幼い子どもが何かをしようとしたとき、そばにいる母親が「あぶない!こうしなさい!」といつも叫んでいると、その子はどうなるでしょう?きっとたいへん神経質で、自信のない人間になっていくのではないでしょうか。
子どもというのは、大人の評価や行動による影響をもろに受けて育っていく存在です。何かをしようとしたとき、親がいつも「大丈夫、やってごらん。失敗したらフォローしてあげるから、自分でやってごらん」という態度で接していますと、子どもには「自分は信頼されているのだ」という感情が育ち、あれこれチャレンジするようになります。そして失敗を繰り返しながらも、やがて実際にいろんなことができるようになると、達成感がふくらみ、今度は「自分はできるんだ」という感情が豊かになります。こうして他者からの信頼感と自己への信頼感が相乗効果のように働き、自信という極めて重要な感情が育っていくのです。
自信が育っていきますと、行動の幅が広がりますから、チャレンジするチャンスが多くなり、失敗が減っていきます。たとえ失敗しても、自信があると、大丈夫!できるはずと挑み続けますから、結局失敗しなくなります。逆に、失敗を恐れて過干渉になると、子どもに自信が育たなくなり、失敗を恐れて、何事にも挑まないタイプの子になります。子どもへのかかわりがあだになってしまうのです。
子どもが成功するまでは失敗の連続です。親はわが子の失敗を恐れる必要はまったくありません。失敗を繰り返しながらしか成功にたどり着くことはできないのですから。失敗は成功の母ということは、いつの時代もどのような年齢の人間にもあてはまる真理です。お子さんの小さな失敗をゆったりと見つめるゆとりこそが、チャレンジ精神を育て、自信を育み、結局失敗をしない子にするのです。
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