「理系数学」2019年度京都大学個別試験分析

分析速報

■分量と難度の変化
・昨年度に比べて易化
・分量は変化なし

■今年度入試の特記事項
・大問1で2012年度以来の小問集合が出題された。
・複素数平面からは,ド・モアブルの定理に関する出題が行われた。

■合否の分かれ目
・大問1問2,大問2,大問5,大問6は理系としてはそれほど難易度は高くないので,この3題半で基礎点を稼ぎたいところ。
・大問3,大問4は方針が見えればあとは計算力だけだが,嵌ると時間をロスする恐れがある。
・大問1問1は論理が問われる出題。答がすぐに見えるだけに,不十分な論述での失点に注意したい。

 

■大問別ポイント
 第1問 
・問1はcos2θ,cos3θが有理数であることから,θの値はすぐに予想できる。ただし,“その値しかとらないこと”を答案の中で,論理的に述べないと大減点になるだろう。
・問2は積分の知識と計算力が問われるが,京大数学としては基本レベル。確実に得点したい。

 第2問 
・|f(n)|と|f(n+1)|がともに素数になることと,f(x) の式の形から,偶奇性の活用にもち込む方針は見えやすいだろう。
・この問題も落としたくないレベルといえる。

 第3問 
・図形問題で,「囲まれる部分の面積をSで表すこと」が目的であることに注視したい。つまり,点Pの軌跡は要求されていないので
パラメータ表示→定積分による面積計算という流れが見えるかどうかがカギ。

 第4問 
・事象の捉え方がポイントとなる確率の問題。
・具体的なkの値で実験してみれば,{1,2,3,4}と{5,6}がどのような並びになればよいか見えてくる。
・理系ならばこなして欲しいレベルだが,差がついた問題かもしれない。

 第5問 
・球に内接する正四角錐の体積の最大値を求める典型問題。
・理系ならばこの辺りの演習はこなしておかなくてはいけない内容で,確実に得点したい。

 第6問 
・ド・モアブルの定理を題材とした典型問題。
・対策が不十分になりがちな複素数平面からの出題だが,極めて典型的な内容であり,対策の差が得点差となって如実に現れる問題といえるだろう。

 

 

攻略のためのアドバイス

京大文理系数学を攻略するには、次の3つの要素を満たす必要がある。

●要求1● 手早く正確に計算をする力
京大では煩雑な計算を行う出題は多くないが,着想,論理展開に時間を奪われる出題が多い。それだけに,方針が立ったあとの計算は手早く正確に行うことが重要で,計算時間を短縮できれば,ほかの問題を解く時間に使うことができる。計算力は日々の計算練習で身につく。日々の問題演習において,最後まで計算し,確認する習慣をつけることが大切である。

●要求2● 問題の構造を捉える力
京大理系数学において頻出の分野として,図形問題がある。図形問題には,初等幾何,ベクトル,座標幾何などいろいろな解法があり, どの解法を取ればよいのかをまず考えてから解く必要があるものが多い。どの解法を使うのか,見方を変えてほかの問題に帰着させることができないかなどを発想できる力をつけることが必要である。発想力は,京大の過去問など発想力を鍛えられる問題を解き,考える訓練をすることで身につけられる。

●要求3● 採点者に自分の考えを伝える力
証明問題において論証力が要求されることは言うまでもないが,求値問題においても,答えに至る過程を丁寧に説明する力が要求されるものが目立つ。2019年度の大問1問1がその例である。答えは予想できるが,その値以外にとらないことを論述しなければ得点に繋がらない。記述式の試験においては,自分の頭の中では分かっていてもそれを採点者に伝えることができなければ,点数に結びつかない。論理的に無理なく,より簡潔に答案を書くための論証力をつけることが必要である。論証力は自分一人で勉強を進めても身につきにくい。この力は,Z会の通信教育で別の人に採点・添削をしてもらい,その結果を復習することで身につけられる。
まずは,各分野の完成からである。京大入試では様々な考え方が必要とされるので,苦手分野があれば,遅くとも高3の夏休みまでには克服したい。Z会の通信教育では,入試に必要な考え方を幅広い分野の演習を通して身につけることができるようになっている。

高3の秋以降は,それまでに身につけた考え方を,実戦的な問題演習を通して使いこなせるようにしていこう。受験生用のZ会の講座では,微積分,図形,整数,確率といった京大頻出分野の問題を中心に,論証力も養成されるように学習を進めていく。

センター試験が終わったあとは,これまでの学習の総まとめである。京大入試に即応したZ会の問題で,入試に使える計算力・発想力・論証力を完成させよう。

 

▼「京大コース」理系数学担当者からのメッセージ
京大数学では数式処理力,発想力,観察力,論述力がバランスよく問われる出題構成が多く,2019年度も大問毎に問われる力が明確なバランスの良いセットの出題であった。合格点を稼ぐためには,集中して取り組む問題を選ぶ力も必要で,今年度は大問1問2,大問2,大問5,大問6を軸に着実に得点を重ねる,などという戦略も重要になる。

微積分,確率,図形,整数といった分野は京大では頻出分野である。これらの分野は計算力,発想力,論証力をみるのに適しているといえる。Z会の教材は,これらの力を鍛えるためであることはもちろん,論証力といった人に説明する力も添削で養うことができる。数学は短期間で鍛えることができる力ではない。少しでも早く対策ができるように学習をスタートさせてほしい。

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