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CONTENTS

●プロフィール    ●大学生活について     ●就職活動、仕事について
●5年後に向けて    ●高校生へのアドバイス
 

●5年後に向けて




皆さんの将来の夢・目標を教えてください。


大学生
目標としているのは、生徒と真剣に向き合える先生ですね。先ほど話しましたが、高校時代の担任の先生が、些細な話でも真剣に聞いてくれましたし、1日に1回は声をかけてくれたのが印象に残っています。

卒業生
教員としてのスキルアップを目指して留学をしたいという思いもありますし、他の国で働いてみたいという思いもあります。ですが、まずは今の環境で日々頑張ることです。


先生
研究成果をまとめた単著を出版することが当面の目標です。研究論文は専門家の目には触れますが、一般読者にはなかなか読まれません。書店の平台に積まれるような形で自分の研究成果を世に問うことを、5年以内には実現させたいですね。また直近の目標としては、2014年9月にパリのソルボンヌ大学で開催される「日仏フランス革命研究シンポジウム」に報告者として参加するので、それを成功させることです。

先生の研究の面白さ、やりがいはどんなところにありますか?


先生
大学院時代の恩師から言われた言葉があります。「歴史というものはわからないものだよ。タイムマシンに乗ってその時代に戻らない限りはね」。つまり、歴史とは歴史家によって再構築されるということです。そのためには「歴史学の作法」を身につけなければならないのですが、そこには歴史家その人のオリジナリティーが反映されるので、その人なりの歴史が再現されるところが歴史の面白さだと思いますね。

研究の社会的な意義は何ですか?


先生
いま述べた「歴史学の作法」が社会で生きていくための術を身につけることにつながると思っています。社会に出ると答えのない問題に直面することが多く、自分で活路を見出していかなければなりません。歴史研究は、いま私たちが直面する問題を見つけ、それに対する他人の見解を整理・批判し、そこから導きだされた課題を克服するために、必要なデータを探索・調査・検証して、最終的に結論を導き出すというプロセスであり、こうしたプロセスを経験することは社会を生き抜く術を磨き上げることにつながると思います。

高校1年生が先生の研究を知るには何をすればよいでしょうか?


先生
テーマはなんでも構わないので、ある歴史の事柄に関して書かれている専門書を読んでほしいですね。新書でもよいでしょう。教科書だけではわからない、歴史の面白さが発見できると思います。

 


●高校生へのアドバイス




もし高校1年生に戻れるとしたら、何をやり直したいですか?


先生
私は福島県出身ですが、当時は大学の情報がとにかく少なかったですね。早稲田・慶應・上智くらいは知っていましたが、ほかにどういう大学があって、どんな面白い学部学科があるのかなど、情報を集めることができませんでした。ということで、大学に関する情報をたくさん集めたかったですね。オープンキャンパスには早いうちから積極的に参加して、大学を自分の目で確認するとよいと思います。

卒業生
それは大事なことですよね。選択肢は多い方が絶対良いです。

大学生
私は部活ですね。部活をもっと一生懸命やっていたら良かったと思います。

卒業生
私は逆に高校といえば部活しかしていなかったので、もっと勉強というより、社会の現状を見たり討論したりするような「自分の意見が持てる勉強」をしたかったですね。

進路選択のアドバイスをお願いします。


大学生
「高校教員になろう」と決めてから、文学部史学科を第一志望にして、あとは高校教員免許が取れる国立大学と文教大学に候補を絞りました。高校教員になりたい方は、選択肢はたくさんあると思うので、しっかりと調べてみてください。また私にとっては、「自宅から近い」ということも大学選びの重要な条件でした。自宅や地元が大好きなので、そこから近い方が勉強にも身が入るのです(笑)。先生になるのも地元を希望していました。


先生
まずは自分で「こうしてみよう」と考えて、誰よりも早く一歩踏みだしてほしいです。他人のアドヴァイスも大切ですが、自分で決断することをお薦めします。自分で決めたことなので、最後まで責任をもってやりとげ、どのような結果になろうとも決して「他人のせいにはしない」ことが大事ですね。当然、一歩踏みだしてみたものの、実際にやってみたらやはり方向性が違っていたということもあるでしょう。その場合、軌道修正することは決して悪いことではありません。何度も繰り返すうちに、自分の進むべき道が必ず見えてくると思います。

大学生
私も親に「自分で決めなさい」と言われ、最終的には自分で決めるしかないと思っていました。

大学で学ぶにあたって何かアドバイスはありますか?


先生
大学では「考える」という作業を行います。そのためには知識が必要になりますので、高校での勉強がとても大切になります。どんなゲームでもそれを楽しむことができる人たちは必要なルールを知っているわけです。同じように、勉強もルールがわかれば楽しくなり、わからなければ楽しくない。そのルールは、ものごとを考えるために必要な材料となる知識なのです。暗記はそれを獲得するために大切な作業のひとつですね。暗記はつまらなくて、大学受験のためだけに必要だと考えるのは間違いです。暗記は決して無駄な作業ではなく、大学で学ぶために必要なルールを習得することだと考えてほしいですね。

最後に、文教大学教育学部の素晴らしさを教えてください。


大学生
この学部に入って良かったと思うことはたくさんありますが、クラス制ということが一番印象的ですね。4年間ずっと同じ仲間と過ごすというのは、高校でもしていないことですから、貴重な体験だったと思っています。

卒業生
平先生のゼミに入って良かったですね。いろいろなことに熱く真剣なアドバイスをいただきました。友人が教員以外の道を考えた時も、本人の意思を尊重してくださいました。

先生
本学の学生が何ごとに対しても一生懸命に取り組む姿勢が素晴らしいと思います。われわれ教員が親身になるのは、学生がそうした姿を見せてくれるからであり、ついそうしたくなってしまうのです。そこが本学の素晴らしいところだと思います。

大学構内のお気に入りスポット
先生
研究室と答えたいところですが、社会専修の準備室や教員の研究室がある8号館4階のフロアでしょうか。「バスハイク」の準備、模擬授業の準備、教員採用試験の勉強、そして卒業論文の執筆など、各学年の学生の動きが良く見える空間で、何ごとにも真剣に取り組む彼らの姿を見ていると、自分までやる気にさせられるからです。

大学生
私は研究室ですね。

卒業生
私も研究室です。みんなでよく集まってお菓子を食べたり、コーヒーを飲んだりしていました。

 

 

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