2024年度「京大生物」徹底分析 傾向と対策

Z会の大学受験担当者が、2024年度前期試験を徹底分析。長年の入試分析から得られた知見もふまえて、今年の傾向と来年に向けた対策を解説します。

Z会生物担当者からのメッセージ

2023年度に引き続き、ケアレスミスが許されない高得点での競争になる出題となりました。理解があいまいな分野を残してしまうとかなり苦しくなります。出題範囲全体について正確な理解を身につけて臨む必要がありました。
例年だと、考察問題は、設問に沿って考察を深めていく構成のことが多く、ある設問で勘違いをするとその後も間違えてしまいます。条件の見落としがないように、要点を押さえた速読を演習時から意識しましょう

論述問題では、設問の要求を正しく理解したかどうか、要求に対して的確に論述できたかどうか、といったところで、差が開きます。学習時間が限られてくると、生物の問題演習では、考察論述問題も要素だけ挙げて答え合わせ・・・となりがちです。しかし、個別試験に向けては、実際に手を動かし、文どうしのつながりも意識して論述する演習を、一定量取り入れるようにしてほしいです。そして、それにはZ会の添削問題が最適だと、自信をもっておすすめします。

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今年度の入試を概観しよう

分量と難度の変化 (理科…1科目90分、2科目180分)

  • 分量:昨年度並
  • 難易度:昨年度並
  • 各分野から出題されるが、「遺伝情報の発現」および「生態と環境」からの出題頻度が比較的高い。
  • 教科書に掲載のない、初見の題材をもとにした出題が基本となる。
  • 近年は知識問題と考察問題がバランスよく出題される。

2024年度入試の特記事項

  • 設問数やページ数はやや増えたが、論述量が減ったため、負担感は2023年度と同程度である。
  • 図選択、グラフ選択の問題が例年以上に多かった。

合否の分かれ目はここだ!

  • 2023・2024年度は、2021・2022年度と異なり、解ける設問でケアレスミスせずに確実に得点することが重要な出題構成である。
  • 生物問題Ⅰ問1、生物問題Ⅱ問1、生物問題Ⅲ問2、生物問題Ⅳ問1・問3のような、教科書レベルの知識で解答できる問題、また、生物問題Ⅲ問4・5のような典型的な計算問題、そして生物問題Ⅰ問5・問6や生物問題Ⅲ問1・問9・問10のような取り組みやすい考察問題は、条件の見落としなどのミスをせずに、確実に解くようにしたい。
  • そのうえで、生物問題Ⅰ問4や生物問題Ⅱ問7・問8、生物問題Ⅳ問2のような考察論述問題に取り組む時間を捻出したい。
  • 考察論述問題では、わかっていないことまで無理に踏み込まず、読み取れる内容を設問の要求に沿って簡潔に記し、無駄な失点を防ごう。

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大問別のポイント

 生物問題 I 

(A)

  • RNAのステムループ構造と機能が題材である。
  • 問3は塩基数が多いので時間配分を考えて取り組むかどうかを決めたい。

(B) 

  • ショウジョウバエの分節遺伝子とその変異体が題材である。
  • 問7は分節遺伝子とその理由を述べるが、理由をまとめにくいなら遺伝子名だけ書いて先に進みたい。

 生物問題 II  

  • 化学シナプスの情報伝達と伝達モデルがリード文の題材である。
  • 問3・4では、伝達モデルについて神経伝達物質の放出速度と消失速度を変えて検討できるか否かが問われた。
  • 問7は神経回路を書いた方が取り組みやすいだろう。

 生物問題 III  

(A)

  • 生態系の物質生産と最終収量一定の法則が題材である。
  • 生物問題Ⅳと並んで解きやすい設問の並んだ中問である。

(B) 

  • 寄生バエ存在下でのコオロギの変異と繁殖戦略が題材である。
  • 問9・10は変異タイプが多い島Aではスピーカーの半径2メートル内に複数のオスがいることから考える。

 生物問題 IV  

  • 褐色脂肪細胞の熱生産を題材に代謝や恒常性について問われた。
  • 問1と問3の用語問題は確実に解答していきたい。

 攻略のためのアドバイス

京大生物を攻略するには、次の3つの要求を満たす必要がある。

●要求1●関連分野と連動した知識

ハイレベルな勝負になる京大生物では、教科書レベルの知識でカバーできる用語問題や論述問題での失点は許されない。教科書と図説を参照する習慣を身につけよう。
教科書で太字になっている語については単純に暗記するだけでなく、関連する生命現象と合わせて、自分の言葉で説明できるようにしておくこと。

●要求2● 実験データの読解力

京大生物は、初見の題材の出題が多く、見慣れない実験の手法やデータを的確に読み解く必要がある。
そのためには、条件や結論を箇条書きにして整理する訓練が有効。
まずは標準レベルの実験考察問題に取り組むところから始め、徐々に京大レベルに近づけていこう。

要求3● 解くべき問題を見極める力

論述力は自分の手を動かして答案を書き上げることが何よりも大切。実戦演習を重ねる中で、仮説→実験→結果→考察→仮説という一連の流れを自分なりに整理する癖を身につけ、論述に必要なキーワードを集めることから始めよう。
書き上げた後は、独りよがりな答案になっていないか、添削をしてもらうとよい。

対策の進め方
知識力の完成

なるべく早く●要求1●の完成を目指すこと(遅くとも高3の夏をめざそう)。とくに、「生態と環境」、「生物の進化と系統」は対策が遅れがちになるので、計画的に学習を進めよう
Z会の本『生物 知識の焦点』は、高校生物の全範囲について、教科書だけでは学べない入試頻出事項を解説しているので、知識力の向上に最適である。

演習量の確保

入試形式の演習問題になるべく数多くあたり、●要求2●および●要求3●のレベルUPを図ろう。典型・頻出問題は一通りこなしておくこと。Z会の通信教育でも、京大の出題レベルに合わせて典型・頻出問題を出題していく。

速読・速解の習得

問題の分量が多いこともある京大生物では、なるべく全部の設問に手をつけられるよう、問題を解くスピードも重要になってくる。本番の入試を意識して、時間配分にも気を配った演習を積もう

Z会でできる京大対策

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