私塾界ソリューションセミナー2018レポート(2)プログラミング編

2018年9月17日(月・祝)に開かれた「英語4技能・プログラミング教育 私塾界ソリューションセミナー2018」の様子について、前回は英語4技能編をお届けしました。2回目の今回はプログラミング教育編をお届けいたします。公教育のプログラミング教育必修化が2020年度より実施されるのに先駆け、塾などの民間教育機関ではすでにプログラミング教育の各種サービスが展開されています。「必修化の対応に追われる公教育に対し、民間教育サービスではどのような対応をすべきか」。このセミナーでは、文部科学省から現状と今後の取り組みについての講演、民間でプログラミング教育のサービスを提供している事業者からの事例紹介、そして文部科学省と事業者を交えた活発な意見交換が行われました。

 

 

セミナー概要

私塾界ソリューションセミナー2018 プログラミング教育
「プログラミング教育必修化にともなう民間教育サービスの対応を考える」
2018年9月17日(月・祝)
【会 場】赤坂インターシティコンファレンス
【主 催】株式会社私塾界/全国私塾情報センター
【共 催】コエテコ(by GMO)
【特別講演】文部科学省 生涯学習制作局 情報教育課 安彦広斉氏
【パネルディスカッション】プログラミング教室を展開する協賛企業各社、安彦広斉氏、「月刊 私塾界」編集長 山田未知之氏(司会)

 

 

第1部 文部科学省による特別講演~情報活用能力の育成におけるプログラミング教育

文部科学省 生涯学習制作局 情報教育課 安彦広斉氏による「情報活用能力の育成におけるプログラミング教育」をテーマにした講演からスタート。日本の現状の概観から始まりました。

日本の人口は2004年12月の12,784万人のピークを境に減少が進み(2050年には9,515万人になると予測)、高齢化率の上昇と生活水準の低下が見込まれていること、日本は現在「第4次産業革命の分かれ道」という危機感とともに、モノつくりの強さ、リアルデータの取得や活用可能性といった我が国の強みを生かせる分野で巻き返していく必要性があることを説明されました。

また、「IoT」「ビッグデータ」「AI」「ロボット」の技術で、これまで実現不可能と思われていた社会が実現可能になり、これに伴って産業構造や就業構造が劇的に変わる可能性があることもお話しされました。

猛烈なスピードで進む革新、そして、Society5.0に向け人材育成を推進する必要があり、情報活用能力の育成を初等中等教育で行うこと、その中の1つとして、2020年度から全小学校でプログラミング教育の必修化があるということです。

 

 

◆日本の教育の課題とは?

日本の教育の強みは、生徒の学習到達度、チームでの課題解決能力などが諸外国と比べても極めて高水準である一方、課題は情報活用能力にあると言います。文科省が小中高等学校を対象に実施した情報活用能力調査(文部科学省2013~2016年)の結果によると、小中学生に共通する課題は「複数のウェブページから目的に応じて特定の情報を見つけだし、関連づけること」、「情報を整理し、解釈すること」、「受け手の状況等に応じて情報発信すること」とのことです。PISA2009デジタル読解力調査においても、「デジタル読解力」は韓国、ニュージーランド、オーストラリアに次ぐ第4位であったことが報告されました。さらに、国際数学・理科教育動向調査(TIMSS2015)においても、「数学・理科を使うことが含まれる職業につきたい」「数学・理科の勉強は楽しい」と答えた生徒が国際平均に比べて低かったとのことです。

こういった現状をふまえつつ、「主体的な学び」「対話的な学び」「深い学び」を通じて、将来の予測が難しい社会において、未来を拓いていく子どもたちには、情報を主体的に捉えながら、何が重要かを主体的に考え、見出した情報を活用しながら他者と協同し、新たな価値の創造に挑んでいくことがますます重要であるとのことでした。

 

◆新学習指導要領のポイント

このような日本の状況をふまえて、新学習指導要領のポイントについて言及されました。2020年より小学校から順次施行される学習指導要領の総則では、情報活用能力は言語能力と同様に「学習の基盤となる資質・能力」であると位置づけられ、「情報活用能力」が初めて規定されたことが小・中・高等学校共通の大きなポイントです。他にも、同様に学習指導要領の総則においてICT環境の整備について初めて規定されたこと、小学校の学習指導要領に「プログラミング」が盛り込まれたのも初めてであることを強調されました。
小学校のプログラミング教育については特に、文部科学省から発表された「小学校プログラミング教育の手引」より、プログラミングを学ぶ「ねらい」は以下であることが改めて説明されました。

(1)「プログラミング的思考」を育むこと
(2)

  • プログラムの働きやよさ、情報社会がコンピュータ等の情報技術によって支えられていることなどに気付く
  • 身近な問題の解決に主体的に取り組む態度やコンピュータ等を上手に活用してよりよい社会を築いたりしようとする態度などを育む

(3)教科等での学びをより確実なものとする
※プログラミングに取り組むことを通じて、児童がおのずとプログラミング言語を覚えたり、プログラミングの技能を習得したりするといったことは考えられるが、それ自体をねらいとしているのではない。

プログラミングの必修化は必ずしもプログラミング技術そのものの習得がねらいではない、ということは、ぜひ押さえておきたいポイントですね。

 

 

第2部 プログラミング教室を展開する企業によるパネルディスカッション

後半は、協賛企業各社が展開しているプログラミング教室・サービスについての紹介と、文部科学省 安彦広斉氏を交えてのパネルディスカッションが行われました。

◆「読み・書き・プログラミング」の時代へ

2020年度よりプログラミング教育の必修化が決まったことに伴い、プログラミング教育がメディアで取り上げられる機会も増え、注目度が高まっています。これについてプログラミング教室を展開する各社のパネラーからは、「保護者の方が、プログラミング教育サービスを探す機会が増えてきたと感じる」、「保護者自身が、プログラミング教育がどのようなものかわからないからこそ、まずは体験してみよう、という風潮がある」「子どもの将来の就業への危機感から、プログラミング教室に通わせようという流れも大きいと感じる」という声がありました。
「プログラミングは現代のそろばん。『読み・書き・そろばん』という感覚から、『読み・書き・プログラミング』という感覚になってきていると思う。」と話すパネラーも。また、別の企業のパネラーからは「児童にプログラミング講座を受講させている保護者にアンケートをとると、「開講当初はプログラミングそのものへ関心が高い層が多かったものの、近頃では『プログラミング教育を受けさせたいから』という保護者は3割程度にとどまり、『子どもの興味を学びに変える・興味を開発する』という保護者が多数だった。」という報告がありました。プログラミング技術そのものの習得だけが目的ではなく、試行錯誤、協調性、プレゼンテーション能力の育成といった効果への期待も連動して、受講・通塾の意思決定をする保護者の方が多いそうです。

 

 

◆プログラミング教室はスイミングスクール?

「公教育と民間サービスのすみ分け」のテーマについては、各企業のパネラーの間では「公教育で基礎力を養い、民間教育サービスで引き伸ばす」という考えの方が多くいらっしゃいました。「日本のプログラミング教育は諸外国に比べて圧倒的に遅れていると思う。国には、教育により予算を割いてもらい、ワードやパワーポイントの操作方法といったICTの基本スキルを公教育で身に着け、そこから民間でトップ層の優秀な人材を引っ張りあげる力強い教育をやっていくのがよいのでは」という意見もありました。また、海外の現状については「海外の子どもたちはプログラミングに対する気迫が違う。タイやインドの子どもたちの『プログラミングスキルを身に着けたい!』という意欲、学校自体を休みにして生徒をプログラミング大会に参加させる台湾など、学校教育レベルでより力を入れていると感じる。」と、海外展開している企業ならではの経験談もありました。「公教育におけるプログラミングは水泳の授業と同感覚でよいのではないか」と話すパネラーも。クロールや平泳ぎといった基本的な泳法は学校で教わり、プラスアルファの型は民間のスイミングスクールで学ぶという感覚と同じように切り分けてみては?という提案です。すみ分け方への意見は分かれる部分もあると思いますが、自分にあったスクールやサービスを選ぶ際の一つの考え方の目安になりそうですね。

 

 

◆プログラミング必修化の先に

民間教育サービスのプログラミング教室の中には、JAXAと提携したり、プログラミングでロボットを動かす国際大会を開催するところもあります。プログラミング教育は、子どもたちが実社会とのつながりや国際交流の機会を持つチャンスを秘めています。その可能性に「日本でのエンジニアの社会的地位は低く、優秀な学生は海外へと出て行ってしまう。小さい頃からプログラミングの素晴らしさを体験し根付かせて、エンジニアの社会的地位を上げ、国内でも活躍できるようにしたい。」といった技術者の期待を含めた意見もパネラーからありました。そして、「プログラミング教育は一つの言語教育。国語や英語は自然言語、数学は論理的で厳格な言語、プログラミング言語はそれらの中間・延長にある柔軟な言語だと考える。言語教育の延長としてプログラミング教育を捉えてほしい。100年後はプログラミング言語が共通言語になるかもしれない。」という声もあがりました。

 

~Z会のプログラミング教育~

本レポートを通じ、プログラミング教育にはこれからの社会に必要なさまざまな力を育む可能性があることを感じていただけたのではないでしょうか。
Z会では小学生を対象としたプログラミング的思考、創造力・論理的思考力・問題解決力といった力を育むプログラミング講座を提供しています。また、Z会の教室では中高校生を対象としたアルゴリズム、アプリ開発のコースもご用意しています。各種体験会も開催しておりますので、まずは実際に体験してみてはいかがでしょうか?

 

 

 

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