Column 22年2月 これからの社会で必要な「ITパスポート」

ITパスポートとは?

ITパスポートとは、ITを使うすべての社会人(および学生)が備えておくべきITに関する基礎的な知識を持つことを証明できる国家試験のことです。
https://www3.jitec.ipa.go.jp/JitesCbt/html/about/about.html

試験内容は「テクノロジ系(IT技術)・マネジメント系(IT管理)・ストラテジ系(経営全般)」で構成されており、全国の試験会場で随時実施されています。また、国家試験として初めてCBT(Computer Based Testing)方式を導入した試験でもあります。

顧客管理、製品管理、生産管理などあらゆる業務がIT化される現代、知らない間に重大な情報漏洩を引き起こしてしまったり、サイバー犯罪にまきこまれてしまったりするということも珍しくはありません。

事実、2019年から情報漏洩の事故は増え続けており、2021年には574万人分もの個人情報が漏洩したといわれています。
https://www.tsr-net.co.jp/news/analysis/20210117_01.html

「ITに関する基礎知識があればこれらの事故はすべて防げたのか」と問われればそうではありませんが、少なくともITの基礎知識およびITを正しく活用する力、個人情報保護の視点等を身につけておくことは、大切なことではないでしょうか。

ITパスポートの最年長合格記録が更新!

2021年12月14日、次のようなプレスリリースが発表されました。
https://www.ipa.go.jp/about/press/20211214.html

なんと、86歳の方がITパスポートに合格し、最年長記録を更新したとのことです。インテル社が世界最初のマイクロプロセッサ4004を発表したのが1971年ですので、少なくとも30年以上はPCやインターネットのない時代で生活していた方の合格となります。
https://museum.ipsj.or.jp/computer/personal/history.html

デジタルネイティブといわれる現代と育った環境が大きく異なるなか、このチャレンジ精神と「合格」という結果には感服させられます。学びたいという気持ちに「遅い」ことはありません。もし「今さらITの基礎の勉強なんて…」と思っている方がいれば、ITパスポートのシラバスに目を通すだけでもよいので、まずは一歩踏み出してみましょう。
※ちなみに、最年少記録は2020年10月に合格した8歳(当時小学3年生)の方です。(2022年2月22日時点)

もし子どもが「エンジニアになりたい!」と言ったら…?

話は少し変わりますが、「将来ITの仕事に就きたいんだ!」と志望されるお子様もいまは少なくありません。実際、2021年の調査で、高校生のなりたい職業1位に「エンジニア・プログラマー」が選ばれています。
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2112/24/news111.html

もし、お子様がエンジニアやプログラマーなどITを「専門」とした仕事に就きたいと言ってきた場合、お子様にどのような知識や力が必要かイメージはできますか?
実は、2021年、このような記事が話題となりました。
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2112/24/news115.html

有名なIT企業が、新人エンジニア向けの社内研修資料を一般公開したのです。「この後エンジニアとして現場で働く人向け」というだけあって、高度な数学の知識・理解が必要ですが、ITのプロフェッショナルとして働くための情報が収集できますので、ぜひ知っておくとよいでしょう。また、数学に限らず、幅広く教科の学習をする必要性も感じていただけることかと思います。

今後、プログラミングを含む教科「情報」が国立大学の入試で課されることが正式決定されたことにより、子どもたちの情報リテラシー・情報処理能力は一層高まっていくことでしょう。子どもたちが学んでいることを知るために、また子どもたちに負けないために、わたしたちもさまざまな情報を収集し学び続けていきましょうね。