2024年度「東大地理」徹底分析 傾向と対策

Z会の大学受験担当者が、2024年度前期試験を徹底分析。長年の入試分析から得られた知見もふまえて、今年の傾向と来年に向けた対策を解説します。

Z会地理担当者からのメッセージ

2024年の東大地理は、複数の学習分野を組み合わせた問題が多く見られました。基礎知識は早いうちに完璧にしておき、知識の引き出しを作っておくことが、解答を多角的に考えられるカギとなります。
2024年度でも単答問題が多く出題されました。難度はそれほど高くないため、確実に解答し、得点につなげることが重要です。

東大地理では、現代社会の諸課題をもとにした問題が多く出題されています。ニュースなどから地理に関連しそうなテーマをピックアップし、地図帳なども用いて概要をまとめておくこともお勧めします。

本科「東大講座 地理」では、東大地理の出題内容を分析し、事項説明や図表の読み取りをもとにした論述問題を、幅広い分野から多数出題しています。東大をめざすみなさん、Z会と一緒に頑張っていきましょう!

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今年度の入試を概観しよう

分量と難度の変化 (地歴…時間:2科目150分) 

  • 指定字数2行(60字)の論述問題が中心だが、問題数が多く、単答問題も出題される。
  • 統計表・グラフ、地図など、資料を利用した問題が多く見られる。
  • 論述の問題数、総字数は2023年度からの変化はなかった。単答の問題数も2023年度とほぼ同数であったため、全体としての難度は例年並(標準)である。

2024年度入試の特記事項

  • 論述の問題数は2023年度と同じく17問(33行;990字)であった。また、字数ごとの出題数も2023年度と同じであり、60字の論述問題数が12と、全体の7割を占めた。
  • 単答の問題数は19から20に増加した。
  • 深海底の開発やミシシッピ川の水位の低下など、時事的な内容を扱った問題が見られた。
  • 2022年度、2023年度で連続して出題された地形図の読図に関する出題は見られなかった。また、例年、大問単位や中問単位で取り上げられていた日本に関する出題が見られなかった。

合否の分かれ目はここだ!

  • 問題ごとの論述字数は少ないが、問題数が多いため、時間を意識し最後まで解答しきれたか
  • 基礎知識や時事的なテーマも含め、偏りなく網羅的に学習できていたか
  • 自然環境・産業の分布など、普段から地図を用いた学習を行うことができたか

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さらに詳しく見てみよう

大問別のポイント

 第1問  

「世界の食料資源とエネルギー資源」をテーマとする大問。

設問A:乳糖耐性者の分布と食生活との関連に関する問題。乳糖耐性の有無だけでなく、気候や農業分布など、様々な要素が地域の生活を特徴付けることを考える地理学らしい出題であった。(2)は該当地域の気候や農業の共通点と、指定語句から解答を導き出すことが可能である。(3)はモンゴルにおける乳糖を減らす加工に関する問題であるが、様々な酪農品を想起するとわかりやすい。


設問B:天然ガスの生産と輸出入に関する問題。(1)は現在の順位だけでなく、生産量が増加した時期に着目して解答したい。(3)は図より、地域ごとに輸出・輸入のどちらが中心か、パイプラインは地続きの場所に多く設置されるなどの特徴を読み取って判断したい。(4)は石油と天然ガスの輸入先の違いを明確にしたい。

 

 第2問  

「世界の地勢と人口の変化」をテーマとする大問。

設問A:地球の高度帯ごとの土地の面積の比率に関する問題。(1)は時事的な内容であるが、問題文の「将来の世界の経済に大きな影響を与える」から、海底の資源開発を思い浮かべられたかどうかがポイントであった。(2)は後の問題の解答に影響を与えるため、確実に正解したい問題であった。各大陸の100%となる標高がヒントとなる。


設問B:2020年時点で人口が1億を超える国々に関する問題。人口規模A~Cから国が絞られる。人口変化率が高くなった時期や変動の推移などから該当する国を特定したい。(4)は人口の変化率が低いことから先進国であり、変化率の減少が少ないサは移民の増加による影響であることが想起できたかどうかがポイントであった。
 

 第3問 

「都市」をテーマとする大問。

設問A:アメリカ合衆国の都市に関する問題。リード文をヒントに確実に解答したい。(3)はミシシッピ川の流域で盛んな産業を想起したい。(4)は被災しやすい土地環境の指摘だけでなく、「特定のエスニック集団」がどのような社会的地位にあるかどうかについても指摘する必要があった。(5)は時事的な出題でもあるが、「経済活動に与える影響」とあるため、(3)の解答も関連させつつ、多角的な視点から解答したい。


設問B:世界の地下鉄が開業した都市に関する問題。(1)は指定語句「路面電車」と地下鉄の輸送力の違いを思い浮かべられたかどうかがポイントであった。(2)はロザンゼルスの都市の発展と従来の交通の特徴とを結びつけるのが難しい。

 攻略のためのアドバイス

東大地理を攻略するには、次の3つの要求を満たす必要がある。

●要求1● 使いこなせる知識力

東大地理では、全分野・地域の基本事項を覚え、使いこなす“知識力”が求められる。とくに自然地理や日本地誌は頻出であるため、知識を確実なものにしておく必要がある。また、学習が手薄な分野・地域をつくらないように努めよう

●要求2● 多くの情報を読み取る資料読解力

東大地理では、“資料読解力”を必要とする問題が多い。数値の大小を見るだけでなく、統計の持つ意味も理解するようにしよう。また、地図が提示されていなくても大まかな分布が想起できるよう、地図を使った学習は欠かせない。さらに、地形図の読図問題が出題されることもあるので、地形図の基本的な読み取りもマスターしたい。

●要求3● 簡潔・確実に解答できる表現力

東大地理の論述は問題ごとの字数が少ないが、問題で要求された条件を、軽重をつけずに解答すると字数が不足する可能性がある。そのため、限られた字数で必要十分な解答を作成する“表現力”が求められる。解答の作成には、題意を正確に把握し、資料の意味を読み取り、それらへの配慮がわかるような表現を織り込むことが重要である。

また、地理は問題数が多いため、過去問なども使い、時間配分を意識した演習も重要である。

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