●大学生活について
明治学院大学経済学部経営学科の学びについて教えてください。
■先生
経営学科では、企業活動に焦点を当て、企業が利益を上げていくための様々な実学的な理論を学びます。企業組織はどうあるべきか、顧客のニーズをどう汲み上げ対応していくか、運営資金を提供してくれる投資家への情報発信はどうあるべきか、などを学んでいきます。
本学経済学部には、他にも経済・国際経営の2つの学科があります。経済学科では主に企業の外側にある様々な経済理論を学びます。世の中のお金の流れや、金融に対する政府の関わりなどについても学びます。また、国際経営学科はグローバル人材の育成を目的に、経営学科から分かれた学科ですが、その名称にもあるように、より国際的な規模の枠組みで企業の成り立ちや経営戦略などを学んでいく学科です。経営学科と共通して履修できる科目や授業も多いのですが、国際経営学科は経営学科よりも英語の履修科目が多くなります。その中には「簿記」を英語で学ぶ授業もあります。
お二人が受験した理由を教えてください。
■大学生
高校時代からマーケティングに興味がありました。授業である企業について調べる機会があったのですが、その時は膨大な資料を上手く分析することができず、まとまりのある分析ができませんでした。そこで、大学ではそうした調査分析の手法をもっと深く学びたいと思い、経営学科を中心に受験をしました。
大学を選ぶ際には、志望した各大学のカリキュラムやゼミを調べ、3年次以降の専門専攻において、明治学院大学には自分が関心を持つマーケティングのテーマを学ぶ環境があることを知りました。また、1,2年次には経営学の基礎を幅広く学べるカリキュラムが用意されており、その点も魅力に感じました。
■卒業生
高校時代に、佐藤可士和さんというグラフィックデザイナーが明治学院大学のロゴなどをすべて手がけているということを知りました。著名なデザイナーによりブランディングを行うということは、他大学にはないカルチャーだなと思い、そこにひとつの魅力を感じました。この頃から広告やマスコミ業界に関心があり、企業が商品や企業自体のイメージづくりを行う「ブランディング」に興味があったので、大学選びの際にもセンスがオシャレだという点に視線が行ったのだと思います。
また、明治学院大学は英語教育にも力を入れており、英語力も鍛えようと、木村さんとは別の学科である「国際経営学科」を選びました。
入学後の印象はいかがでしたか?
■大学生
「会計学」「簿記」など、苦手に感じられる数学系科目もいくつかありましたので、その点は大変だなという印象でした。その後、実際に苦戦しました(笑)。周りの人たちがそうした授業にもしっかりとついて行っているのを見て、「自分も頑張らなきゃ」と奮起したのを覚えています。
■卒業生
私も高校時代、数学は苦手でした(笑)。「会計学」においては、計算式の作り方という点で合理的な数学的思考を必要としますので、大変でした。
■大学生
そうなんですよね、式の仕組みを理解するのに時間がかかってしまいますね(笑)。
■先生
たしかに数学が苦手な学生は多少苦労しますが、本学経営学科では、経営学の重要な要素をバランスよく学んでもらうために、「会計学」も全員が履修するよう指導しています。
経営学科で必要となる数学的な素養について教えてください。
■先生
マーケティング分野においても、統計的な手法を取る際には数学が必要になります。ただ、予め高度な数学が必要ということではありません。高校である程度しっかりと学んでおけば、大丈夫です。
また、経営学科は文理横断型の学科でもあります。例えば、数学は得意で活かしたいけれども、理系学部には関心が持てないといった学生も多く集まるのが、経営学科の特徴でしょうね。そうした理系学生は、定量分析などで、得意な数学を活かしてマーケティングデータの解析を行うことができます。一方、数学より国語や英語が得意な文系学生は、より多くの資料や英語文献などを読み込み、分析していくという研究方法を取ります。このように文理を問わず、間口が広いのが経営学です。
特徴的な授業やカリキュラムを教えてください。
■先生
本学経営学科の定員数は180名ほどと小規模ですので、少人数制の授業を重視しています。その一環として、2014年度からは「ワークショップ」という授業を1年次に導入します。1クラス20名ほどで構成され、教員が出す課題に対して学生同士での討論、プレゼンテーション、分析発表などを行いながら、主体的に授業に参加する機会を提供していきます。
また、高校から大学へ進学して、学びの質も大きく変わります。例えばレポートの書き方や図書館での情報検索の仕方など、「ワークショップ」は大学で学んで行くための基礎知識を身につけていく場にもなります。
■大学生
私の時は2年次の選択科目に「ワークショップ」がありました。
■卒業生
私の時代はなかったですね。ゼミみたいな感じですか?
■先生
3年次でゼミを履修するための予備ゼミみたいなものですね。木村さんの時は2年次の選択科目でしたが、2014年度からは1年次から履修できるようになります。必修ではありませんが、重要科目に位置付けられています。
他に経営学科ならではの特徴はありますか?
■先生
理論だけでなく、企業や社会における実務や現実問題を題材にして考えていく授業が多いのが特徴です。今社会でヒットしている商品やシステムなどをどんどん講義の教材に取り上げて、学生たちが授業に興味を持てるように、あるいは、経営学の面白さを伝えられるようにしています。
また、経営学科の専任教員は、私も含め3分の1が企業勤務経験のある教員です。実務を経験することを通して、企業で求められていることは何かを身につけています。こうした企業勤務経験のある教員が多いことは、経営理論と実務・実際のギャップを埋め、学びを深めると同時に、社会に出ても役立つ授業を行うことにつながると思います。
印象的な授業などを教えてください。
■大学生
3年次に履修した「経営学特講」という科目群が好きでした。企業で活躍している方々や専門家を外部講師として授業を行ってくださいます。中でも「広告・コミュニケーション戦略」という授業は、とても楽しく、かつ役立つ授業でした。講師は大手広告代理店の方が務めてくださり、授業では、例えば市販されているミネラルウォーターの広告展開を実際にプランニングします。そして、いいアイデアを出した上位3名には、商品1ケースプレゼントなど、特典もある授業でした(笑)。
みんな「賞品を取るぞ」と、燃えてキャッチコピーを考えたりしていましたね。広告業界での実務を、プロの指導のもとで体験できる機会でもあり、広告・マーケティングをより具体的に学ぶことができました。
■卒業生
特に授業名は挙げられませんが、専門にしていたマーケティング分野の授業はすべて楽しみながら履修していました。今の仕事では、商品のブランディングに対しての意見やアイデアを出す機会も多いので、大学で学んだ広告・マーケティングに関するすべての授業が糧となっています。
3年次から始まるゼミは自由に選択できるのですか?
■先生
各ゼミ15名程と定員を設けていますので、それを大きく超えた場合は選考することになります。私のゼミの選考は、私ではなくゼミ生の先輩が数名で審査員をやり、学生と面接をして決めています。
■卒業生
国際経営学科の学生は経営学科のゼミにも参加できます。マーケティングを深く学ぶために、学科を越えて先生のゼミに入りました。
■大学生
私もマーケティングを専門的に学びたかったというのが一番の理由ですが、先生の授業を1年次より履修しており、教え方がとてもわかりやすく、また、優しい人柄も大好きでしたので、迷わず選びました。ゼミ生の仲もよく、活き活きと勉強している雰囲気も魅力的でした。
丸山先生のゼミではどのようなことを学ぶのですか?
■先生
企業のマーケティング活動について、基本的なテキストを読み、様々な事例研究を行います。当ゼミは、東京都が行っている「起業家選手権」のビジネスプラン・コンテストにも毎年参加しています。残念ながらまだ採用実績はありませんが、これからも参加を予定しています。
また、春合宿と夏合宿も行っています。夏合宿では大学が提携しているリゾートホテルに宿泊しますが、このリゾートホテルの「閑散期の集客のためのプラン」を練る課題に取り組むこともあります。ゼミでは、単に理論を学ぶだけでなく、なるべく具体的に企業や事例を使って考え、発表してもらうようにしています。
留学制度やキャリア支援も充実しているそうですね。
■先生
はい。留学制度はかなり充実しています。その理由として、歴史が古いこととキリスト教の学校である、ということがあると思います。欧米やアジアの名門大学と交換留学提携をしていますので、毎年、多くの学生がこの制度を活用しています。
また、キャリア支援は全学のみならず、経済学部でもかなり力を入れています。例えば、簿記やファイナンシャルプランナーの資格取得支援講座も設置しています。金融業界を目指す経済学部の学生は、この講座に参加して資格を取得する場合が多いですね。
それから、企業に入って実務体験をする「インターンシップ」を単位として認定する制度もあります。本学では国内企業だけでなく、海外での企業インターンシップも単位として認定しています。
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