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CONTENTS

●プロフィール    ●大学生活について     ●就職活動、仕事について
●5年後に向けて    ●高校生へのアドバイス
 


●大学生活について




経済学部での学びについて教えてください。


先生
本学部には「経済学科」と「現代経済デザイン学科」の2学科があります。
経済学科は理論、政策、歴史がカリキュラム上の大きな柱で、経済問題を分析、解決できる力を身に付けます。現代経済デザイン学科は、政府と地域・コミュニティを経済という観点から相対的にとらえる学びを行う「公共経済学」、「地域経済学」という要素が加わります。理論・政策に加え、地域がカリキュラム上の大きな柱です。
この2学科は、学びのスタイルも少し違っています。
経済学科は、「経済学」という学問がこれまでの歴史において、細分化・体系化されていますので、それを総合的に学べるような形になっています。現代経済デザイン学科は「公共と地域」を軸にしたカリキュラムですので、総合的というよりも、部分的にフィールドワーク実習なども交えながら、実践的に学べるようになっています。

特徴的な授業・カリキュラムを教えてください。


先生
現代経済デザイン学科では、新しい試みを行っていこうといろいろと工夫をしています。例えば「ビジネスマナー」という授業があります。

大学生
履修しました。挨拶の仕方、お辞儀の仕方、歩き方、敬語の使い方など、ビジネスマナー全般を教わり、試験もあります。ただ教わるというだけでなく、自分たちで実践しますし、就職活動でも役立つ内容の濃い授業ですね。


先生
同じ先生が「プレゼンテーション」という授業も担当しています。これらの授業は単に就職活動を意識したということではなく、社会に出てから役立つ自己表現力の磨き方を強化するための授業です。
また、カリキュラムの特徴としては、現代経済デザイン学科は経済の基礎から専門までしっかりと学んでもらうため、1・2年次で学ぶ、専門必修科目を増やしています。各教員の専門分野を理解してもらうための、専門性を紹介する「現代経済デザイン総合講義」というガイダンス的な授業から、この学科ならではの「公共経済学」、「地域経済学」、「公共哲学」の各授業はもちろん必修にしています。

大学生
この必修科目が多いカリキュラムは、1・2年次のテスト勉強など、かなりきつかったですね(苦笑)。でも、充実した学びの環境で入学して良かったと思いました。

先生
経済学科の「産業論」、現代経済デザイン学科の「経済・金融事情」という授業では、外部からビジネスマンや実業家の方、日本銀行関係者などをゲスト講師に迎えて授業を行います。学生からはどちらも人気が高い授業です。
また、授業名は違いますが、総務省の職員や自治体の副市長さん等が担当する授業もあります。

卒業生
私も「産業論」は印象に残っていますね。

大学生
面白かったです。

「フィールドスタディ」、「フィールドワーク」という科目はどういう内容ですか?


先生
現代経済デザイン学科では地域が学びの1つのテーマですので、地域を知るためのフィールドワークを目的とした実習を伴った科目です。
「フィールドスタディ」は座学で、実習調査である「フィールドワーク」を行うために必要な知識を身に付ける講義を行います。その後、調査テーマを決めて実際にフィールドワークを行います。

大学生
「フィールドスタディ」の最初の授業で、先生に「明日までにお散歩コースを考えてきなさい」と言われました(笑)。私はいろいろな大学の学食めぐりなどを考えましたが、実際にフィールドワークを行ったのは浅草でした。
この授業では経済を学ぶというより、地域のあり方を学ぶ側面が強いように感じました。本学科の特徴的な授業だと思います。

先生
そうですね。もちろん他のフィールドワークでは、例えば温泉地である草津へ行き、経済的な活性拠点をテーマに調査するというものもありましたが、地域活性の実態を知るという社会学的な要素も強い授業でもあります。

授業の進め方など、何か新しい取り組みはされていますか?


先生
はい。経済学部に入りますと、かなり分厚い教科書を購入し、持ち歩かなければなりません。そこで現在、「電子教科書」の実験的な導入を始めています。

大学生
えっ、驚きですね!

卒業生
すごい進化ですね。

先生
前提として、紙の教科書は今まで通り買ってもらいます。その教科書を買うと、同時に電子版の教科書が配信されるようになります。それを自分のタブレット端末やパソコンに落としてもらえば、電子教科書が利用できるようになるわけです。分厚く重たい教科書を毎回の授業に持参するのは負担だと思いますが、タブレット端末なら持ち運びが手軽になります。

大学生
(実際に電子教科書を操作してみて)
これは勉強したくなるツールですね。タブレット端末で勉強するなんて、なんかかっこ良すぎます(笑)。

卒業生
(操作して)
見やすいですね。うらやましいですね、今の新入生(笑)。


先生
そうでしょう?(笑)
また、アクセスデータから、どれだけ電子教科書を活用し勉強してくれているのかもわかるのです。授業後や夜間などに、しっかり読んで勉強してくれている、といったこともわかります。

皆さんが経済学部を選んだ理由は何ですか?


卒業生
卒業後に社会に出た時に、「きっと将来、何かの役に立つだろう」と、そんな漠然とした気持ちでした。

大学生
実は、母と姉が青山学院大学の出身だったので、青学という目標はしっかりと決めていました。その中でなぜ経済学部だったかというと、当時、新設されたばかりの現代経済デザイン学科にひかれた、というのが正直なところです。

入学してみた印象はいかがですか?


大学生
1年次必修の「ミクロ経済学演習」では数学を使うのですが、少し苦労しました。高校時代は数学が得意科目のつもりでしたが、「数学は得意ではなかったのだ」と教えられました(笑)。
でも、現代経済デザイン学科を選んで良かったなと思っています。先ほど先生もおっしゃったように、必修科目が多く勉強は大変ですが、学ぶ楽しみも多く、学科全体が少人数で皆と仲良くなれるという素晴らしいメリットもあります。
もし、経済学科にするか現代経済デザイン学科にするか迷っている高校生がいたら、現代経済デザイン学科をお薦めしますね。ちなみに私たちは本学科を「現デ」と呼んでいます(笑)。

卒業生
私と同じように、明確な将来の目標を持って入ってきている学生は少ないのかな、という印象でした。ですから、逆に居心地は良かったですね。もちろん皆、年次が上がっていくにつれ、それぞれ目標は見つけていました。

先生
現代経済デザイン学科には、「GIS(地理情報システム)」を使った分析方法やデータ解析手法を学ぶ授業があります。「この授業を受けたくて入学してきた」と言う学生はけっこういますね。オープンキャンパスでGIS体験ができますので、そこで「とても面白かった」と、興味を持ってくるわけです。
GISというのは、例えばコンビニエンスストア・データを入力すると、地図上のどこにコンビニが集中しているのかなど、コンビニの店舗名もわかりますので、各社の店舗戦略なども分析することができます。

印象に残っている授業などはありますか?


大学生
まずは必修の「体育」ですね(笑)。いろいろな学部の人と知り合うことができる授業だったので、すごく楽しかったです。
そして、「青山スタンダード」という全学共通の教養教育の科目も好きでした。「心理学」や自然科学系の「生命と生態系」、「スポーツ心理学」、「スポーツ生理学」は授業内容も新鮮で、面白かったです。

卒業生
そうですね。経済学部では毎日、マクロ経済学、ミクロ経済学、財政学など、専門科目と英語の授業が中心ですから、藤アさんが言ったように、青山スタンダードの授業はすごく新鮮さを感じました。青山スタンダードの中から何を履修しようかと友達と一緒になって考えるのは、とても楽しみな作業でしたね。特に人気の集まる授業は抽選になるため、人気の授業をどれだけ多く履修できるかを友達と競い合うのも楽しみの1つでした(笑)。
専門分野では、先ほど言いました「産業論」と「演習(ゼミ)」の授業が好きでした。

宮原ゼミの学びの内容を教えてください。


先生
私のゼミは「公共政策」をテーマにしています。昨年度はちょうどアベノミクスが注目されていましたので、ゼミの授業では、アベノミクスに関する雑誌の記事などを学生にも読ませ、どういうことが書かれていて、この後の展開予測をするといったようなことをやりました。
最近、「クリティカル・シンキング(批判的思考力)」の能力が求められるようになっていますので、昨年、授業の趣向を少し変え、クリティカル・シンキングが身に付くようなワークブックを学生に渡しています。クリティカル・シンキングを学ぶと、自分の意見を言う、他人の意見を聞き考えを理解する、それらをとりまとめることなどの能力が自然と高まります。このようにゼミテーマとは別に、社会人に求められる基礎教育もゼミでは取り入れています。
ちなみに本学部では「ゼミ」は必修ではありません。ゼミ履修希望者は選考を受け、経済学科では3年次より、現代経済デザイン学科では2年次の後期より履修できます。

お二人が宮原先生のゼミを選んだ理由は何ですか?


卒業生
ゼミは任意でしたが、講義を聞くだけの授業とは違って、プレゼンテーションを行い、意見を自分たちから発信できますし、グループワークの勉強もできると先輩からも聞いていましたので、必ず履修したいと思っていました。
宮原先生のゼミは、先生のお人柄と、先輩方から楽しんで学べて良いと聞いていたので選びました。

大学生
私が先生のゼミを選んだのは、ゼミを選ぶためのプレゼンテーションに参加して、宮原先生のゼミの先輩たちの雰囲気が、一番良いと感じたからですね。
また、先ほどお話に出た「現代経済デザイン総合講義」を履修した際に、先生の研究内容にも興味を持ったからです。宮原先生は公務員出身なので、公務員になりたくて先生のゼミを履修したという方もいますね。

ゼミでは何か盛り上がるイベントを行いますか?


卒業生
ゼミ合宿が楽しみでしたね。
私の時代は新人歓迎合宿と夏合宿の年に2回ですので、計4回の合宿に参加しましたが、先生はとてもお忙しかったので、合宿へのご参加はなかなか難しかったようです。

大学生
今は夏合宿だけですが、先生は毎回いらっしゃっていますよ、飲み会も(笑)。

卒業生
ええ、うらやましい!!(笑)

先生
ごめんね、末永君(笑)。あの頃はちょうど現代経済デザイン学科を立ち上げる準備中で、その中心メンバーだったから、なかなか宿泊を伴う場合は、参加が難しかったのです。

現代経済デザイン学科では2年次より、「公共コース」と「地域コース」に専攻が分かれますが、藤アさんはどちらを選びましたか?


大学生
私は「公共コース」です。その理由は、2年次は将来公務員になることも視野に入れていたため、「公共コース」の方が、公務員志望者に適した学びの内容であると聞いていたからです。


先生
「公共コース」は、「公共経済学」を学びの柱としていますので、政府・公共といった方面に関心のある学生が履修します。「地域コース」は、「地域経済学」が柱ですので、地域社会の問題などに関心のある学生が履修します。
以前は、コース選択とゼミ選考が別々でしたが、現在は、2年次にゼミを履修する学生は、先生の専門に合ったコースを自動的に選択するようになっています。ゼミとコースで専門性をより高める、というカリキュラムになっているわけです。

大学のイベントの思い出はありますか?


大学生
私はやはり学園祭ですね。ヴォーカル・サークルURCで、屋外のステージと教室をライブハウスのようにして照明・音響をセットしてライブをやっていました。
あと、クリスマスにキャンパスで行われる「点火祭」は素敵ですね。聖歌隊をはじめ参加者皆で賛美します。学生のみならず、近隣の方々もたくさん参加されるんですよ。

卒業生
学園祭では、所属していた野球サークルでお店を出していました。あと、青学の伝統行事としては、誰もがチームを自由に組んで参加できるソフトボール大会があります。私の野球サークルチームはそこでいつも優勝していたので、欠かせないビッグ・イベントでしたね。

大学生
今は「フットサル大会」もあり、これも盛り上がっていますね。

卒業生
青学の場合、学生がサークルなどでも自主的にイベントを開催しています。自主性を伸ばすのも青学の素晴らしさかなと思います。

大学生
そうですね。まさに学生が主役の大学だなと思います。

 

 

●就職活動、仕事について




末永さんが銀行に就職した理由を教えてください。


卒業生
就職活動を始めた当初は、職種としては営業向きだと思っていましたので、メーカー、保険・金融、マスコミ、商社など、幅広い業界をリサーチしていました。ただ、就職活動だけではどの業界が自分にマッチしているのか、正直、わからなかったんですね。
そこで先輩方にお会いしてお話をうかがう中で、金融業界がクローズアップされてきました。先生からも金融を薦めていただきました。就職活動の終盤においては金融が自分に一番ぴったり合うのではないかと考え、銀行に決めました。


同期入社の方の出身学部はどうですか?


卒業生
入行して驚いたのは、4人に1人くらいの割合で大学院卒も含む理系出身の方がいたということでした。文系からは、経済や法学等の学部出身者が多いですね。銀行の場合、8割は営業業務ですので、多くの理系出身の方も一緒に営業職に就いています。

銀行に就職する際の面接や試験などでは、経済や金融に関する知識を問われるのですか?


卒業生
いえ、就職試験や面接の段階では、専門的な内容を聞かれたことはなかったですね。むしろ、人間性というか人となりを見られていた気がしますね。

お仕事の大変な部分とやりがいを感じる部分を教えてください。


卒業生
大変な部分としては、やはりお客様あっての仕事であり、細かく気を遣う作業が多いところでしょうか。それがストレスになっているわけでは決してないのですが、他の業界で働く友人と仕事の話になった際には、銀行業務がいかに細やかさや几帳面さを必要とされているのかを感じますね。
また、これは銀行に限ったことではありませんが、営業マンの与えるイメージが会社のイメージに直結しますので、常に気を使った行動をするように心がけています。 やりがいを感じるのは、お客様から感謝をされた時と、もう1つは、成果面で目標を達成できた時ですね。

先生
銀行というのは、独自の金融商品はあるけれども、オリジナルなモノづくりをしているメーカーとは違うわけですね。ですから学生側にしてみると、どういうビジネスをしているのかが見えづらい企業の1つかもしれません。
末永さんは、そのあたりで戸惑ったりはしませんでしたか?

卒業生
銀行を目指す就職活動生の自己アピールは、「銀行は目に見えないモノ・サービスを売っている会社であり、主役は人です。そこが銀行の魅力です」というものが多く、私も同じことを言っていました。つまり、自分勝負で仕事ができる、ということにやりがいを感じる業務だということです。
実際、本当にその通りですね。営業マンがいかに誠意を見せるかが、とても重要だと思います。

同期の卒業生の方々はどのような方面に就職されましたか?


卒業生
ゼミの同期は、家電メーカーや保険会社、公務員、飲料品メーカー、専門商社など様々です。

先生
末永君の代は、就職先は幅広く分かれていましたね。本学部の卒業生で多い就職先は、やはり金融業界です。金融業界は経済学部での学びがストレートに仕事に活かせますし、募集人員も少なくないので学生には薦めています。

藤アさんは就職活動中ですか?


大学生
はい。やはり金融業界を志望しています。会社説明会などで、働いている方々の雰囲気を拝見して、こういう方々と一緒に働いてみたいと感じました。ゼミ選びでもそうでしたが、自分が所属する場所の人の雰囲気というのを私は重視しています。

女性の場合、銀行には一般職・総合職とありますが、どちらを希望しますか?


大学生
私は自分の将来設計も視野に入れ、一般職を希望しています。

卒業生
将来設計や勤務地も大切な要素ですよね(笑)。横浜銀行の場合は、勤務地は支店がある神奈川および東京が中心エリアとなります。私は神奈川県出身で、地元への地域貢献に役立ちたいという思いもあり、入行を決めました。

先生
学生は大手銀行に就職希望者が多いですが、特に就労環境の面でも、地方銀行さんは魅力的ですね。

藤アさんの同期の方々はどういう就職先を希望していますか?


大学生
1年上の先輩たちは金融業界が多かったのですが、私の同期のゼミ生の希望業種は多岐に渡っています。公務員を目指している人もいますし、会計士を目指している人もいます。そのほかにも、不動産関係やスポーツメーカー、広告代理店などです。

先生
現代経済デザイン学科は公共と地域が学びの柱ですので、「公務員志望者」が集まることを想定し、そうした学生の期待を裏切らない学びの内容にしようと考えています。しかし実際には、一般企業への就職が圧倒的に多くなっていますね。
少数派ですが、地方自治体等で、学科での「地域経済学」の学びを活かした仕事を担っている卒業生もいます。また、NTTなどの通信系、日本郵政など、公共性の高い業界でも卒業生が活躍しています。

 

 


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