小田先生のさんすう力UP教室(1・2年生)

ほかにもないか探してみよう

さんすう力を高めるにはどうしたらいいの? まあ、そんなに難しく考えないで、まずはお子さまと一緒に問題に取り組んでみましょうよ。
(執筆:小田敏弘先生/数理学習研究所所長)

こんにちは、最近携帯を買い換えた小田です。携帯はそれほど頻繁に買い換えるわけではなく、そのときに使っているものが不便になってきたら買い換える、というスタンスなのですが、今回は電源ボタンの調子が悪くなったので、買い換えることにしたのです。ショップに行き、買い換えて、諸々契約もしたところで、なぜか古い方の電源ボタンが復活したんですけどね。買い換えられたくないという、最後の抵抗でしょうか。もう少し早く復活してほしかったです。

さて、今回は論理の問題です。何をもって「論理」の力と言うのかは、実は人によってずいぶん中身が違うように思いますが、個人的には「可能性をすべて考える」ことができるかどうか、は「論理」を組み立てる上で重要な力のひとつだと考えています。ぜひ、「ほかにはもうないかな」ということを意識しながら問題に取り組んでみてください。

それでは早速行ってみましょう。

Stage57:ほかにもないか探してみよう

例題

赤いカードが2枚、青いカードが2枚あります。この4枚を1列に並べるとき、どのような並べ方があるでしょう。すべて探してください。

例題の答え

赤赤青青、赤青赤青、赤青青赤、青赤赤青、青赤青赤、青青赤赤(6通り)

まずは問題の意味を確認しましょう。「1列」は縦でも横でも構いませんが、どちらか1つに統一するようにしてください。もう少しきちんと問題文を書いたほうがよかったのですが、もしお子さんがいろいろと気にしているようでしたら、「色の並び」についての問題だ、という前提だと伝えてあげてください。
問題の意図がわからないようでしたら、いくつか具体例を挙げてあげてください。コピー用紙などを適当に切って色をつけるなど、実際に「カード」を用意して並べてみるのもいいでしょう。

お子さんがいくつか答えを書いて、これで終わり、としたら、正しいかどうかを見てあげてください。
まず、条件に合わないもの、たとえば赤を3枚並べていたりするものがあれば、「赤は2枚だよ」と具体的にどう条件にあっていないかを伝えてあげてください。また、同じものを2回以上書いていれば、「これとこれは同じだよ」と伝えます。足りないものがある場合は、まず「まだほかにもあるよ」と伝えてあげてください。「あと何個あるか」については、お子さんの状況に応じて伝えてあげて構いません。どうしても残りが見つからない場合は、すでに見つけたものを「赤から始まるもの」と「青から始まるもの」に分類してあげましょう。人によっては難しい問題なので、それでも見つからないときは、答えを伝えてあげても大丈夫です。

解いてみよう

(1)~(7)のようにカードがあり、それぞれすべてを1列に並べるとき、どのような並べ方があるでしょう。すべて探してください。

(1) 赤いカードが2枚、青いカードが1枚

 

(2) 赤いカードが1枚、青いカードが1枚、黄色いカードが1枚

 

(3) 赤いカードが1枚、青いカードが3枚

 

(4) 赤いカードが2枚、青いカードが1枚、黄色いカードが1枚

 

(5) 赤いカードが4枚、青いカードが1枚

 

(6) 赤いカードが3枚、青いカードが2枚

 

(7) 赤いカードが3枚、青いカードが1枚、黄色いカードが1枚

 

解答

(1) 赤赤青、赤青赤、青赤赤 (3通り)

(2) 赤青黄、赤黄青、青赤黄、青黄赤、黄赤青、黄青赤 (6通り)

(3) 赤青青青、青赤青青、青青赤青、青青青赤 (4通り)

(4) 赤赤青黄、赤赤黄青、赤青赤黄、赤青黄赤、赤黄赤青、赤黄青赤、青赤赤黄、青赤黄赤、青黄赤赤、黄赤赤青、黄赤青赤、黄青赤赤 (12通り)

(5) 赤赤赤赤青、赤赤赤青赤、赤赤青赤赤、赤青赤赤赤、青赤赤赤赤 (5通り)

(6) 赤赤赤青青、赤赤青赤青、赤赤青青赤、赤青赤赤青、赤青赤青赤、赤青青赤赤、青赤赤赤青、青赤赤青赤、青赤青赤赤、青青赤赤赤 (10通り)

(7) 赤赤赤青黄、赤赤赤黄青、赤赤青赤黄、赤赤青黄赤、赤赤黄赤青、赤赤黄青赤、赤青赤赤黄、赤青赤黄赤、赤青黄赤赤、赤黄赤赤青、赤黄赤青赤、赤黄青赤赤、青赤赤赤黄、青赤赤黄赤、青赤黄赤赤、青黄赤赤赤、黄赤赤赤青、黄赤赤青赤、黄赤青赤赤、黄青赤赤赤 (20通り)

さんすう力UPのポイント

算数・数学を学習する上で重要な要素のひとつとして、「論理的に考える力」が挙げられる場面は多いです。算数をやっていく際に論理的思考力が必要だ、と言われたり、算数をやっていくなかで論理的思考力が鍛えられる、と言われたり。しかし、冒頭でもお伝えしたとおり、この「論理的に考える力」は結構漠然としており、人によって指している中身が違っているのが実際のところです。そのため、いざ「論理的に考える力を身につけたい」と思ってみても、具体的にどうすればいいのかわからない、となってしまうことが多いでしょう。そして、なんとなくとりあえず、「難しい・複雑な」問題を解く、あるいは解かせる、となってしまいがちです。しかしもちろん、それではあまり意味がありません。それどころか、「解けない」という経験ばかり積んでしまうと、苦手意識につながってしまうこともあるでしょう。
確かに、算数を学習していく上で、「論理的に考える力」は大事です。しかし、それを本当に身につけていくためには、「論理的思考力」とは何か、を具体的に見ていく必要があるのです。

算数の問題を解くために必要な論理の力、もしくは、算数を学ぶことを通して身についていく論理の力は、分析してみると、様々な要素から成り立っていることに気づきます。そのなかでとくに重要な要素のうちのひとつが、今回のテーマでもある「列挙する力」です。
算数で論理を使うとき、一番大事なことは「必ずそうなるか」ということです。たとえば、学習を進めていくと「三角形の内角をすべて足すと180度になる」と習うでしょう。そして、それを使って角度の問題を解いていきますね。しかし、そういったことができる、という背景には、三角形の内角の和が“必ず”180度になる、という保証が必要です。もし、ごく稀にでも180度にならない三角形があったらどうでしょうか。目の前の三角形がそういった三角形でないかどうかを、いちいち確かめなければならなくなってしまいます。

「必ずそうなる」という「論理」を積み上げて行く上で、欠かせないのが常に「そうならないパターンがほかにないか」と考える姿勢です。そして、与えられた条件のなかで考えられる結論の候補を、実際にすべて挙げきる力です。そういう意味で、「列挙していく力」こそ「論理的思考力」の一角を担う重要な要素であると言うことができるのです。
今回の問題も、この「列挙する力」を鍛えるためのトレーニングです。「すべて挙げる」ことに取り組む経験を積むなかで、「ほかにもないかな」と考える機会を増やし、「論理の力」を鍛えていってほしいと思います。


 いかがでしょうか。

最近、「うつぶせで寝転んで本を読むためのクッション」を買いました。うつ伏せの状態から肩などを少し浮かせた状態で支えるクッションなのですが、顔を置く位置にちょうど穴があいているので、そこから本を読んだりタブレットを見たりできるのです。ぐうたらする気満々なわけですが、この原稿を書いている段階では、まだ開封していません。注文して、届いてはいるんですけどね。楽しみにしているところです。

それではまた来月!

文:小田 敏弘(おだ・としひろ)

数理学習研究所所長。灘中学・高等学校、東京大学教育学部総合教育科学科卒。子どものころから算数・数学が得意で、算数オリンピックなどで活躍。現在は、「多様な算数・数学の学習ニーズの奥に共通している“本質的な数理学習”」を追究し、それを提供すべく、幅広い活動を展開している(小学生から大人までを対象にした算数・数学指導、執筆活動、教材開発、問題作成など)。

公式サイト:http://kurotake.net/

主な著書

まだZ会員ではない方

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