である。つまり,全問を解く必要はなく,解く問題の選択が合否を分ける。過去問演習などを通して,完答できる問題を見極める力を養っておこう。小問ごとに解ける問題は,もちろん解くべきである。

まずは,苦手分野があれば,遅くとも受験生の夏休みまでには克服したい。ただし,基本的なことばかりやっていては,高度な思考力を要求される東大入試には太刀打ちできなくなる。

受験生の秋以降は実戦的な演習を行い,得点力アップを図ろう。また,答案を作成する力の養成も意識したい。

センター試験が終わったあとは,東大入試に即応したZ会の問題で,最後の総仕上げをしよう。解答を作成する時間や,採点者にきちんと内容の伝わる答案作りを意識し,実戦力を完成させよう。

Z会の講座では,上記の各段階に応じて,東大対策を無理なくこなせる設計になっている。Z会の講座を活用して,ライバルに差をつけよう!

▼「東大コース」理系数学担当者からのメッセージ
・「数学III」の複素数平面は現行課程らしい出題であり,3年連続で出題されている。演習量不足で差がつきやすい分野になっているので,この分野を強化することでライバルに大きく差をつけられる可能性があるともいえるだろう。ここ数年の過去問のほか,複素数平面が履修範囲に含まれていた1997年から2005年の過去問なども参考になるだろう。

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