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子どものこんな行動は、親に対するシグナル? |
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小学校中学年から高学年にかけての時期は,外からはあまりそう見えないのですが、心の世界では大きな変容が起こっています。身体が少しずつ大人になり始め、当然それにとまどいが生じ、心をどう追いつかせていくかぎこちない模索が始まりますし、いわゆる思春期葛藤の開始が以前より早めになっていて、なぜかイライラするということも多くなります。小学校高学年をどうのりこえるか、親も子も戸惑うことが多いのです。
ある児童館に遊びに来ていた小学校5年生の女子に母親から電話がありました。職員が事務室に呼んで電話に出させると、しおらしい受け答えをしていました。しかし電話を切った途端に「ホント、ウルセーんだから、あのババア!」と捨てぜりふを残して出ていったといいます。こんなことが昨今よくおこっています。わが子が、親の前と外ではまったく違う態度を取り、まるで二重人格的者のように振る舞うのです。たいてい、親がきちんと育ててきたと自覚している家庭の子です。わが子が外でそうした対応をしていることを当の親がほとんど知らないというのも共通しているといいます。あるいは、家で学校のことや担任の教員のことを悪い様にいったり批判したりするという子もいます。これは相手が教員になっているだけで、心理的に今の例と同型です。
これは、心に大人のように振る舞いたいという気持ちが強くなってきて、それを自分で決めてやりたい(自己決定したい)のに親や教師が子ども扱いしてあれこれ干渉してくるのがとてもうっとうしく感じ始めたとか、その自己決定の内容が繁華街に遊びに行きたいなど親や教師から拒否されるに決まっていることなので、内緒で実行してしまいたいけれども、まだホントにそうする勇気がないとか、さまざまな新しい葛藤が心に生じるからだと考えられます。
子どもが親に内緒の行動がふえてきたり、イライラして攻撃的な言動がふえてきたら、心配して頭ごなしで干渉しすぎてしまいがちですが、それが逆効果になってしまうことが多いということを理解しておきたいものです。そういうときは、「そうか、そろそろ大人への長い旅が始まって、イライラや不安が強くなっているのね」、「じゃあちょっと距離をとってやろうか、ときどき子どもの話題にあわせてみよう」とか、わが子を子ども扱いしない姿勢を親が取り始めることが一番大事です。目の前のことだけで判断しないで、長い目で見て子どもを信頼することです。
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