小田先生のさんすう力UP教室(1・2年生)

図形のパズルを楽しもう

さんすう力を高めるにはどうしたらいいの? まあ、そんなに難しく考えないで、まずはお子さまと一緒に問題に取り組んでみましょうよ。
(執筆:小田敏弘先生/数理学習研究所所長)

 こんにちは、今年の目標こそ「健康的な生活」に決めた小田です。なんていうか、もう毎年言っているような気がしますが。しかし昨年も、なんだかんだでそれなりに不規則な生活を送り、そこそこ体調も崩しがちだったので、今年こそはもうちょっと健康的に生きていきたいと思います。
 さて、今回は図形のパズルです。与えられた形をいくつかの合同な形に分割するという、いわゆる「合同分割」という古典的な問題ですが、シンプルでいて、しかし奥が深いパズルです。難しい問題もあると思いますので、無理はせず気軽に楽しんでみてください。
 それでは早速行ってみましょう。

Stage47: 図形のパズルを楽しもう

例題

図の形を、4つの同じ形に分けてください。

例題の答え

 問題の意味はいいでしょう。同じ形、というのはここでは「合同」という意図なので、「大きさが違ってもいいか」という疑問が出てくるようなら、「大きさも同じにする」というのは補足してあげてください。
 今回の問題は、別にできなければできないでも構いません。お子さんが解きあぐねているようでしたら、「難しいね」と共感してあげてください。大人には簡単に見えても子どもには難しい、というのはよくあります。
 また後述しますが、この手の問題は“経験”や“イメージ”が重要です。解けない場合は無理に解かせようとはせず、日常生活のなかで様々な形と触れ合う時間を増やしてあげてください。

解いてみよう

図の形を、それぞれ決められた数の同じ形に分けてください。

解答

さんすう力UPのポイント

 算数・数学の問題を解くには“ひらめき”が必要だ、と思っている方も多いでしょう。実際には、子どもたちが普段解いているレベルの問題で、“ひらめき”が必要なことはほとんどないのですが、今回のような問題では、ある程度“ひらめき”が必要かもしれません。たまにこういう問題を見てしまうと、“ひらめき”を身につけさせたい、身につけるにはどうすればいいのだろうか、と思うかもしれませんが、しかしその“ひらめき”とはそもそも何なのでしょうか。急に聞かれると、なかなか答えに困りませんか。
 個人的には“ひらめき”というような漠然とした言葉を教育に持ち込むのはあまり好きではありませんが、あえてその言葉を使うのであれば、“ひらめき”を構成する重要な要素のひとつとして、「連想する力」を挙げることはできるでしょう。自分の経験のなかから、目の前の問題と似たような状況・問題を思い出し、それとつなげて考えられたとき、“ひらめいた”と言うことができるのです。
 今回の問題で、(1)の問題は、例題とよく似ていることに気づいたでしょうか。切り分けた一つひとつの形については、例題では正方形、(1)では正三角形となっていますが、それらの配置自体に注目してみると、同じになっていますよね。(1)を解くときに、「例題の答え」がなんとなく頭に思い浮かべば、正解にたどり着くためのハードルが下がるのです。ほかにもたとえば、(2)と(7)や、(3)と(6)もよくよく見ると似ています。さらに言えば、(4)は(1)の答えから正三角形を一つ減らした形で、その(4)に対して(5)、(8)が“似た形”のグループになっています。とくに(7)や(8)は、初見ノーヒントで解けと言われるとかなり難しい問題です。こういった問題が解ける人を傍から見ていると、何かものすごい“ひらめき力”みたいなものをもっているように見えるかもしれません。しかし実際のところ、意識的にであれ無意識にであれ、(2)や(4)(5)のようなイメージが頭に思い浮かぶかどうか、が解けるかどうかのひとつの境界になっているのです。
 その意味で、“ひらめき”の源泉は「経験」である、ということもできるでしょう。例題の形に戻ると、これは“タイル遊び”をしているとよく見かける形です。そういったものに慣れ親しんだ子にとっては、意識的に思い出すまでもなく、あっさり答えにたどりつくことができるでしょう。「連想する」と言っても、その結びつけていく先はあくまでも“自分のなかにあるもの”です。結局のところ、月並みな話にはなりますが、様々な経験を積み、いろんなものを見て、それらを自分のなかに蓄積していくことが、“ひらめき”を鍛えるいちばんの近道と言えるのです。しかしそうは言ってももちろん、無理やり詰め込む形では、子どものなかに“イメージ”として蓄積させていくことができません。だからこそ、教育関係者は口をそろえて「たくさん“遊ぶ”ことが大事」と言うわけですが、今回の問題も、解ける・解けないに関係なく、ぜひ“遊び”として楽しんでほしい、というのがわたしの願いです。


 いかがでしょうか。
 年末は例年通り実家に帰り、年明けにはこれまた例年通り実家の近所の神社にお参りしてきました。引いたおみくじで心に残ったのは、「古い事を改め、新しき事を初めるによし」という言葉です。思い返せば、昨年は大きな変化こそなかった代わりに、日々の「やらなければいけないこと」が以前よりも地味に増え、それらをうまく回せずにバタバタしたまま終わってしまった、という反省があります。おみくじで出たから、というわけではありませんが、今年はまずそれらをうまく回す方法を考えて、さらに新しいことにも挑戦する余裕ができたらいいな、と思っています。
 それではまた来月!

文:小田 敏弘(おだ・としひろ)

数理学習研究所所長。灘中学・高等学校、東京大学教育学部総合教育科学科卒。子どものころから算数・数学が得意で、算数オリンピックなどで活躍。現在は、「多様な算数・数学の学習ニーズの奥に共通している“本質的な数理学習”」を追究し、それを提供すべく、幅広い活動を展開している(小学生から大人までを対象にした算数・数学指導、執筆活動、教材開発、問題作成など)。

公式サイト:http://kurotake.net/

主な著書

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